SEBASTIAN X インタビュー! 【part1】 | COLORweb学生編集部

SEBASTIAN X インタビュー! 【part1】

[SEBASTIAN X インタビュー! 【part2】公開!]



みなさんこんにちは!COLORweb学生編集部、音楽担当のアキヨです!

前回、COLORwebで取材させていただいた"OTO NO MORI"という4月に勾当台公園で行われたイベントがありましたよね!なんと今回!そのイベントの出演バンドである、SEBASTIAN Xが、ライブのため仙台にやってくる!という噂を聞きつけ、COLORweb学生編集部、再び取材へ!なんと!今回!特別にインタビューをさせていただけることになりました。10月5日に1stフルアルバム、「FUTURES」(FUTURES/SEBASTIAN X)をリリースされたSEBASTIAN Xのみなさん。



"OTO NO MORI"ぶりの仙台ということで、「仙台に来ることが出来てうれしい!」と嬉しそうに話してくれたみなさんですが、仙台は冬に来ることが多かったそうで、初めての初秋の仙台の寒さには驚いていたようです(笑)そんなこんなで!とびきりポップでキラキラした音のシャワーのようなこのアルバムについて、僭越ながら、ボーカルの真夏さん、ベースの飯田さん、ドラムの沖山さん、キーボードの歩里さんに、私がお話を伺って参りましたよ~。




<こだわりのアートワークの1stアルバム!>

それでは今回の新しいアルバムについてお聞きしたいのですが、まず新しいアルバムのジャケットについて。あのバラの花のイラストは、真夏さんがデザインされたんですか?

真夏:はい!

—あれはなぜバラの花にしたんですか?

真夏:いつもアルバムとか作品を創るときは、何かしらひとつモチーフがほしいなと思っているんですが、それをずっと曲を作ったりレコーディングしたりしながら探していて。今回は、今回はリードトラックの「ROSE GARDEN,BABY BLUE」という曲で、アーティスト写真にもバラの花を使ったりしていたので、今回はやっぱりバラかな、と。しかも何輪もあるより、一輪だけパッとあるほうが今回のアルバムのイメージかなーと思って、作りました。

—そうなのですね!かわいいジャケットですよね。ジャケットもかわいいですが、今回は歌詞カードも活版印刷を用いて作るという、かなり珍しい手法を用いているそうで……活版印刷というのは、あまり聞いたことがないのですが、どういった手法なんですか?


真夏:ちっちゃい鉛で出来た判子のような活字を、1個1個組み合わせていって、歌詞カードと同じ大きさの板にするんですよ。空白のところにも1個1個鉛の板を埋めていって、すべて手作業で調節していくんですね。そこにインクをつけて、紙に印刷していくっていう、昔の印刷方法なんです。最近はデジタルで画像を組み立ててっていうのが多いですが、今回はあえてアナログなやり方で。

—やっぱり時間はかかりましたか?

真夏:めちゃめちゃかかりますよー!職人さんなんて、「今日は集中力がないから間違っちゃってうまくいない」とか言うので(笑)でも、何より職人さんと出会えてよかったです!何回も会ううちに仲良くなって。一緒にお豆腐とか食べに行きました(笑)職人さんとか、なかなか触れあう機会がない人なので、そういう人と触れあえたのは。やっぱりすごく嬉しかったですね。
飯田:ずっとまなっちゃんが担当していたので、僕は完成まで見てなかったんですけど、でも完成品を見て、味わい深いというか、ぜんぜん違うんだ!って。どう仕上がるが全然想像つかなかったので、どういう風になるのかいまいちわからなかったんですけど、実物をみたらすごく納得しちゃって。あー間違ってなかったな!って思いました。

—なぜ今回、活版印刷で歌詞カードを作ろうと思ったんですか?

真夏:以前、配信で音源を出したんですけど、そこからの流れで、作っている実感がもっと欲しいなーと心のどこかで思っていたんですね。今までは音とばかり向き合ってきたんですが、音楽って基本的に目に見えないものだから、それを、CD盤に焼いて、流通させて、ケースをつけて、商品にするということについてもっと向き合いたくて。そういうことに、今までの自分はあまり頓着がないなということに気がついたんです。でも、それだと伝わることも伝わらないかもしれないなって思って。それで、どうしたら作っている実感を得られるのか考えた時に、やっぱり消費していく感覚が必要だなとおもったんですよ。それで、消費していく感覚があって、一番興味のある手法でやってみようと思って、活版印刷を選びました。さっき言っていた、活版の活字って、何回か使うとすり減って使えなくなるんですね。そういう細かい、物理的な消費があることで、更に作っている実感が涌くかな、って。今まではブックレットだったりとか、デザイナーさんたちにすべて任せていて、自分はそれを受け取るのみだったんですね。それは自分もバンドのスタッフもそうで、自分が中間にいるのみっていう印象だったんだと思うんですけど。活版をやってみたことで、自分も作っている!っていう実感を得ることができたのは、すごく大きいですね。

—印刷もぜんぶ手作業で、ということは、できあがりがひとつひとつ違うんですか?

真夏:そうですね。やっぱりちょっとずつ違いますね。

—世界に一つの歌詞カードということですね!素敵です!さっき話にあがっていた配信のシングル(『光のたてがみ』)も、配信ならではのweb上で動くジャケットもそうですが、SEBASTIAN Xは毎回アートワークが素敵ですよね。

真夏:あれは、ウェブだったら動かせるよなっていう単純な発想でやってみたんです。そういうちょっとしたユーモアみたいなものは常に求めていますね。

—なるほど!それはアートワークだけでなく曲にも表れているような気がしますね!今回のアルバムも、聞かせていただいたんですが、ユーモアに富んでいて……個人的には、今回のアルバムは「Sleeping Poor Anthem」から「恐竜と踊ろう」、「おまじない」までの流れが、全体的にみんなのうたみたいな感じがしてすごく好きだなって思ったんですけど。ファンタジックで可愛らしいですよね。SEBASTIAN Xの曲やアートワークには、ユニコーンとかサファイヤとかよく出てくるような気がするんですが、そういったものが好きなんですか?

真夏:好きですね。ユニコーンは、まず馬ってすごく綺麗で、肉体美の究極って感じじゃないですか!それがしかもファンタジックな存在になっているっていう。しかもユニコーンって気高さとか純血の象徴なんですよね。なんかそれってすごく素敵な生き物だなって思って。好きっていうより憧れですね!
歩里:部屋にユニコーングッズ、いっぱいあるもんね(笑)

—おまじないっていう曲にも、ブルーサファイアって出てくるじゃないですか。ファンタジックなものがお好きということで、パワーストーンの持つ力とか、そういうのも結構信じたりするタイプですか?

真夏:するどいですね、そうですね、結構……(笑)そもそも宝石は大好きで、何だかわくわくするんですよ!あんな石が、ただの石が、あんなにピカピカになるんだー!って。そう思うと、欲しいなー、すごいなー綺麗だなーって思うじゃないですか。中でもサファイアは、「サファイアに告ぐ」っていう曲を作ってからすごい何か特別な感じがあって。この「おまじない」っていう曲もちょっとその続編的な……いや、ホント心のどこかで、ですよ!なんとなく、繋がって部分もあって。私の中で、おまじないっていうのは、わかりやすい約束をして安心すること、だと思っている所があって、それで、その約束をする物は何がいいかなって考えた時に、ペンダントかなって。しかも何のペンダントがいいかなって考えたら、ブルーサファイアだなって思って。


<『世間知らず』はマスト!>

—こういう、ファンタジックだし、童謡っぽかったりする部分は、どのようなところから影響されてきたものなのかなっていうのがすごく気になるんですけど。漫画とか、文学とかですか?

真夏:そうですね、漫画も大好きですし、文学も好きですし、映画も好きですし。やっぱり現実からよりはそういうものから……頭の中で考えるのが好きなんですよ。おしゃべりなので、現実のしょうもない話は朝から晩までけっこう喋ってるんですけど、頭の中で考えているようなことって、実際にしゃべっても上手く伝わることが少ないというか。だから、あんまり喋らないんですよね。そういうことが音楽として出てきているのかなと思うんです。

—なるほど。文学とか、そういうものはみなさん好きなんですか?やっぱり趣味が合うんでしょうか?

沖山:そうですね。好きですけど、同じ趣味というよりは、それぞれがそれぞれ何かしらのところからインスピレーションを受けていて、それが曲になったときに、あんな感じになっちゃうっていうところなのかなと思いますね。あんまり偏ったりせずに、出せるところ出しあって、みんなで組み上げていく、みたいな。
真夏:そうですね、趣味が合う、というよりは、理解があるっていうのが、この三人の共通点かなと思いますね。
沖山:確かに、勧められたら拒みはしないですね。

—では、ぜひそんな真夏さんに、今の高校生大学生などにぜひ読んで欲しい!という本があれば、おすすめして頂きたいんですが、何かありますか?

真夏:谷川俊太郎先生の、『世間知らず』っていう詩集があるんですけど、あれはマストですね!私。家出したとき、その本を手に持って走りましたもん。もうお父さんなんか嫌い!って(笑)その時は、この詩集だけあったら大丈夫だ!って思って。
飯田:かっこいいなそれ!(笑)
真夏:あ、あと財布も持ちました。(笑)
飯田:それくらいの世間は知ってたわけだ(笑)

—うまい!(笑)なるほど、谷川俊太郎さんがお好きなんですね。

真夏:谷川俊太郎さんは好きですね。まあ、それに限らず、詩は全般的に好きですね。小説よりも詩の方が、妄想癖のある人には向いていると思います(笑)
沖山:いいですよね、詩。僕も好きです。今回のアルバムの歌詞カードも、縦書きで、パッと見た感じ詩集みたいなんですよ。
飯田:活版印刷の雰囲気も相まってね
沖山:だから、曲を聴くのと、詩だけ眺めるのとで結構イメージが違うと思うので、ぜひそういう風にも楽しんで頂けると面白いと思います。


<「光のたてがみ」の裏話?>

—それでは、そのアルバムの話に戻りまして、3曲目の、「光のたてがみ」という曲についてお聞きしたいのですが、今、わたしは大学三年生で、就職活動とかがそろそろ始まるという時期で。そういときに、この曲を聴いて、すごい、分岐点に立っている人が聞いて、勇気とか元気が涌く曲だと思ったんですね。これは、実際に真夏さん自身が何か分岐点に差し掛かったときに作った曲なんですか?

真夏:うーん……どうしようかなーって思う時って、たとえば中学から高校、高校から大学、とか、そういう時期だけなのかなって思っていたんです。だけど、この曲を作ったときは、近所でごはんを食べていて。そしたら隣に、バリバリのキャリアウーマンらしい女性が座ったんですね。その人が、友達に、「わたし将来どうしたらいいかわからない!」とか悩みを語り始めて。でもその人、それこそカードキーを首から提げてクリアファイル持って携帯も二台持って……みたいな人なんですよ。その人が、「上司から、お前は現場でやっていくのか、上に行くのかとか言われて、もうどうしたらいいかわからない!」とか、悩みを相談してて。それを見て、あー、これからも悩み続けるのか!って思ったんですよね。今までは、会社に入ったらそこで終わりだと思っていたんですよ、今思うと安易だなと思うんですけど。例えば、会社に入ったらそこでもう達成されて、その後は、目の前にある仕事とかを、どんどんどんどんやっていくっていう、黙々とした作業になっていくんだろうって、そう思ってて。だけどそれは違って、会社に入ってからも、自分はこれからどっちに行くんだろう、どうするんだろう、って悩みは尽きないんだなって。中学から高校にあがるときに、わたしどうしようかな、どっちに行こうかなって悩んでいた自分とずーっと変わらないんだなって。そういう悩みはずっと続いていくものなのかなって。そう思って作った曲です。

—そうなんですね!それはちょっと、びっくりしました!今、仙台で就職活動に励んでいる学生とか、わたしの周りがそうなんですけど、就職とか、将来の話になるとすごく暗―くなるんですよね。だけど、この曲を聴いて、何になろう?っていうことが、すごくわくわくすることというか、プラスなイメージが持てるなって思って。だからCOLORwebの読者である、大学生とかに、もっといっぱい聞いて欲しいなって思ったんですけど。でも今の話を聞いて、そのわくわくっていうのは、分岐点がどこまでも続いていくからこそのものなのかなって思いました。本当にもっとたくさんの人たちに聞いてほしいです!この曲は!

真夏:ありがとうございます。職業以外でも、女性だったらね。将来的に、結婚とか母親になるとか、それとも私一生ひとりの女として生きよううかしら、とか、いろいろありますからね。(笑)