目指す絵の世界、そこに行きたいと思い、入り口として入った学校。
ここで頑張れば進んで行けると思ってた。
でもだんだん大人の事情的なことも視野に入って来て。ここだけではダメだと別のところも補足として通ってたんだけど、こんな私に両立は無理だった。
どちらかを選ぶべき時が来て、その時にはもうきっと気持ちは決まっていたみたいなんだけど、いろいろ迷った。
正直、学校にずっといてもただただ膨大な量の課題と相談出来る人がいない環境の中で大変なだけで、たぶん与えられる課題の1/3くらいしか吸収できないんだ。それでもその業界の空気は醸し出せるようになるからなんとなく就職はできるんだ。だけどその後が…。わたしは周囲より劣っている。だから今必要なことは違う。
だからここに居続けてもあんまり意味が無いと思った。高いお金払って。でもここから逃げたら逃げ癖がつくんじゃないかとか、自分の中で一つ傷がつくんじゃ無いかとか、いろいろ考えられて来て。入ったんだから最後までやろうと思ってしがみつくことにしたんだ。
学校に残れば作品がいち早く作れる。でも技量は上がらないままで。もう一方だけでやって行くには完璧に自分との戦いになって、自分の心が不安。
だけど、日が経つに連れて一度生まれた疑問は取り消せなくて。やっていることがどんどんどんどん倍に重くなってきた。
悩んでも悩んでも結論が出なくて、寝不足と疲労で自分の本心もわからなくなっていた。
それを思いながらまた寝る時間のない課題をやり続けて、もう一方にも行って、毎日夜中までお母さんが話し聞いてくれてその後夜明けまで作業して朝からまた学校みたいな感じになっていたら、まあ体調が最悪になって。毎日お腹痛いし夜中に貧血みたいになるし。
気づかないうちに顔付きがみるみる変わってきたらしく、久々に会った親友には第一声でどうしたの?と聞かれる始末。
その日は前々から予定してた好きな歌手のライブだったんだけど、とても不思議な現象が起きた。いつもすごく好きな歌で感動して涙ぐむことはあるんだけど、始まって間もない激し目の曲でなぜかボロボロと涙が出て来てしまった。普段人前で泣かないのに、自然とどんどん溢れてきて。かたまってたものが一時的にでも解れたかんじだった。とても不思議だったなあ。
悩んでも、絵が好きだということは根底にしっかりあると感じられた。
まあプロとして作品を作る世界に行く前準備の時点なんだけど…。
自分でもようやく心の凍っていた部分が解凍され始めて、自分でやりたいと思えるようになったから。
自分でやってみることにした。
でもすごく不安だよ。もう一方に主体を置くことにはなったけど、そこに依存してはいけないし従い過ぎてもいけない。自分自身の気持ちも。
一体なにを信じたらいいんだ。
信じられるものを作るためには、実力をつけるしかない。
結局は全て自分との戦い、それが人生なのね。
3年後さえ自分がなにをしているのか全く想像がつかない。
どれだけのことがあるのか。
時は進んでゆく。今の時間で出来ることを、やるべきことをするしかない。
落ちないでくれ、自分よ。