ネギま11巻の感想・考察
23巻の感想・考察はすでに終わりましたから、この巻の分を書けば残りは半分ということになります^^
よ~し、がんばるぞw
今更なんで全巻分の感想・考察をやっているのか・・・お忘れの方はこちら をどうぞ☆
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裏表紙は古菲ですな^^
この11巻ごろからはネギのことがちょっと気になり始めている、バカイエローでございますw。
クラス内で同じようなポジションにある楓に、今までは出番の多さで若干引けを取っているように感じられましたが、この巻では対龍宮戦での活躍を通じて一気に存在感を増してきましたね。
私は、初期の頃からコンスタントに出番のある古株のキャラを擁護する立場を取っていますので、古菲はまさに私の保護対象のひとりに該当しておりますw。
ちょっとお馬鹿ですが友達思いで、しかも冷静な一面も持ち合わせている良くできた娘です。(特に対チャオ編あたりからはかなり凛々しくなってきている気がする)
しかし、人気の方はイマイチ伸び悩んでいるようで、人気投票などでもあまり上位にくい込んでくることがありません。結構重要な役割を与えられているキャラですし、初期からの熱心なファン達からは十分支持されそうな気もするのですが・・・。中期頃から出番を急速に伸ばしてきた何人かのクラスメイトたちにも負けていることが多いです。
新参者になんか負けるなw、古菲!
・全体の流れと概観
A、ネギと小太郎、一日目の午前中に戻り、いいんちょと学園祭を回る。
B、千雨の単発話。まき絵といいんちょもコスプレ大会に参加。
C、ネギ、エヴァの別荘で小太郎と特訓。エヴァから魔法使いの指輪もらう。
D、武道会本戦開幕。第一試合、小太郎VSメイ。小太郎が圧勝。
E、第二試合、クウネルが勝利。第三試合、楓が勝利。
F、第四試合、龍宮VS古菲。古菲、苦戦するもネギの声援で立ち上がり、勝利。
G、第五試合、高音が勝利。
H、第六試合、ネギVSタカミチ。ネギ、序盤は善戦する。
I、ネギ、本気を出した高畑に圧倒される。
J、ネギ、居合い拳の前に倒れるが、皆の声援を受け立ち上がる。
K、ネギ、秘策を思いつき、高畑と正面からぶつかる。最後は桜華崩拳で勝利。
L、高畑、チャオの動向を探りに行くが、龍宮・チャオに捕まる。
この巻から本格的にまほら武道会が始まっている。A、Bのいいんちょ編、千雨編を除いた残りはすべてバトルパートとなっている。
個人的には、Cの部分でネギと小太郎の修行話を導入することで、物語に一呼吸置くことができており、次の武道会本戦へとスムーズに話を繋げられているなと思う。武道会で採るべきネギの戦略や、今まで何となく使っていた技の分析などが細かくなされており、前置きとしては優秀なエピソードであった。
小太郎と友情を深めていく様子も丹念に描かれていると思う。
この巻の最大の山場はH~KのネギVS高畑になるのだが、それ以外の試合はFの龍宮VS古菲以外はかなり手短に済まされていたので、単調なトーナメント戦ではあるが退屈感はさほど感じなかった。物語の軸はネギの試合にあるのだから残りの試合はこのくらいの長さで押さえておくのがやはり無難だろう。
しかし、まさか武道会が丸々3巻分近くも続いてしまうとは、この時点では全く予想していなかった。
対戦カードが分かっているだけに、物語的にたいしたサプライズも無く、ただ単調に試合がだらだらと続けられていく展開には少なからず不快感を覚えた。ウラでアスナや高音たちのバトルが展開されることで多少は物語に奥行が生まれてはいたが。
チャオの思惑が分かっているはずなのに、大衆の目の前でホイホイ魔法を使用する危機感のないキャラクターたちにも戸惑いを感じた。なぜ魔法の使用を自重しようとしないのか。
また12、13巻では、出番のない残りのクラスメイト達の出番を補うかのように無理やり登場の場を与えている苦しい感じも否めなかった。ザジに仕事のすべてを任せて残りのクラスメイト達はそろって観戦しに来るなど、虫がよすぎる。物語のテンポを崩している。
しかも、あれだけとんでもないバトルをクラスメイトたちに見せつけておいて、結局魔法に感づいたのは千雨とハルナだけという点にも、いささか説得力が欠けている。こんな説得力のない事態を犯すくらいならば、いっそ残りのクラスメイトたち(いいんちょなどの後から駆けつけてきたキャラ達)には徹頭徹尾試合を見せなくてよかったのではないか。
・具体的な感想・考察
ア)武道会は人気だったと言いきれるか
マガジン誌上のアンケートで武道会の人気が高く出たのは当然だ。その理由を一言で言ってしまえば、バトルはあまり熱心ではない(ネギまファンではない)一般読者にも受けやすいからだ。
普段はネギまを軽く読み飛ばしているような読者も、見た目的に派手で、しかもあまり深くキャラ達の事情も考えずに読むことができる武道会は、面白いものだと感じたことだろう。技が繰り出されるところや、激しくキャラ達がぶつかるところを見ているだけで、なんとなく楽しめた気分になってしまうのだ。それによって彼らがネギまに一票を投じるのはいいのだが、その一票は所詮心のこもった一票とは言えず、刹那的な享楽になんとなく引かれた重みのない一票だ。
つまり、武道会の人気が高いように見えるのは、こうした普段は決して深く読み込んでいない読者からの票が集まった結果から生じた表面的な事象にすぎず、従来からの熱心なファンたちが百パーセント武道会を支持しているとは思えない。
ネギまは明るいラブコメで持っている作品であることに間違いはないだろう。そこに奥の深いバトルパートやシリアスな展開が絶妙に絡んでくるからこそ独特の展開が生まれ面白いのだ。しかし、この単調なバトルの連続の武道会には、一体どれほどのファンが納得できたことであろうか。
イ)千雨の大躍進が始まるが・・・
2巻で単独のクラスメイト編が与えられてはいたものの、10巻まではかなり出番の少ないクラスメイトであった。しかしこの11巻でコスプレ大会の話が与えられて以降、急速に出番を増やしていくこととなった。武道会を観戦するクラスメイトたちの中でダントツに出番をもらっていたのは他でもないこの千雨である。対チャオ編でもおいしい役割を与えられている。
さらに23巻現在ではネギパーティの正式な一員となっており、もはや主役級の待遇を受けていると言える。
急激に出番を増やしてきたので、昔ながらのキャラのファン達は千雨に出番を奪われたと感じているかもしれない。
赤松先生が気に入っているキャラだということは周知の事実であるが、もう少し極端な贔屓は自重していただきたいものだ。同じく贔屓を受け、逆に他のキャラのファン達からは反感を買ってしまった素子の二の舞になる可能性が高い。
ウ)大奮闘、ネギ!
今巻の最大の見どころはネギVS高畑の迫力満点の戦いだ。
修学旅行以降エヴァに師事し、様々な訓練を受けてきたネギが、この戦いで存分に成長した姿を見せつけてくれた。
高畑の圧倒的な力に気押されながらも、小太郎やエヴァから受けたアドバイスを忘れずに、最後には破壊力抜群のオリジナル技で見事に高畑を撃破した。
まだまだ未熟な点も多いネギではあるが、確かな進歩を続ける姿を見てとることができた。男らしい頼りになるところも付いてきたかも。
エ)図書館組は実は4人なのです
普段は占い研の仕事が忙しく、木乃香はあまり図書館探検部には顔を出せていないようだが、この巻では武道会を観戦するところで木乃香も含めた図書館組4人が勢ぞろいしている。何気ない流れの中でこの4人が一緒の場所で観戦することになったのだとは思うが、ハラハラと戦いを見守る姿は可愛らしかった。木乃香が3人の中に自然に溶け込んでいるあたりに、この4人の仲の良さも感じた。
しかし、よく考えてみると、木乃香は重要キャラたちと深いつながりを多数持っていることに気が付く。
アスナとは寮の同じ部屋で寝泊まりする親友の間柄だ。彼女にとって、麻帆良学園に引っ越してきてからの一番親しい友人と言えるだろう。
また、刹那との関係が非常に深いことは言うまでもない。
さらに、今ここで示したように図書館組とも深い親交を持っている。
つまり、アスナ、刹那、のどか、夕映など、物語の核心に関わる重要キャラたちとの関係がとにかく深いのだ。さすが人の良い木乃香である。
オ)総合評価
D (A~Gの7段階評価)
かなり辛口に批評を書いたが、この巻は極端に評価が低いわけではない。ネギVS高畑は見事であったし、全体の構成も単調な武道会の中では良かった方だ。