「美味しい。」の物差し | 恵比寿 Rouge ou Blanc ルージュ・ウ・ブラン

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初めて訪れるレストランやワインショップなどで、

「美味しいワインをください。」

と、ざっくり言って店員に注文しても、なかなか美味しいワインには巡り逢えないでしょう。

あなたがどんなものを美味しいと感じるのか?

を、初対面の店員は知る由もないからです。

あなたが猫派なのか、犬派なのか。ロックを聴くのか、ジャズを聴くのか。焼き鳥は塩で食べたいのか、タレで食べたいのか・・・知る由もありません。


そもそも味覚は主観的なもので、最終的に美味いかどうかは、それを食した本人が決めることです。

例えば、味わいの好みを言葉で伝えても、感覚を共有するのが難しかったりします。

「甘口」、「辛口」、「飲みやすい」、「飲みごたえがある」・・・

同じ甘さでも、すごく甘く感じたり、それほど甘く感じなかったり、人によって尺度(物差し)が違うので感覚のズレが生じます。どれくらいのものを「飲みやすい」と感じ、どれくらいのものを「飲みごたえがある」と感じるか。それもまた人それぞれ。


レストランやワインショップなどでワインの好みを伝える時。

酸味、渋み、ミネラル、果実味、樽香、・・・ちょっと専門的な用語を使って具体的に言ってみたり、

よくわからないけど、酸っぱいのは好きじゃないなぁ。とか、自分なりの言葉で言ってみたり、

このあいだ飲んだ○○国の○○のブドウ品種のワインが好きだったなぁ。と、過去の経験を言ってみたり、

けっきょく好みが言葉でちゃんと伝わるかどうかは、人と人とのコミュニケーション次第。会話から得られた情報を元にして、ワインの経験値などを推測し、好みを探っていく。結果的に、どこまで芯をとらえられるか・・・。勧める側の技量やセンスも重要です。あの美容師さんは、いつも理想通りの髪型に仕上げてくれるんだよなぁ(あるいは、いつもイマイチなんだよなぁ)。とかにちょっと近い感じかもしれません。


レストランなどでワインを注文するシーンでは、好みだけではなく、どれくらいの量を飲めそうなのかを一緒に伝えるのもポイントだと思います。お酒に弱い人も強い人もいて、グラスでちょっとづつ試したいのか、グラスでスパークリングワインや白ワインを飲んだ後に赤ワインをボトルで注文したいのか、すべてボトルで何本か順番に楽しみたいのか・・・それによって組み立て方も変わってきます。

さらに重要なのが予算。どのくらいの価格帯のワインを選びたいのか。「○○~○○円程度で」と、はっきりと指定したほうが候補を絞りやすく、予算内で一番のオススメに出会えることでしょう。デートや接待のようなシチュエーションの場合には、ワインリストに載っている金額の場所をさりげなく指さしながら、「こんな感じの雰囲気で・・・」と伝えるテクニックもスマートだと思います。

料理との相性を重視して選ぶのも良いかもしれません。レストランであれば、「オードブルは○○、メインディッシュは○○を食べたい」などと伝えて、それに合いそうなワインを勧めてもらったり、ワインショップであれば、「今夜は家で○○を作って一緒に楽しみたいと思っている」とか「ハイキングに持っていきたい」など、シチュエーションも伝えてみたり・・・


もうすぐクリスマスです。そしてすぐに年末年始。レストラン、ホームパーティー・・・様々なシーンでのワイン選びに。未知なる新しい味との出会いもまた醍醐味ではないでしょうか。好みにピタリと合えば、それに越したことはありません。