夕方、ショッキングなニュースが入ってきました。

殺処分を拒否して肥育されてきた民間所有の種牛について、東国原知事はこれまでの方針を転換し、殺処分を受け入れてくれるよう農家に要請したということです。


この種牛を巡っては、例外を認めず殺処分を迫る国と、なんとか宮崎の種牛を残そうとする県が真っ向から対立していました。

県の家畜事業団所有の種牛は例外的に殺処分を逃れてきたのに、民間所有の種牛は処分されるのだろうか。

という主張がある一方で、ワクチンを接種されて泣く泣く殺処分を受け入れた他の農家と不平等になるではないかという意見もあります。

どちらももっともなことです。


種牛を所有する農家の薦田さんのインタビューがテレビでも流れていました。

「陰性かどうか検査もしないで問答無用で殺すなんて。この国に生まれてきて情けない。社会に貢献しようと思ってもそれもさせない。みじめでならない」と。


まことにその無念さはこちらの身に染みるものがあります。


しかし、口蹄疫で様々な産業が影響を受けている今、16日に移動制限を解除されるかどうかも大きな問題です。

知事としては県全体の移動制限解除の方が大切だろうし、宮崎県民の多くもそうだろうと思います。

それはわかっているけど、しかし、なんともいいようのない思いにさせられます。


「どうしても国から殺せというのも運命かな」

薦田さんのこの言葉は重い。

明日の午前中までに薦田さんは回答しなくてはならないとのこと。

種牛を守りたい、将来の畜産再開に役立てて欲しいという一人の農家の願いは、移動制限解除という大義を前にしては、はかないものであるのか。


「殺処分されたら、このおじいちゃんは生きていられないのではないだろうか」という不安さえよぎります。

しかし、薦田さんと同じような思いをしつつ、牛を殺処分された農家も数多くいることを忘れてはいけない。

薦田さんの牛の殺処分。

いたたまれないけど、仕方の無いことなのかもしれません。

県には薦田さんへの心のケアも十分意を払ってほしいと願います。



今日もウィノローグに来ていただきありがとうございました。

薦田さん。お気持ち、無念さ。心にしみます。