ジョージ・クルーニーがみせたハリウッド帝王の貫録 | con-satoのブログ

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今やアメリカ映画界の帝王と評していい位の貫録のあるジョージ・クルーニー。

今年は「ファミリー・ツリー」でアカデミー主演男優賞の候補にもなった。

クルーニーの今年の映画は、それでだけではなく監督・脚本・出演(主演ではない)を兼ねた「スーパー・チューズデー 正義を売った日」が公開された。


これは、そのタイトルのように大統領予備選挙を背景にしたドラマ。現在、現実の世界で進行している、この予備選。映画は民主党の予備選だが、現実には共和党の予備選挙が激しく行われているこの頃。興味深々でこのダラマを見た。


この映画、政治の裏側を興味深く見せくれる。何よりも優れているのは、クルーニーの演出。特に配役のセンスの良さ。さすがに役者の映画だけあって、これ以上ない名優たちがそれぞれ最高の演技を見せる。しかも、当人のクルーニーは助演に徹している。それもまた見事。12年の代表的な男優、主役のライアン・ゴスリングがいいのは当然。でも、参謀を演じるフィリップ・シーモア・ホフマン。敵側の参謀のポール・ジアマティの、この両側の参謀を演じる俳優が見事。本当のプロフェショナルの雰囲気を漂わす。この2人の巧みな策略や陰謀に鍛えられゴスリングは参謀へと成長する。


女性記者として登場するマリサ・トメイ。人物的に難アリでありながら、党に絶大な影響力のある議員にジェフリー・ライト。男を翻弄して問題になる名士の娘にエヴァン・レイチェル・ウッド。と完璧なキャスティング。

当のクルーニーは理想は高いが現実に流される大統領候補をカッコ良く、情けなく演じている。この映画を見るとクルーニー政界進出、という噂は満更なものでもないのかと思える。


結局、政治は理想では出来ず、現実の思惑の戦いと映画は伝える。これほど、リアルでかつ分かりやすい政治映画もないだろう。アメリカの政治の世界を知るには最適な教材。


レオナルド・ディカプリオも「製作総指揮」で参加。クリーニーの人脈の幅広さ。ハリウッドのキングぶりも分かる。