信仰心の強さ、日本は143ヶ国中136位
[アメリカ発] 読売新聞社が2008年5月に実施した年間連続調査「日本人」では、何かの宗教を信じている人は26%にとどまるという結果が出ていたが、そんな我国は世界で最も信仰心が薄い国の1つであることが米ギャラップ社の世論調査から判明した。
同社は、世界143ヶ国を対象に各国からそれぞれ約1,000人の成人を代表標本として抽出、2006年、2007年、2008年に電話と対面インタビューを実施した。以下の結果は「日々の生活で宗教は重要な部分を占めていますか?」という質問に対する標本の回答に基づいている。
調査結果によると、質問に「はい」と答えた人の割合は世界平均で82%(中央値)。最大値は100%、最小値は14%となっており、ばらつきも大きい。日本は 25%、つまり4人に1人が「はい」と答えており、143ヶ国中136位となっている。ちなみに、同社のお膝元米国の数値は65%である。
以下の図は世界各国の信仰心の強さを世界地図を使って比較したものである。色が濃い程信仰心が強いことを示す。
世界白書:信仰心の強さ
この図から分かるのは、一般的にその国の生活水準が低い程、信仰心が強くなる傾向があることだ。実際、ギャラップ調査で最も信仰心が強い11ヶ国の内、8ヶ国はサハラ以南アフリカとアジアの貧しい国々である(表1)。それとは逆に、最も信仰心が弱い11ヶ国にはスェーデン、デンマーク、ノルウェー、香港、日本等、世界で最も高い生活水準を享受する国々が含まれている(表2)。
表1 最も信仰心が強い11ヶ国 順位 国名 はい(%) 1 エジプト 100 2 バングラデシュ 99 3 スリランカ 99 4 インドネシア 98 5 コンゴ(キンシャサ) 98 6 シエラレオネ 98 7 マラウィ 98 8 セネガル 98 9 ジブチ 98 10 モロッコ 98 11 アラブ首長国連邦 98
表2 最も信仰心が弱い11ヶ国 順位 国名 はい(%) 143 エストニア 14 142 スウェーデン 17 141 デンマーク 18 140 ノルウェー 20 139 チェコ共和国 21 138 アゼルバイジャン 21 137 香港 22 136 日本 25 135 フランス 25 134 モンゴル 27 133 ベラルーシ 27
なお、リストを先進国27ヶ国に限ると、日々の生活で宗教が重要な部分を占める人の割合は平均で38%(中央値)となり、日本は先進国の中でも比較的信仰心が弱いことが分かる。
ソース&イメージ:What Alabamians and Iranians have in common
ちなみに上記リンクの『年間連続調査「日本人」』はこれ。
宗教「信じない」7割、「魂は生まれ変わる」3割…読売調査
読売新聞社が17、18日に実施した年間連続調査「日本人」で、何かの宗教を信じている人は26%にとどまり、信じていない人が72%に上ることがわかった。
ただ、宗派などを特定しない幅広い意識としての宗教心について聞いたところ、「日本人は宗教心が薄い」と思う人が45%、薄いとは思わない人が49%と見方が大きく割れた。また、先祖を敬う気持ちを持っている人は94%に達し、「自然の中に人間の力を超えた何かを感じることがある」という人も56%と多数を占めた。
多くの日本人は、特定の宗派からは距離を置くものの、人知を超えた何ものかに対する敬虔(けいけん)さを大切に考える傾向が強いようだ。
調査は「宗教観」をテーマに面接方式で実施した。
死んだ人の魂については、「生まれ変わる」が30%で最も多く、「別の世界に行く」24%、「消滅する」18%——がこれに続いた。
(2008年5月29日23時41分 読売新聞)
前にどこで見たんだったかな。
既存の宗教のシステムはもう限界に達しているというような話があった。
発展途上の国ではまだ有効なシステムではあるのだけれど、先進国では厳しくなってきているというような。
科学で解き明かされた事と、矛盾が強くなってくるので宗教というシステム自体は信じられないものの、死を恐れる気持ちはあるために「生まれ変わり」などは信じたいってとこでしょうか。
人は弱いものだから、確固たる信仰に寄りかかりたいのだろうけれど、寄りかかるべきものがない。
だから、新しく出て来る色々なものに飛びついては、あっという間に消費していってしまう。
今の大きな流行などがなく、混迷している時代背景には、そうした状況も関係しているのかもしれない。
そういえば皇室の方々の萌える画像くれ、いや下さいというスレッドを読んでみたのだけれど、驚くほど和やかに話題が展開していることに驚いた。ネット右翼なんて言葉があるけれど、てっきりもっと激しくアツく賛否が繰り広げられているのかなとも思ったのだけれど。
近年、愛国心を持った人が徐々に増えてきているような気がするのだけれども、これはかつての教育の反動であると同時に、寄りかかるべき信仰を失った人が「クニ」にそれを求めているのかもしれない。
一時の流行として消費してしまうには、天皇制は長く、重いと思うのだろうが、どうだろうか。
もし、消費しきれなかったのなら。
過去の歴史に習うのであれば、そのときにまた時代の転換点が来るんじゃないだろうか。
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