なぜ亀田興毅選手に対する抗議が殺到するのか? | 消費者心理学とマーケティング - 消費者心理学・消費者行動論の研究より -

なぜ亀田興毅選手に対する抗議が殺到するのか?

なぜ亀田興毅選手に対する抗議が殺到するのか?心理学が大衆の心理を解明します。

私の衝動買いの記事を書いていたブログに下記の質問がありました。皆さんが非常に興味を持っている内容でしょうから、私の考えを書きます。

《ご質問》

サムライJapan,亀田事件の心理的背景は? 消費者心理研究家さんより

最近ワールドカップ、ボクシングの亀田ともに試合前盛り上がっており、結果がガッカリだったことが続いています。私自身もこれらの記事が載っていると、思わず衝動買いをした一人でもあります。結果的にはマスコミの提灯記事に踊らされていたわけですしが、消費者心理的にみると、何かトリックがあるのですかね?

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《私のコメント》

貴重なコメントありがとうございます。このようにコメントを頂くと自分の先日の記事をより深く見直すことにつながり、勉強になります。

一点目として、ガッカリの程度が非常に大きかったと思われます。サッカーにしろ、亀田選手の件にしろ、日本のマスメディアは意図的に「日本・亀田選手は非常に強い」と盛り上げます。(ちなみにイギリスにいるのでプレミアリーグのオーストラリアの選手を知っていますが、イギリス人のほとんどがオーストラリアはいいチームと言っていました!!日本のマスコミの論調は別だったと思いますが)

人間の落胆の程度は、期待と実際の差で決まります。日本のマスメディアが提灯記事を振りかざすだけ、負けた場合の日本人の落胆は私がワールドカップで感じたものよりも大きかったと思います。

二点目として、人間は自分の期待(認知)していたことと実際が異なる場合はその状態を不快に感じます(認知的不協和の理論)。この例では、「日本代表・亀田選手は強いはず」というのが自分の期待(認知)で、「日本代表・亀田選手は実は弱かった」というのが実際です。そのような(期待と実際の)不協和の状態では、(不快な状況を打破するため)人間は認知していた「日本代表・亀田選手は強いはず」という期待を変化させることで、期待(認知)と実際の不協和を打破することがあります

亀田選手の例では、マスコミがグルになって作り上げた虚像などの報道がこれに当たります。つまり、自分たちが強いと勘違いしていたのは、(自分が良く調べなかったのが悪いのではなく)マスコミが騙していたからということになります。つまりマスコミのせいにすることで、自分の期待(認知)の水準を(実際の水準まで)下げたのです

(なお、不協和を打破する点では、人間は実際を変化させることもあります。つまり本来の体重のクラスでないので本調子ではなかったという論調です。この論調は亀田選手の所属ジムや一部の方が採用している論調ではないでしょうか)

ワールドカップの例では、期待(認知)は正しかったけど、実際の試合結果がおかしかったとの論調になっていたと思います。つまり、フォワードの柳沢・高原選手が(特に柳沢選手)があの場面でシュートを決めて入れば試合結果は違っていた(当初の自分の期待が正しかった)との論調です。知り合いのイギリス人に「イタリア・ドイツで、1年間でほとんど点を入れていない選手に3試合で点を入れることを期待するのが間違い」と言われました。もしかしたら、私達の期待が高すぎただけかもしれないのに、非難は逆に選手に行きました。

三点目として新聞を衝動買いする理由は、マスコミが騙していた・柳沢選手が本来なら入れるべきシュート外したという記事を読むことで、期待(認知)と実際の不協和がなくなり、自分の気分が晴れるからです

注意:認知的不協和の打破の戦略はここで紹介した方法だけではありません

なお、現在、イギリスに在住のため、亀田選手の試合は見ていませんし、彼自身のことはほとんど知りません。ワールドカップは周囲のイギリス在住の日本人の友人たちと応援していましたが・・・。ただし、亀田選手の試合後のTBS等への抗議についてはインターネットで確認して知っていまが、日本の方の気持ちについては推測に基づいています。

皆さんの実例があると、わかりやすく内容も発展しますので、皆さんの実例やコメントをどんどんお待ちしています!!

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次の更新は、本編(衝動買い- 自分への理由付けNo2 -)を夜の9時から10時ぐらいの間(書き終わり次第)、単発の記事(内容は未定)は明日の午前中の予定です。