アドラー心理学を学んでいく中で、「すべてはあなたの責任なのだ。」「自己責任なのだ。」と言われたときに、「なんとまあ、厳しい心理学だ。」と感じた私でした。
 
「お前のせいだ。」と責められたように感じたのです。
 
ましてや、当時の私は、他人のせいにしてしまう癖がありましたし、自分が苦しいのは過去の成育環境や親のせいだと思っていましたし、「こうなったのには何らかの原因がある」という原因論で考えていましたから
 
「全ては自己責任なのだ。」と言われて、抵抗も感じたし、「お前のせいだ。」と責められたように感じて、イヤな気持になったのです。
 
責任という言葉は、英語では「responsibility」というのですが、「responsibility」という言葉には、まったく責めるという意味合いはないのです。どうして、日本語には「責める」の漢字が入ってるのか理解できません。
 
まあ、「自己責任」と言われて、自分を責められるような感覚を持ったのは、まったく見当違いだったわけです。
 
「responsibility」の「respons」というのは「対応する」というような意味合いなので、
 
「responsibility」というのは「あきらめないで対応し続ける」という意味であって、
 
「はい。あなたの責任です。あなたが悪かったのです。」という意味合いはないわけです。
 
私たちアドレリアンは、人間という存在を全体論で「一つのまとまった存在」としてとらえるので、衝動や本能のせいにしたりしませんし、
 
「実存主義」的に考えるので、自分が自分の人生の主体であって、遺伝や環境や他者からの影響を主体的にさばき、決定して創造していくのだ。と思っているので、遺伝や生育環境や他者のせいにしたりしません、
 
ということは、必然的に、「自分の人生をどうしていくかは私の責任だ。」と思うようになるわけで、アドレリアンとして生活していけばいくほど、
「自己責任だ。」と思う方が楽に感じるようになって行くのです。
 
当然、誰の課題であるかということはきちんと分けますので、他人の責任は取りません。いわゆる「嫌われる勇気」を持って、他者の感情の面倒は見ないし、必要以上に他者のご機嫌取りもしません。
 
人からどう思われるかということも気にしませんし、人から嫌われないように自分の言いたいことを我慢したり、やりたいことをあきらめたりもしません。
 
当然なのですが、他者とは十分に仲良くしようとしますし、他者に貢献し、協力しようとします。ただ、人から好かれるために仲良くするのでもないし、嫌われないために、貢献し、協力するわけではないということです。
 
「嫌われる勇気」といって、「わざと嫌われるような行動や態度をとること」と勘違いしないでくださいね。
 
私たちは、純粋に自分の責任のうえで、他者と仲良くして、協力して、他者や社会に貢献しようとするのです。これをアドラー心理学では「共同体感覚」と呼びます。
 
他人の課題のために行動するのではなく、自分の責任として、共同体感覚の方向性に行動していくことを、私たちは「自己責任」と呼ぶのです。それは、私たちにとって、厳しいことでも、辛いことでも、嫌な感じがすることでもなくて、
 
むしろ喜びを感じることなのです。
 
「自己責任だ。」と言われて、最初は責められるように感じて、嫌な感じがしていた私は、アドラー心理学的な考え方の練習とか、SMILE勇気づけの親子・人間関係セミナーに出てくる人間関係の取り方などの練習をし続けるうちに、
 
自己責任と受け取る方が楽になり、自己責任で他者に貢献していくこと、他者と仲良くしていくことが、いつの間にか喜びになっていったのです。
 
そういえば、教師(24歳~45歳 今は57歳です)だったころ、特に30代までは、宴会などがあると、宴会中に突然一人になって、ひどい孤独感を感じていました。自分としては、訳の分からない孤独感でひどくさびしい感覚を感じていました。
 
それが、いつの間にか、宴会などで全く孤独感を感じなくなっていました。
 
孤独感を感じなくする作業などしなかったのにです。
 
私がやったのは、全ては自分の責任だと考えるとか、過去を振り返らないで、未来も不安に思わないで、思考を「今ここ」に集中させるなど(他にもたくさんありますが)の練習をして、自分のライフスタイル(無意識の中の人生のプログラムのようなもの)を変えて行く作業をしただけだったのですが、
 
「孤独感を覚える」という症状はいつの間にか消え去ったのです。
 
私だけではありません。あらゆる人が、症状を消そうと努力すると失敗します。
 
症状を生み出しているのは、自分の無意識下にある「ライフスタイル」です。ライフスタイルを変えないで、症状だけを消そうとすると手を変え品を変え 症状は出続けます。
 
誰かに治療してもらおうとするのも、まずはうまく行きません。問題を作り出したのは自分です。自分だけが問題を解決できます。自分だけが、自分のライフスタイルを変えることが出来るのです。
 
ただし、自分一人だけでやろうとすると、きっと失敗します。
 
それは、自分一人でやっていると、古いライフスタイルが活性化して、その古いライフスタイルを変えないように、変えないようにとしてしまうからです。
 
良いアドラー心理学カウンセラーとタッグを組むか、SMILE勇気づけの親子・人間関係セミナーのようなライフスタイルを変えるためのプログラム学習コースを受講して、日々練習し続けてください。
 
あなたがあきらめない限り、あなたは絶対に幸せになります。
 
私たちはそう信じています。
 
続く
 

本郷ひろなかの電話アドラーカウンセリングを受けて幸せになる

熊本こころ相談室