プーチンとマーチンの作り方・パペット | colyのブログ

プーチンとマーチンの作り方・パペット


パペット


プーチンとマーチンを作るにあたり、ネットで色々調べた結果
「小林賢太郎戯曲集」に作り方が載っているということが
分かりました。本を調べてみるとAmazonで中古本が購入可能
だという事を知り、早速注文しました。
本の代金より送料のほうが高いという切なーい(ニンゲーン!)
状況ですが、500円以下で手に入るのは有り難い。


届いた本を見ると、プーチンとマーチンの作り方は簡単な
イラストのみ。小林さんはスポンジを丸くカットしてお作りに
なったらしいです。綺麗な丸みを作るのは至難のワザ。
それに、手を入れる部分の作り方は詳しく載っていません。
これは発砲スチロールを使ったほうがいいのでは。
ウチにあった直径15cmの発砲スチロールの半球体の
片割れを見ながら、これで作ることにしました。
大きさも15cmが手頃なようでした。


毎日、制作を始める時に「何時開始」かを書き留めておき、
中断した時に「何分やったか」を記録しておきました。
(試作品を作った時間は含めていません。)
制作時間は合計なんと約1500分!25時間です。
8時間労働で丸3日+1時間の残業という計算ですね。
1日3~4時間やれれば、1週間くらいで出来ます(^^)

使ったお金は本の代金と次男のシャツ代は抜きで4150円。
フェルト代は「2枚で500円」で計算しました。
小さいサイズのフェルトを買えば2枚で200円程度かも。
実は黒の生地のスカートをアイロンの高熱で溶かすという失敗を
してしまって、生地を買い直すという失態をやらかしてしまいました。
私は更に750円プラスで使いました(^^;

「使ったお金と制作時間がかえってストレス・・♪」
イエ、まったくストレスは感じませんでした。作るのが楽しかった!






colyのブログ

1.まずは使用する人の手の大きさの確認をします。
手をこういう形にして、横から見て尖った所、
指と手の甲の境の骨が出っ張った部分の太さを測ります。
ここが通らないと手が入りません。
ウチの場合は25cmでしたので、
円周が25cm以上になる円の直径を割り出します。
少し余裕が必要なので、直径8.5cm、外周約26.6cmの円を
手を通す穴の大きさに決めました。









colyのブログ


2.パペットの口を動かす時に、こういう手の形をするのが一番
手が動かし易いのは分かっているのですが、
プーチンとマーチンは後頭部も丸いので、こういう手の形では
手を入れる部分が後頭部を突きだしてしまいます。







colyのブログ


3.頭に丸みを持たせるためには、パペットに入れている
手の形は、こういうふうにせざるを得ないというのが私の結論。









colyのブログ


4.発砲スチロールの球体に、厚紙を「貼って剥がせるテープ」で
仮留めして作った試作品。これに手を入れられるか、
クチを動かせるかをやってみます。










colyのブログ


5.クチは出来るだけ大きくひらけるように作りたいのですが、
その為には下顎の後頭部の斜めにカットする角度を
大きくする必要があります。この角度をあまり大きくしてしまうと
その分、下顎の強度が低くなると思い、この程度に抑えました。









colyのブログ


6.材料です。 スポンジ、フェルト(丸めてあるもの)、
           生地(畳んであるもの)。
スポンジは100円ショップで購入しました。2個で210円。
食器洗い用のスポンジは色がついているものが多いのですが
黒はともかく白い生地は透けてしまうので、出来ればスポンジも
白がいいと思っていたら、意外にも100円ショップで
「コレだ」というモノが見つかりました。
結果的には、このスポンジは結構弾力が強くて
クチの開け閉めの時に手の力が必要になりました。
もっと柔らかいスポンジのほうがクチの開閉はラクになります。
白いスポンジでもう少し柔らかいものがあるといいのですが・・。
薄い黄色程度なら生地を被せれば目立たないかもしれません。
フェルトは、私が買ったものは40cm×40cm。お値段は
忘れてしまったのですが多分1枚2~300円だと思います。
20cm×20cmのフェルトでも、9番の点線の長さが

9.5cmであれば、ギリギリ(ジンジン♪)OKです。
その場合、クチ用に黒と白のフェルトを1枚ずつの他に
後頭部用に白のフェルトを2~3枚程度使います。
生地は「2WAY トライアクター」という商品名のストレッチ生地。
幅120cmでメーター2500円。これを30cmのカットで購入。
私は新宿オカダヤで買いました。オカダヤさんは最低10cmから
10cm単位で購入出来るので、少量の買い物が出来て便利。
2500×0.3=750円 ×2色=1500円。結構いいお値段。
2WAYのストレッチ生地は高価なんですよね。
この生地を選択した理由はまた下に書きます。











colyのブログ


7.右は発砲スチロールの半球体の何も手を加えていない状態。
左は試作品を後ろの斜め下から見た状態。
発砲スチロールの半球体は、半球2個(つまり球体1個分)が
1パックで515円。商品名は「素ボール半球150mm」。
これを2パック購入。商品代は1030円。
私が最初にこの球体を見つけたのは吉祥寺ユザワヤだったのですが
プーチンとマーチンを作った時は吉祥寺店が改装でお休み。
ユザワヤ新宿店に問い合わせたところ、在庫ナシ。
ユザワヤ蒲田店に問い合わせると、店舗在庫は無いけれど倉庫在庫が
あるので、お店に入り次第で送ってくださるとのことでした。
届くまで4~5日だったかな。代金の他に送料と手数料で1940円。
多分、商品の代金は会員価格で少し割り引きになっていてこの金額です。
蒲田ユザワヤがお近い方は直接お買い求めになったほうがお安いですが
ウチは遠いので、電車代で「使ったお金と往復時間♪」(^^)を考えたら
取り寄せたほうがラク。ま、高くついちゃいましたけど。



【後日記】

渋谷の東急ハンズに行ったら、直径15cmで中が刳り抜かれた半球、

売っておりました。私の払った「送料・手数料」は丸損です・・(>.<)







colyのブログ


8.右は下顎にカットする線を下描きしている所。
左は試作品を下のほうから見た状態。
上に書いたように、手を通す穴は直径8.5cmにしたので、
その大きさに円を描いて切り取った紙を発砲スチ球体に
あててマチ針で留めた所。この回りにマジックでシルシを付けました。
手を通す穴の直径線と、発砲スチ球体の中心線を合わせること。
斜めにカットする所は、フチのある定点をAとして、
フチから4cm下がった点A’にマチ針を刺します。

AとA’も発砲スチ球体の中心線と合わせます。
Aから両脇に約9.5cmずつ(これは9番の点線の長さが

9.5cmの場合です。)離れた点BとB’にマチ針を刺します。

次の写真の右側は上顎ですが、この厚紙のカドになる場所、2箇所
がBとB’に該当します。この3箇所が直線になるように糸を張り、
その糸に沿ってマジックでシルシを付けます。
(次ページ34番の画像に、この作図があります。)












colyのブログ


9.右は上顎です。この厚紙の点線の長さがクチの大きさを決めます。
この長さを長くするほどクチは大きくなりますが、
その分、手を入れるスペースが狭くなります。
親指を除いた4本の指が入るようにしなければいけません。
ウチは9.5cmにしました。
左は下顎です。穴をあける場所、カットする所にシルシを付けた所です。
赤いビニールテープを貼った所は2cmありますが、
これ以下だと強度の面で不安があります。
手を通す穴を大きめにしたい時も、この箇所は2cm以下には
しないほうがいいと思います。








colyのブログ


10.下顎2個。穴をあけ、後頭部を斜めにカットした所です。
穴は、球体の球の面に対して垂直にカッターの刃をあてるのではなく、
球体を半分にした断面に対して垂直にカッターの刃を立てて
少しずつ切っていきます。そのほうが手が入れ易いです。
カッターでカットしたら、ヤスリで断面を整えます。
紙ヤスリだと発砲スチにヤスリの粉や色が残ってしまうと思うので、
金属ヤスリのほうが綺麗に出来ると思います。
穴だけでなく、斜めにカットした断面もヤスリで平らにします。
定規などを当てながら、カットした面が平面になっている事を
確認しつつヤスリで削ります。










colyのブログ


11.赤いビニールテープを貼った箇所は、強度的に弱い所なので
ビニールテープを貼って強度を増したほうがいいと思います。
実際には白いビニールテープで目立たないように。
外側からも内側からも貼ったほうがいいのですが、
私は内側からだけにしました。外側にテープを貼ると
生地を被せた時のビミョーな段差が気になると思って。
出来てみたらシワのほうが気になって、段差なんて気にならないので
外側にもビニールテープを貼っておけば良かった。
左は、スポンジに鉛筆でシルシを付けている所です。
斜めにカットして切り落とした発砲スチと同じ形のスポンジを
発砲スチ半球体に取り付ける作業です。
このスポンジは厚みが足りないので、
スポンジを半分の厚さに切ったものを貼り合わせて、
切り落とした発砲スチと同じ三日月の形にカット。












colyのブログ


12.赤いビニールテープは両面テープの見本です。
このように切り込みを入れて曲線に合わせて貼ります。
スポンジも発砲スチもテープが剥がれやすいので、出来れば
(超)強力接着の両面テープを使ったほうがいいと思います。
貼ったら、球体に合わせてスポンジの外側を

丸く削っていきます。(写真奥)









colyのブログ


13.内側も発砲スチの厚みに合わせて、カッターで少しずつ
切り込みを入れていき、スポンジを切り落とします。








colyのブログ


14.スポンジの内側をカットした所。
これで下顎の斜めにカットした部分は
発砲スチの代わりにスポンジが取り付けられたことになります。









colyのブログ


15.上顎です。球体の製造上の理由だと思うのですが、
てっぺんに約1.4cm位の直径のへこみがあります。
綺麗な丸い頭にするために、このへこみを無くします。
左はへこみがある状態。右はここにへこみと同じ大きさに切った
白のフリースを両面テープで貼ったものです。
少し厚みのある柔らかい生地なら、
フリースでもフェルトでもいいと思います。










colyのブログ


16.生地の選択。
球体に生地を被せる場合、タテ・ヨコの両方向に伸びる生地でないと
どうしてもシワが寄ってしまいます。
本当はフェルトのような、もう少し柔らかい質感の生地を
使いたかったのですが、フェルトは伸びてくれません。
写真はフリースの余り生地で試した時のものです。
フリースはヨコ方向にはよく伸びますが、タテにはあまり伸びません。
それでも伸ばし伸ばし球体に沿わせてみると、球面にはかろうじて
シワが出来ずに張れます。でも断面(発砲スチの厚みの上)に
生地のシワがたくさん。ここに厚い生地でシワが多いと、
クチをのせた時にクチが浮いてしまうと思うので、フリースはやめました。
薄いタオル地やガーゼ地なら結構伸びるかもしれないですが、
生地の表面が傷みやすい気がして試しておりません。
私が選んだのは2WAYのストレッチ生地の中でも
「トライアクター」というやや厚手のものです。
黒はともかく白は透けます。他のストレッチ生地よりも
「透け」度が低くて気にならなかったのでこの生地を選びました。
御本家は何の生地を使ってらっしゃるのか気になる所です・・。




【後日記】

私は伸びる生地やパイル生地をほとんど使ったことがないので
パイルって伸びるのかな・・と試しにお店で引っぱってみました。
あまり伸びませんね。お店の方に聞いてみたら
「ニットパイル」という生地があるそうな。
まぁ、2WAYじゃなくて1WAYなんですけどね。ヨコ方向にしか
伸びません。でも試してみる価値はある。20cm購入。
家に残っていた発砲スチ半球15cmに引っぱりながら被せて
マチ針で留めてみたら、球面にはシワが寄らずに張れました。
これってすごくいいかも~~。御本家のプーチンとマーチンに
質感がよく似ているのでは。私が作ったのはあまりに
つるっつるだったもんね。あとは発砲スチの厚みの上のシワが
どの程度平らに出来るかどうか。(後日記・大丈夫でした。)
ちなみにこの生地は幅175cmでメーター1980円。
幅広だし20cm買えば足りそう。税込み 415×2色=830円。


colyのブログ

      


ニットパイルを使う場合、タテとヨコで伸び方が違うので、

被せる生地も正確な全円ではなく、少しゆがんだ円になります。

この図のヨコ方向が、生地の伸びる方向です。

上顎は、タテ23cm、ヨコ22cmの円に。

下顎も外周は同じで、手を入れる穴の位置は図のようになります。

図の上がパペットの前方、図の下がパペットの後方になります。

斜線部分は、貼りしろを付ける場合。その内側は切り落とします。

ニットパイルは裁断するとほつれる生地なので、内側の円の切った

箇所はジグザグミシンをかけておいたほうがいいと思います。


ニットパイルを使う場合、生地は2枚重ねにする必要がないので

次の17番の工程は不要になります。









colyのブログ


17.上顎は生地を2枚重ねにして被せました。生地は直径21cm。
このサイズはあくまで「2WAYトライアクター」という生地を
2枚重ねで使った時のサイズです。他の生地だと伸び具合が
違うので、おのずとサイズも違ってきますのでご注意ください。
2枚重ねにしたのは、生地が1枚だけだと発砲スチ球体の表面の
微妙なデコボコ感がカバー出来ないと思いまして。
2枚重ねることによって滑らかな球面が出来ると思います。
右(白)は、生地2枚に型紙を合わせてマチ針を打った所。
左(黒)は、マチ針を打ってからしつけ糸でしつけをした所。
このひと手間が綺麗に縫うコツ。
ニンゲンも布もしつけが大事ってね(^^)。
しつけをしたら針を抜いて生地の回りにロックミシンをかけます。
これは2枚がズレないようにするのが目的です。
この生地はホツレないので、端の処理は必要ありません。
ロックミシンがない場合はジグザグ線で回りを縫ってください。
直線で縫ってしまうと、せっかくの伸びる生地が伸びなくなります。








colyのブログ


18.発砲スチロールに生地を留めるのは針を使いました。
シルクピンです。あまり長いと発砲スチを突き抜けてしまうので
出来れば2cm程度で。多分この位の長さのピンを売っていると
思うのですが、ウチには曲がってしまって使えなくなったピンが
山ほどあるので、これをペンチで切って使いました。
制作の所要時間には、このピンをカットする時間は含めていません。
ただ、ペンチでカットするとピンの先が針のようには尖っていないので
普通の針先のものに比べて刺しにくいです。
私は発砲スチに刺す時もペンチを使いました。








colyのブログ


19.生地にも、発砲スチの半球体にも、放射状に1/8の位置に
シルシをつけておくと生地を等分に被せることが出来ます。
まずは8箇所にマチ針を打ってから、球面にシワが出来ないように
少しずつ生地を伸ばしながらシルクピンを刺し込んでいきます。
シルクピンを刺し終わったら、発砲スチの厚みの上の生地のシワが
なるべく平らになるようにアイロンを強くかけます。
シワ部分を水で濡らしてからアイロンをかけ、そのあと冷めるまで
定規などの平面をあてるとかなり平らになります。
この時、アイロンのかける面が汚れていないかチェックが必要です。
蒸気をあてるとアイロンの汚れが生地に移ることがあります。
黒はともかく白に汚れは大敵。気を付けてくださいね♪




続き