ネギま6巻の感想・考察 | 抹茶コーラ飲むですか?

ネギま6巻の感想・考察

こんばんは☆

今日は修学旅行完結編の6巻の感想・考察なのであります(-^□^-)

では、行ってみよう♪


魔法先生ネギま! (6) (講談社コミックス―Shonen magazine comics (3392巻))/赤松 健
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・・・アスナの左手にツッコミを入れてはいけませんw。



6巻ウラ


裏表紙は近衛木乃香ですな。初期のころから出番も多い重要キャラの一人ですね。

ただし、メイン話はこの修学旅行編までは多かったのですが、7巻から現在までは意外とメイン話らしい話はあんまりもらっていませんよね。アスナ・刹那と一緒にいるので出番はかなり多く感じられますが、木乃香自体がメインで大活躍している話ってあんまりない気がします。

木乃香ファンの人の中には、メイン話の多かった初期の頃(1~6巻あたり)のほうが良かったと感じている方もいるかも知れませんね。


ネギ以上の魔法の才能を持っており、回復魔法の力はネギパーティの危機を何度も救ってきました。最終的には、石化されたネギの村の人たちを助け出すことができるくらいの力をきっと付けてくれることでしょう。



・全体の流れと概観


A、刹那らがネギ・アスナと合流。木乃香の実家にたどり着く。

B、ネギ、親書を西の長に渡すことに成功する。

C、アスナ、木乃香が魔法使いの血を引いていることを知る。

D、フェイトの夜襲。屋敷の人たちやのどからが石にされてしまう。

E、詠春までもが石化されてしまう。ネギ、たまらず学園長に応援を要請。

F、アスナ、フェイトに敗退。ネギがフェイトを倒すことを約束。

G、千草、木乃香の力を使い魔物を多数召喚。刹那とアスナがこれに応戦の意向。

H、刹那が仮契約。ネギはそのまま離脱し、木乃香救出へ。

I、ネギ、小太郎の妨害を受け足止めされる。

J、刹那・アスナも月詠の出現などにより苦戦。

K、夕映の連絡受けた楓らが参戦。I、Jの戦局が好転。

L、ネギ、フェイトに一泡吹かせるも、スクナノカミの召喚を阻止できず。

M、刹那が翼を広げ本気モードへ。エヴァが応援として現場へ直行する。

N、刹那が木乃香を救出。ネギもフェイトに顔面パンチをくらわせる。

O、駆けつけたエヴァがフェイトを退ける。さらに、圧倒的な魔法でスクナノカミを撃退。

P、木乃香が仮契約。石化が進んだネギを救出する。のどからも石化から回復する。

Q、朝倉が各班の記念写真を撮る(盗るw)。

R、ネギ、ナギの別荘を訪れる。ナギの手がかりを得る。

S、3-A、麻帆良学園に帰る。



今巻は修学旅行編の後編ということもあり、一部を除けば全編がバトルとなっている。

コメディらしき話はA、B、Q、R、Sあたりのみで、残りは比較的シリアスな展開である。


ラブコメ派には確かに多少物足りない物語構成であったかもしれないが、それ以上に今巻のバトルパートは非常に秀逸であり、有無を言わせない圧倒的な仕上がりとなっている。生粋のラブコメ派の読者も、息をのむようなこのクライマックスのバトル展開には目を離すことができす、1コマ1コマその成り行きを見守ったことだろう。


要約を書いてみると上のようにかなり長くなってしまった。バトルが主体であったにも関わらず、それほど内容の濃い巻に仕上がっていることの表れだ。ネギ対フェイトの構図や、アスナ・刹那の共闘の視点、刹那と木乃香の友情の観点、敵たちの様々な思惑など、一口にバトル展開といっても何重にも様々な要素が重なりあうことによってこの内容の濃さは作り出されていると言える。ただ漫然と戦いが進んで行くだけの普通のバトルマンガとの大きな違いがこの辺りにあると思う。

バトルにも関わらずテンポよく話が進んで行く点も好印象で、まったく倦怠感を感じられない。ひとつのバトルに何巻分も費やすという紙面の無駄遣いもない。


最終的には、ネギたちが千草らの陰謀を退け、刹那と木乃香の仲が昔と変わらない強い絆で結ばれた関係に戻るなど、この修学旅行編の主軸となる展開にすべて決着が着く満足のできる結びで終わっている。新幹線で麻帆良学園に戻るところで切りよく6巻が終了している点にも、非常に高い構成力が感じられる。


その一方で、23巻現在でも気になる謎の出来事となっている20年前の大戦の話がここで提示されたり、詠春からナギの手がかりを得たりするなど、次巻以降へと続く新たな伏線・設定を投げかけることにも成功している。ただ単に「修学旅行楽しかった」では終わらず、次巻以降も見据え、次々と物語の幅を広げていくことに成功しているのだ。



・具体的な感想・考察


ア)シリアスで大迫力なバトル展開

エヴァンジェリン編や、4巻、5巻のバトルに比べ、今巻のバトルはシリアスさの強い緊張感のあるものであった(アスナがお色気担当であることにはいちいちツッコミを入れないでおくw)。


フェイトの突然の強襲により窮地に立たされるネギ達の様子には非常にハラハラさせられた。木乃香の力が利用されありえない数の魔物が召喚されたときは、正直ネギ達が負けるのではないかと心配になったほどだ。1コマたりとも目の離せないこうした展開が、前半から立て続けにやってきたのだ。


刹那とアスナの対魔物共闘編はネギまのバトルの中でもかなり好きなエピソードだ。150体もの魔物を相手に刹那とアスナが大暴れするところは爽快感、迫力ともに満点だ。この辺りの2人の活躍を目の当たりにして、刹那・アスナの師弟コンビが大好きになった方も多いかもしれない。

刹那曰く、自分とアスナの力を考えれば目の前の魔物の群れも「チンピラ100人に囲まれた程度だ」と考えればいいらしい。どんな例えですか、それはw。


ネギや刹那・アスナが窮地に立たされたときに楓らが援軍としてやって来て力を添えることになったのだが、ここで暗躍していたのが夕映だということを忘れてはいけない。非常事態にも関わらず好判断を下すことができた機転の良さはさすがか。

この6巻のエピソードを通じることで、夕映が魔法を知って行くことになる伏線を張ることにも成功している。


ネギVSフェイトではカモの頭脳的なサポートが光っているようにも感じられる。バトルの解説役としても非常に重要なキャラだと思う。


最終的にエヴァがスクナノカミやフェイトを退けることになったが、彼女の桁はずれの強さに改めて驚いた読者も多かったはずだ。「えいえんのひょうが」「おわるせかい」の威力は半端ではない。大迫力の超弩級の魔法に圧倒された。ここまで徹底した悪者っぷりだと逆に清々しく思えてくるから不思議だ。

ただ、ストーリーとしてはかなり楽しめたが、冷静になってよくよく考えてみると、ネギはまだまだ助けられっぱなしの未熟な魔法使いであることに気づく。スクナノカミやフェイトに太刀打ちできず(フェイトには一矢報いたが)、結局エヴァにおいしところを持っていかれてしまっている。

エヴァの大活躍は爽快であったが、ネギの活躍という観点から見てみるとあまり褒められた内容ではないのではないか。


イ)ネギ・刹那とネギ・木乃香のパクティオー

前巻でののどかに続き、刹那と木乃香が仮契約を果たした。これで主要4人が仮契約を結んだことになった。以後、仮契約を果たすクラスメイトは当分現れないことになる。


ネギと刹那のパクティオーは二人とも初々しくて、見ているこちらが気恥ずかしくなるくらいでしたw。アスナが見つめ合う二人に注意していますが、その気持ちも理解できますよねw。

逆に木乃香の仮契約はバトルクライマックスの見せ場ですね。守られてばかりの自分は嫌だ。自分も、命がけで自分を守ってくれたみんなを守りたい。そう願う木乃香の強い思いがあの能力を開花させることに成功したのでしょう。感動的でした。


ウ)刹那と木乃香、ほどけた赤い糸は・・・

全体が刹那・木乃香編となっているとも言える修学旅行編。二人の関係の動向に終始光が当てられたが、刹那が千草から木乃香を救い出すことに成功することで、二人の強い信頼関係がついに元通りになることになった。

木乃香を信じ自分の真の姿をさらけ出すことへの迷いを断ち切った刹那、刹那が必ず助けてくれると信じて疑わなかった木乃香。

木乃香を魔の手から救い出した刹那が、月夜を背景に美しく空を飛ぶシーンは非常に印象的だ。

刹那にとって、木乃香の笑顔が見られたこと、そして、「キレーなハネ・・・・なんや天使みたいやなー」という木乃香の一言がもらえただけで、すべては十分だったに違いない。

「聖なる空の下で」をBGMとして流したいような幻想的かつ感動的なシーンであった。


エ)総合評価

A (AGの7段階評価)

ネギまのバトル編としては最も好きなエピソードの一つである。作画を含め何も言うことはない。完璧な一冊だ。