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蒼の乱

劇団☆新感線、やっと観劇デビュー。



「蒼の乱」
ヒロインの蒼真を演じるのは天海祐希。
その夫となる将門小次郎を松山ケンイチ、
蝦夷の帳夜叉丸を早乙女太一と、豪華な面々が揃った舞台です。

3時間超というかなり長い上演時間にもかかわらず、その長さを全く感じさせないテンポの良さ。
コミカルな場面も多い中、シリアスな場面をはっきり演じ分ける役者さんたち。
全体を通して「風」を舞台に吹かせ、風を感じる衣装、舞台構造になっているように思いました。
ラストで蒼真が立っていたのはまさしく青々とした草原でした。


感動たっぷりの舞台、
そんな中で一番私が衝撃を受けたのは、
殺陣!!

舞台観劇して17年、宝塚やら東宝やら四季やらも見てきましたが、
これが本当の殺陣なのか、と驚きました。
いや、もう今年一番の衝撃と感動でした。

S席13,800円なんですよ、まぁまぁのお値段するんですよ。
でも、あの感動をもう一度、ともう1回S席でチケット取っちゃいました。
久々に価値あるS席でした。
(たまに、これB席でいいなって思う舞台ありますもんね・・・)

劇団新感線、これからも観劇していきたい舞台でした!

Les Misérables

いわずと知れた名作、「レ・ミゼラブル」。


初めて観たのは2007年の帝国劇場公演。
あの時は、正直よくわかってなかった。

でも曲を聴きこんで、98年のリーアム・ニーソン主演の映画観て、なんとなく物語の主旨がわかってきて、レミゼの再演が決まって、その後にヒュー・ジャックマン主演の映画が公開になって。

で、2013年の新演出版「レ・ミゼラブル」。

新しくなったフェスティバルホール、音の響き方が素晴らしかったです。
ミュージカルより、オペラやクラシックコンサートにうってつけのホールなんだなぁと思えました。


さて、レミゼ。

今回の公演キャストはこちら。
バルジャン      福井晶一
ジャベール      川口竜也
マリウス        山崎育三郎
コゼット        青山郁代
エポニーヌ      綿引さやか
ファンティーヌ    和音美桜
アンジョルラス    野島直人
テナルディエ     駒田一
テナルディエ夫人  森公美子
ガブローシュ     加藤清史郎   

今回のお目当ては川口さん、育三郎くん。
本当は吉原ジャン・バルジャンが見たかったんだけれど、吉原・川口ペアの日が平日しかなくて断念。

歌はもちろん素晴らしいの一言。
東宝の舞台は、劇団四季の「うまい」とは別のうまさがあります。
四季出身の歌い手さんが多いけれど、それでも四季で鍛えた歌声に独自の歌い方を身に付けていらっしゃるので、退団後は歌い方が脱・四季な気がする。

初めて観たけどエポニーヌの綿引さん、お上手。
清史郎くんも、舞台出るたびにうまくなっていく。
ルドルフやってた時より身長も伸びて、お兄さんになっていく感じがします。
育三郎くんも安定のうまさ。
ミス・サイゴンの時とは違った男性の表情を見せてくれました。
川口ジャベール、めちゃくちゃ素敵でした。
ジャベールの生真面目さが感じ取れる声、話し方、歌い方。
ジャベールはレミゼでは悪役サイド、なのに川口さんの"Stars"は観客の心をしっかり掴む。


レミゼは何と言っても、ミュージカルナンバーが名曲揃い。
重厚感のある序曲でぐいっと引き込まれて、そこから3時間、Les Miserabels(=悲惨な人々)の世界に浸りっぱなし。
最初のバルジャンの曲めちゃくちゃ長いんだけど、この長さがないと物語が始まった気がしない!説明っぽくもないし、すんなり物語に入っていける。
ファンティーヌの歌う"I dreamed a dream"、エポニーヌの"On my own"、聞いてると感情移入しすぎて泣いてしまいます。
唯一楽しさを醸し出せるテナルディエの曲、コゼットとマリウスの甘い歌、ジャベールの死を目前にした歌、民衆の歌、心に訴えかけるナンバーばかり。



音楽だけでなくて、もちろん物語が素晴らしいからこそ愛され続けているのがロングランミュージカル。
いつの時代も普遍的で変わらない物語こそ、長く愛され、受け継がれる名作だと思う。

私が思うに、レミゼの根底に流れているのはキリスト教の精神、赦しと、愛と、正義。
作者のヴィクトル・ユゴーもカトリック大国のフランス人。
この物語は、宗教なしでは語れない。


物語冒頭で、銀の燭台を盗んだバルジャンを赦した神父。
自分をどん底に追い詰めたジャベール、愛しい娘を連れていくマリウス、
ジャン・バルジャンは神父が自分にそうしたように、人を赦していく。
これは、並の人間が出来る業ではもちろんない。



そして、自分の子でなくとも一生をかけて尽くしたコゼットへのバルジャンの愛情。
身をやつしても娘を愛し続けた母親ファンティーヌ。
マリウスとコゼットの純粋な愛、エポニーヌの報われない恋心。
悲惨な物語だけれど、この物語には美しい愛情がしっかりと描かれている。


金持ちが権利を持ち、平等に扱われないファンティーヌ。
パン1つ盗んだ罪で19年の牢獄生活を送ることとなるバルジャン。
貧しさから立ち上がるパリの民衆。
平等とは、正義とは何かを一貫して問い続けられる。

私が思うこの物語の一番の要は、ジャン・バルジャンとジャベールの長年の対決。
法を信じ、自分は正しいと思うジャベールは、バルジャンに逃がされ、赦された時に、ものすごい衝撃を受けたはず。
自分が長年信じ続けていた法や秩序は、決して100%ではない。
彼は「赦すこと」を知らなかった。
それに気づかされた時、どれだけ葛藤しても自分の気持ちに折り合いがつかなくて、死を持ってバルジャンを逃がしたんだと思う。
初めて舞台を観た時は、「え、なんで死んじゃうの?」って思った。
でも、今ならなんとなく、なんとなくわかる気はする。
きっとこの感想も、次に観た時には変わるんだと思う。


名作は、観る度に新しい発見を与えてくれる。
年を重ねて観た時に、どんな感想を持つのかが楽しみ。

Little Mermaid

Disneyの「リトルマーメイド」のミュージカル版、
2008年にBroadwayで舞台化されて、今年ついに劇団四季で初演を迎えました。




滅多に観ない劇団四季です。

私は、劇団四季が苦手なのです。。。

好きなんです、嫌いじゃないんです、苦手なんです。
このニュアンス伝わりますかね。。


歌は恐ろしくうまい四季。
宝塚のトップスター方式ではないので、納得のいく主役がきちんと選ばれている正統派な劇団。
ですが、劇団四季は他の劇団と圧倒的に違う点がひとつ。
「発音法」
これだけが、私が苦手な点なのです。

四季は役者ではなく、作品を売りにする。
同じ作品を長く上演する四季では、同じクオリティを保つ努力がなされています。
そのためか、役者の喋り方がみーんな同じに聞こえてしまう。。
有名な「四季メソッド」。
劇団四季流の喋りで、台詞がはっきり聞こえる母音をはっきり発音する方法です。

初めて観た時、宝塚を観て育った私には、衝撃的でした。
「なにこの感情のない喋り方・・・」と思ってしまったのです。。

以来、どうしても苦手意識が先行し、その上ロングラン公演が多いので「いつか観よう」と思っていたら終わってたというサイクルが続いていました。


で、今回のリトルマーメイド。
3年くらい前に見たWicked以来の劇団四季です。




音楽はアラン・メンケン。
「Little Shop of Horrors」「アラジン」「美女と野獣」「ポカホンタス」「ノートルダムの鐘」など、
ディズニー音楽を中心に手掛ける素晴らしい作曲家です。

劇団四季でいいな、と思う点はOoverture(序曲)がある点。
ぐっと引き込まれ、観劇モードに切り替わります。

作品は、「すごい!海の中にいるみたい!」という感想が第一。

舞台全体、空間のすべてを使って「海の中」を表現。
フライングマシーンを使ってキャストが宙を泳ぎます。
動きがなめらか、手足をフルに使って、ものすごい運動量であること間違いなしです。。

キャストの目線の使い方、
アリエルの恋する女の子のきゅんきゅんする可愛さ。
観てるこっちがきゅんきゅんする!!
歌と演技、本当に素晴らしいです。

宝塚は、正直「この人歌はあんまりだな~」って方がたくさんいます。笑
でも、そのジェンヌさんの成長を見守ったり、あーだこーだと議論するのが、ヅカファンの楽しみでもあると思うのです。
個性が全くつぶれないのが宝塚のいいところ。
そして本物の男性には出せないきらきら感を惜しげもなく出せる。笑

対して四季は、歌も演技も文句のつけようがない。
リアルで、観客の感情を揺さぶる舞台。
私はただ単純に、歌以外の話し方が苦手なだけなのです。。

リトルマーメイド、
四季メソッドへの苦手意識もふっとぶくらい、素晴らしい舞台でした!
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