上本町げんき保育園では、こどもたちのアート活動をもっと自由にさせてあげたいけど、どうすれば良いのかわからない。そんな声があり、ご縁をいただきましたので、現在月一回のペースで遊びに行っています。
おててスタンプあそびで、とっても素敵なお写真がありました。
自分の手と画用紙を見比べている様子に感動してしまいます。
心の中ではどんな事件がおきていたんでしょうね。
このあと、試行錯誤のあとにもちろん、ちゃーんとおててスタンプになっていましたよ!
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保育園、幼稚園でのアート活動は、多くの場合目的のあるお絵描きが中心となります。
更に多くの場合、保育者は、視覚的写実性(見えたものを見えたように書く)ことを教える傾向があります。
保育園の展覧会などを見に行くとよくわかるのですが、どことなく作為的な、みんな似たような構図で同じ色をつかうようなイメージです。同じシーンを同じように描くので、そこには確かに「うまい、下手」が存在します。
そうなると、こどもたちにとって大きなごちそうであるべき、画面への没頭の時間は置き去りになってしまいます。
こどもたちの素晴らしさは、知的写実性(知ってることを忠実に描くようなイメージ)に基き、心のままにのびのび描くところにあります。
そんなこどもたちに出会ったとき、私はどんな素晴らしい画家の絵を前にするより感動してしまいます。
実際に保育園に伺うと
「いつもと集中力が違う!みんな活き活きしてた!!」
「こういうこどもの姿が理想だと思っていたけど、やり方がわからないからできなかった。」
「こどものモチベーションをあげるほめ方がわかった!」
そんなご感想をいただきます。
もっと切実なのは
「ずっとやりたかったけど、そこだけにじっくり計画をして取り組む時間がとれないから助かる」
というコメントです。
こどもはみんな芸術家である。そんなことは重々承知されている先生方だからこそ、自分たちの保育もきちんと振り返っていらっしゃるんですね。
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こどもののびのびとした表現力を引き出すのは、難しいことではありません。
・こどもの絵画の素晴らしさは知的写実性(知っていることを忠実に描く)の素晴らしさにあること。
・こどもたちは「上手だね」なんて評価を求めていないことを知っていること。
・こどもが「自分で頑張ろう!」と思える導入(ピカソプロジェクトではしばしばこれを鑑賞を通して実施しています)
この3つの要素が揃えば、誰にも簡単にできることなんです。
でも、保育園や幼稚園に、この要素を揃えるだけに、職員研修の時間やお金をかける余裕はなかなかとれません。他にもたっっくさんのやらなくてはいけないことがあるからです。
豊かなこどもに育てるために、アートはとても有効。
でもなかなか取り組めない。
そんな風にこどもたちに良いアート環境を整えたいと思っていらっしゃる園を、これからも応援させていただきます♪