今朝、冷蔵庫を開けると一度も開封していなかったパプリカペースト(ドイツ産)が目に入ってきました。
今日のパンのお供はこれに決まり!と手に取りました。
あけると何やら見たことがある感じ!
パンに塗って食べてみると、うーん、懐かしい!
これは、もしかして
そうです。もしかしてでした。
ちょうど七年前。海外ボランティアでドイツに行ったとき、お気に入りでよく食べていたパプリカペーストだったのです。
ボランティアの受け入れ先が環境保護を訴えるボランティア団体だったので、私は余儀なくベジタリアン生活を送ることになりました。そして、毎食、パン、パスタ、オーガニック野菜をメインにした料理を頂いていたのです。
このような食生活の中で、私が一番気に入っていたのが、このパプリカペースト。
週に一度の買出しの時には、オーガニックストアで、必ずこのペーストを買ってきていました。
こんな風に、今朝、私はこのペーストで、七年前のドイツでの思い出が蘇ったのでした。
あのとき、ベジタリアンの人って、あんなに美味しいお魚もお肉も食べないんだ。。。すごい人たちだなと思っていたけれど、今自分もそれに近い生活を送っているから不思議です。なんのことない、理由があれば、そんな食生活ができるのですよね。
ここからは、話は脱線しますが、ドイツのお話を。。。
大学生のとき、私はこんな風にドイツで一ヶ月のときをすごすことができました。
私は、ベジタリアンという食生活を生まれてはじめて経験しました。
最初は肉魚なしの食生活に少し違和感を感じたものの、そのころ、まだダイエットにも興味があった私は、たまにはこんなのもヘルシーでいいのかなと馴染んでいました。しかし、日本から来た男の子たち、トルコ、スペインなど肉を常食にしているメンバーは、非難ごうごう何で肉食べれないの!?そんなの聞いてないよ。。。と毎日文句を言っていました
そして、買出しに出かけたとき、耐えられないときには自転車をひとっ走りさせて、マクドナルドでハンバーガーを食べたり、スーパーでソーセージを買って食べていたのだそうです。
でも、私はドイツへ行ったのに、一度も太くてながーいソーセージを食べることなく帰ってきたのでした。
このとき、私は生まれてはじめて、各国の人々は、食に対するこだわりが強いということを間近にしました。
初日から、パスタの味付け、調理法で、ロシアとスペインの対決が始まったのです。
今思うと、少し深刻な話だったのかもしれませんが、味付けひとつでこんなにこだわる仲間に驚きました
ドイツでは、ほかにもふたつ驚いたこと、学んだことがありました。
まずひとつめ。それは、「ごみに対する意識」。
日本では、ゴミ袋へ入れてごみを捨てますが、ドイツでは、ポリバケツ(大型のもの)に生ごみ、燃えるごみ、燃えないごみ、そして回収用のごみと分別してごみを捨てるのです。ごみ収集の日には、道路の回収車が通るところまで持っていき、ごみを出していました。
また、スーパーへ行くと、プラスチック容器はほとんどなく、野菜はそのままディスプレイ。ヨーグルトや食品の多くは、回収できるガラス瓶に入って売られていました。そして、パンはそのまま棚に陳列されていて、紙に包んでもらって持ち帰るというのが普通でした。だから、ほとんどごみといったごみが出ないのです。
ドイツは、本当にかわいくてきれいな国。
ごみや環境保護に対する意識の高さから、あのような美しさが生まれるのかなと思いました。
そして、ふたつ目。それは、「家族に対する思いやり」。
ボランティアのメンバーをはじめドイツ人は、仕事が終わった後、家族と一緒にいる時間を大切にしていました。
私が行ったころは、まだ日の長い夏だったせいもありますが、仕事が終わった後、家族で散歩、公園でサッカーなんていう光景をよく目にしました。
そのころ、日本では「家庭崩壊」なんていう言葉が聞こえていたし、私にとってはこういった時間のすごし方がとても衝撃的だったのです。日本人はまだこの時間働いているし、家族でごはんを食べることだってままならない。
私は、とにかく、ドイツ人の家族に対する愛を、私も見習いたいと思ったのです。
これを機に、私は家族に対する意識が本当に変わりました。
そのころ私は大学生で、すでに家族とは離れ離れでしたが、家族との時間を大切にしようと実家へよく帰るようになりました。
本当にドイツでは、「家族」について色々教えられました。
帰国後、父親に、「家族は大切にしなければだめだね」といったとき、まだ父には反抗的だった私に、父親は、「おまえのその言葉を待っていた。ドイツに行ってきてくれて良かった」と喜んでいってくれました。
今ふと振り返ると、ドイツでは、ベジタリアン生活に始まり、環境に対する配慮、家族の大切さ、マクロビオティックの真髄にもなるものを少し学んできたような気がします。