クライストチャーチの中心街を南北に走るコロンボストリート沿い、大聖堂から北に100mほど歩いた通りの2階にサージェント・ペッパーズス・テーキハウス(Sargent peppers steakhouse)がある。
テーブルが10卓ほどの小さなお店だが、いたるところにビートルズ(The Beatles)のパネルが飾られ、店の奥にはビートルズのメンバーが壁画として描かれている、もちろんBGMはビートルズ。
クライストチャーチを訪れることがあったなら是非訪れてみたいと思っていたお店だ。
混雑している時間にを避けて8時半頃店に行ってみた。ラストオーダーが9時だから待たされることはないだろうと考えてのことだった。
一組の50代とおぼしきイギリス人ご夫婦(ロンドンから来たとのことだった)が待たれていたが、5分も経たずに席に案内された。
店内はランプとテーブルの蝋燭だけの灯り、これも肉料理にはぴったりの照明。
クライストチャーチ到着後の最初のディナーなので、どのステーキにしようか迷った。
結局サーロインもヒレも食べたい要求を満たすためTボーンステーキを、ソースはまずは無難にマッシュルームソースを選んだ。
ステーキが運ばれてくるまでの時間は壁一面のビートルズの面々のパネルを見て楽しめばいい、そんなふうに考えていた。
初期の頃の写真が多い、ドラムがピート・ベストだったクォーリーメン時代のパネルもあった。
確かな記憶ではないがオノ・ヨーコさんの写真は1枚もなかったように記憶している。
お店に上がっていく階段にも多数のパネルが
この店のオーナーはビートルズの解散原因をオノ・ヨーコさんだと考えているファンの一人なのだとしたら、少し残念に思う。
あまり店内をじろじろ見回すのも他のお客に対して失礼だと思い、じろじろ見ることは遠慮していたのだが、私の前に案内されたイギリス人夫婦のテーブルに料理が来ていないのは当然としても、他に3組のテーブルでナプキンが置かれたまま料理を待っているグループやカップルがいた。
ひょっとして自分は最後だから5番目か?かすかに不安を感じた。
30分ほど過ぎた頃、やっと1組のカップルのテーブルにステーキが運ばれてきた。
素人としてはステーキを焼くだけの料理になんで30分以上(席に着いてから30分なのでそのカップルが何分待っていたのかわからない)もかかるのか、ちょっと日本人としては理解出来ない。
まあ国が変われば時の流れが変わるのはこれまで何度も体験していることだから、スマイルsmile。
『同じオーダーが前後して入ったからといって二枚を同時焼くような習慣はないのだよcologne君!』
私の中で余裕のあるもう一人が話しかけてくる。
『そうだよ、肉を1枚切る度に肉を冷蔵庫に戻し包丁もしまうのさ、客が何人待っているのかなんてことは料理人には関係のないことなのさ』
そんなふうに考えて”待つ”ということを楽しんでいると、ひとりの客が店にやってきた、中年の白人ビジネスマンといった感じだ。
もうラストオーダーの9時を20分程過ぎている。
客を入れるのは店の勝手だから別に構わないけど、今から注文したって料理が出てくるころにはいったい何時になっているのか他人事ながら心配してしまう。
そのビジネスマンはしばらくすると本を取り出し読書していた、常連さんなのかも。
そしてさらに20分が経過した午後9時40分、やっと待ちに待ったステーキが運ばれてきた。
普段はmediumrareなのだがT-bone steakの場合は骨回りの肉に火を通し、骨から切り離せるようにwelldoneに
焼き加減を間違えないための”旗”が可愛い
店内の写真は食事を楽しんでいる方々で満席だったので撮影を控えました。
注文してから待つこと1時間と10分、これが7時や8時の入店だったら待ち時間はどうだったのだろう、そんなことはこの際考えないことにして料理をいただいた。
もともと肉料理が大好きだが、肉が柔らかければ美味しいと勘違いしている方が多い昨今だが、私はじっくりと肉を噛みしめている間に肉そのものの持つ”旨味”が出てくるタイプの肉が好きだ。
そういう意味においてニュージーランドの肉は旨い。
この夜もそれなりに美味しいステーキをいただいた。
ただあえて書かせてもらうなら、今回の旅行で食したステーキの中では、この店の肉質と味は最上位ではない、待たされた時間に関係なくだ。
しかしこれはたまたま、それ以降のお店で食べたステーキが私の口により合ったものだったからだといえる、サージェント・ペッパーズ・ステーキハウスの肉は充分美味しかったのは間違いない事実なのだから。
お店を出た頃はもう午後10時半頃、お店の看板もひっそり
つづく