サムソン「急げ!ジークムント!脱獄するぞ!!」
ジークムント「しかしどこに!?」
サムソン「イオの家に私の部下がおる!ひとまずそこに避難だ!」
ジークムント「ならばアイザックも!」
「いたぞ。逃がすものか」「む・・一人多い・・構わんか」
サムソン「猫族の刺客!?」
ジークムント「昼間入国してきた異形な猫軍の刺客かと!」
サムソン「異形・・とな・・・おっと」
「構わん!もろとも吹き飛ばせ!!」ポイポイポイ
ジークムント「この狭い中で爆弾を使う気か!!」
サムソン「向こうさんも必死の様だ・・・・・ん」
ポコ
影丸「避難通路はこちらですぞ。元総司令官殿」
サムソン「ハハハハ!風魔の使いの者か!!」
ジークムント「サムソン殿!起爆しますぞ!」
サムソン「ジークムント!あの穴に飛び込むぞ!」
ジークムント「!?」
「死ね!!」
ドガーーーーーーン
「もっと爆弾を投げるか!?」
「待て!」
シュウウウウウウウウウウ
「消えた・・?」
「違うな・・見ろ」
ポコ
「穴・・!奴ら抜け道を作っていたのか!?」
「違うな。これは我らと同じ隠密のなせる技。どうやら敵にも忍びがついているようだ」
「追うか!?」
「やめとけ。俺ならば穴の道中に爆弾を仕掛ける。追ってこれぬ様にな」
「なんだと・・・ん?」
ドカーーーーンドカーーーーーン
「ちっ・・・お前の予感的中か」
ゴゴゴゴゴゴ・・・・
「これで道は途絶えた。どうする?」
「お主は一度、ニャン=ジュスト公に報告をしに行け」
「お前はどうするんだ?」
「俺は奴らを追う。それに・・この忍びの手口・・・」
「なんだ?」
「いや・・なんでもない」
「では任せたぞ・・・最もお前から逃げれる訳はないと思うがな・・
なんといってもお前は、我ら猫伊賀一族の100年に一人の逸材と云われる天才忍び猫なのだからな」
「それは長老達の詭弁だ。では俺は行くぞ」
「相変わらず謙虚な男だ。分かっているな?失敗は許されん」
「ああ。何としても今回の依頼を成功させ、我が猫伊賀一族の繁栄再建の旗揚げにする・・。それが俺たちの夢だ。そうだろ?猫次郎」
猫次郎「ああ。任せたぞ、ニャン蔵!」
ニャン蔵「この服部ニャン蔵!任務は必ず遂行させる!!」
「あたちのモンハン日記」
~紫の暁編
~国王の間、爆破直後。郊外・イオ宅
デスクラッシャー「喰らうがいいぜ!俺様のニャント聖拳の拳を!!」
アクセル「見せて貰おう!ニャンコ北斗神拳に敵は無し!!来い!!」
タッタッタッタッタッタッタ
ゲルハルト「にゃいー!(イオ!どこかに隠れ家に最適な場所はないか!?)」
イオ「・・・・あるわ。あります!私についてきて下さい!」
ミッチ「アクセル殿、大丈夫っすかね!?」
イオ「大丈夫!アクセルは必ず約束を守る子だもの!!
あんな不細工な気持ち悪い猫、絶対にやっつけちゃうんだから!!」
ブシャアアアア
アクセル「ちっ・・!」
デスクラッシャー「どうした?俺様の拳が見えなかったか?」
アクセル「うるせぇ・・目にゴミが入っただけだ(ニャント聖拳・・裏流派の殺人拳だと聞いているが・・さて・・どうしたものか)」
デスクラッシャー「それそれ!!」シュッシュッ
アクセル「ふん!ふん!!」スッスッ
デスクラッシャー「それでよけたつもりか!?デブ猫!!」
アクセル「ぬっ・・・」
ブシュウウウウウウ
アクセル「ちっ・・・(完璧によけたはずだが・・)」
デスクラッシャー「ケケケケケケ・・・ニャンコ北斗神拳も大したことねぇなぁ・・え?」
アクセル「ぺろ・・・来い。この流した血の分だけ貴様に地獄を味あわせてやろう」
~国王の間爆破から半刻経過。王宮内、ディマリー夫人の書斎。
アイザック「嘘だろ・・・お袋・・・」
ディマリー「この様な状況でどうして母が我が子に嘘をつくのですか!?」
アイザック「ベルトホルト・・・どうして・・・・」
ディマリー「このザッコーニが来た時には既に・・・そうですよね?」
ザッコーニ「は、はい!私がこの書斎にきた時には既にお亡くなりに・・」
アイザック「どうして・・・ベルトホルト・・・!!」
ディマリー「これは私に対するあてつけです。私を犯人としようとするクーデターの主犯だという太子様の・・・」
アイザック「それが嘘だと言ってるんだ!!」
ディマリー「アイザック・・・」
アイザック「お袋とジークムントが仲が悪かったのは俺も知ってる・・。
けどアイザックはこんなやり方をする非道な男じゃない!!」
ディマリー「全ては太子様の陰謀・・・昼間の賊を雇ったのも太子様だというではないですか。
捕らえられた賊の証言でも確定済みなのですよ!?それでもまだ!?」
アイザック「・・・・(確かに俺が見た賊宛ての手紙の依頼主もジークムントだった。そして親父の国王印も押されていた・・・だったらさっきのジークムントの言葉は全部俺を騙す為の演技だったってぇのか!?)」
ディマリー「所詮、私とお前は妾とその息子・・・そしてその妾の子に婚約者を奪われた腹いせに・・」
アイザック「!!」
ディマリー「母とて存じております・・。
お前が太子様の婚約者であるキケロ宰相様の実娘であるイオと恋仲であるのは・・」
アイザック「お袋・・・」
ディマリー「私は、お前の自由と尊厳を考えればこそ、イオとの関係は黙ってみていました。ですが、その事が引き金となり、イオを想う余りの激しい嫉妬心が太子様を狂わせたのです!!」
アイザック「!!」
ディマリー「お前も太子様が本気でイオの事を愛してらしたのを知っていたはず!
私が早くお前を止めていれば・・・太子様のお心を乱すことなく・・・そしてこのような大事にもならなかったのに・・・うううう・・・」
ザッコーニ「・・・・(よくもまぁ・・主演女優賞をあげたいくらいだぜ)」
アイザック「・・・・(俺のせいだと言うのか・・。だがさっき会った時のジークムントは「いつもの」あいつだった・・俺があいつの本心を勘違いしていただけなのか!?)」
ディマリー「いつまで友情ごっこの妄想をしているのですか!!」
アイザック「お袋・・・」
ディマリー「真の友情を貫き守り通したければ、まずは目の前の親友の敵を取るのが筋!ましてや国王様の信頼おける従者だった者が殺されたのですぞ!それでもそなたはまだ迷っているのですか!!」
アイザック「迷う・・!?俺が!?いったい何に迷ってるってんだ!?」
ザッコーニ「失礼ですが・・アイザック様・・・(やれやれ・・おっそろしいお芝居になんで俺まで付き合わなきゃいけねぇんだ)」
アイザック「なんだ?」
ザッコーニ「夫人がどうしてこのように憤慨されているのか。
それはもうひとつの事故があったからです」
アイザック「事故・・・ああ、さっきの爆発事件のことだろ?
そうだ、あれは一体なんだったんだ?」
ザッコーニ「爆破は国王の間。そして国王様はお亡くなりになられました」
アイザック「なんだと!?」
ザッコーニ「これは本来、生前の国王様より公文書にて秘書官に任命されたディマリー夫人が明日、正式に公表する予定でしたのですが・・事態が事態の故、アイザック様にはお伝えさせて頂きました。これもお家騒動にあなた様を巻き込みたくないという、夫人の親心なのですぞ!!(かぁ~っ。俺もよくやる。助演男優賞は欲しいもんだな)」
アイザック「そうなのか?お袋!」
ディマリー「妾の子として廷内で常に冷ややかな目で見られ、窮屈な生活を嫌い王宮をあとにしたお前を・・せめて私の代わりといってはなんですが、自由に・・自由に生きて欲しかったのです・・。けど、それももはや叶わぬ夢・・・」
アイザック「お袋・・・」
「伝令です!」
ザッコーニ「何事かぁ!?」
「牢獄で爆破事件発生!ジークムント太子様が脱獄した模様!
その共犯として元王国騎士団長サムソンの名も上がっております!」
ザッコーニ「なんだとぉ!!(ニャン=ジュストの刺客が取り逃がしたのか!本来のシナリオであればここで太子は「自害」とするはずであったのだが・・)」ちらり
ディマリー「・・・・(逃亡もまた罪を認めたのも同然・・刺客による「自害」と見せかけるよりも現実的で、疑念を抱かせる。そして、何よりわらわの今のこの現状を考えれば・・尚更好都合・・・あとはアイザックがこの一連に乗れば・・・さぁ!どうする!?我が息子よ!!)」
アイザック「お袋・・・」
ディマリー「はい」
アイザック「俺を正式に反クーデターの軍に入れてくれ」
ディマリー「アイザック・・(かかった!!)」
アイザック「お袋の言う通りベルトホルトの死の真相・・
そして親父を殺した奴を俺がとっ捕まえてやる!!」
ディマリー「おお・・アイザック!それでこそ誇り高き我が息子!!
(ハハハハハハハ!!「革命の舞台」は、やはりわらわを選んだようだ!!)」
アイザック「真相は俺が暴いてやる!!
例えそれが如何なる運命であろうとも俺は受け入れる!!」
To Be Continued
本章「紫の暁編」目次録はこちらをクリックだぞい!
←再生・停止はこちら♪