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アドレリアン本郷ひろなかの「アドラー心理学を生きる」 第4回目です。

 

今回はメモ「課題の分離」です。

 

「アドラー心理学を生きる2」で、私が生徒の課題に口出ししなくなって、関係性がよくなったと書きました。

 

先生と生徒、親と子供に限らず、二者関係において、相手の課題に口を出すのをやめることを課題を分離するといって、アドラー心理学的生き方を実践するうえでとても重要な技術です。

 

岸見一郎さんの「嫌われる勇気」に、幸せになるためには「人から良く見られたい」とか「人に嫌われたくない」のような、人の目が気になる状態、いわゆる「他者承認欲求」から自由になる必要がある。という内容の記述が出てくるのですが、

 

他者承認欲求に依存する状態は、多くの場合、子ども時代に親から「自分の課題に口出される」体験をすることで獲得されると考えられています。

 

ですから、SMILE勇気づけの親子・人間関係セミナーでは、「子どもの課題に口出さないようにしましょう。」と提案され、

 

「他人の課題に口出しする」方法ではない、全く違う方法である「共同の課題」が提案されるのです。

 

さて、「宿題をする」「朝早く起きる」「自分の部屋を片付ける」「落ち着きがない」「どんな友達と付き合うか」などというのは、子どもの行為の結果が最終的には子ども自身に降りかかるので、子どもの課題です。

 

多くの親は、これらの子どもの課題が気になって、「宿題をしてほしい」「朝早く起きてほしい」「自分の部屋くらい片づけてほしい」「落ち着きを持って生活してほしい」「悪い友達と付き合ってほしくない」などという「期待という課題」を持ちます。

 

しかし、子ども本来の課題と親の期待という課題は別のものです。

これを分離しないで、子どもの課題に口出すと、同時に親の期待という課題を押し付けることになります。

 

「さっさと宿題をしなさい。」と言うと、いつ宿題をするかという子ども本来の課題に口出しして、「早く宿題をしてほしい」という親の期待という課題を押し付けることになります。

 

「あの子と付き合うのはやめなさい」と言うと、だれと友達になるかという子ども本来の課題に口出しして、「ああいう子とは付き合ってほしくない」という親の期待という課題を押し付けることになります。

 

子どもの課題に口出しすると、とても破壊的です。

 

1:ある子は、従順に親の指示に従っている間に、自分で考え、決断し、選択し、行動することで獲得する問題解決能力を伸ばせなくなり、自分に自信を失います。

 

2:ある子は、とても依存的になって、いつも親の指示を待つだけでなく、うまくいかないときに責任を親に押し付けるようになります。

 

3:ある子は、自分の課題に口出されることに感情的に傷つけられ、反抗的になり、親と争いになり、親子関係が悪化します。

 

何よりも、親は忙しくてたまりません。

 

さて、実は、あらゆる二者関係において、本来の課題と期待という課題があって、相手の課題に口出しし、自分の期待を押し付けようとすると、破壊的なことになります。

 

課題に口出しし、期待を押し付けることが通ってしまうと、その関係は支配と依存になってしまいます。共依存関係です。

 

私のところに来られる、多くの神経症の方や、人生に苦しんでおられる方は、共通して、子どものころから、親から課題に口出しされ、期待を押し付けられ、がんじがらめになって、その癖が抜けずにおられるのです。

 

反抗的になって、親と争って、自分の課題に口出しさせなかった方のほうが、まだ、ましなのです。

 

しかし、まだましでも、人の目が気になる、嫌われたくない、良い人と思われたいという人は山のようにいます。

 

このように、どうしても他者承認欲求が出てしまう人は、課題を分けて、他人の課題に口出さないで、共同の課題として協力し合っていくやり方(※これを知りたい人は私の電話カウンセリングを受けるか、SMILEを電話で受講してください。後で簡単に書くかもしれませんが、文章で読むだけでは絶対わからないだろうと思います。)を習って練習するだけでなく、

 

人からどう見られるかというのを気にしないようにする練習も必要です。これもコツがあるし、WEBや本を読んでひとりで自分を変えようとする人は、必ず失敗します。

 

なぜかというと、ひとりでやろうとすると、変えようと努力するときに必ず古い人生プログラム(アドラー心理学では「ライフスタイル」と呼ぶ)を使って、使って使いまくるからです。その結果として、古い人生プログラムがよけいに強化され、変わらないことになるからです。

 

続く

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