森繁久彌さんが
満州におられた頃のエピソード。
森繁さんのお子さんが
真っ白な家の壁に
落書きをしてしまい
森繁さんがひどく怒鳴って
子どもを叱っていました。
そこに知り合いの中国人が通りかかり
「森繁さん、どうしたんですか?」
と訊ねると
「見てくださいよ!コイツが
家の壁にこんな落書きをしやがって」
と森繁さんが答えました。
すると、中国人が
「ちょっと来てください」
と言って、
森繁さんを連れ
どんどん家から離れた方向に
歩きだしました。
かなり遠くまで来て
振り返ると、中国人は言いました。
「森繁さん、向こうに何が見えますか?」
「私の家が見えますよ」
「壁は白いですか?」
「白いですね」
「落書きが見えますか?」
「わからないですね」
「森繁さん、
だいたい白けりゃいいじゃないですか」
そのように言われてみると
怒る気持ちが、す~っと消えていった?
そうです。
ちょっと細かいところが
うろ覚えなのですが
僕はこの話がとっても
印象に残っています。
人のやらかしたことは
けっこう細かいことでも
気にさわるもので
イライラしたり、、
怒って、怒鳴りつけたり、、
そんなことは
職場でも、
子育ての中でも、
よくあることです。
こーゆう時、僕は
この森繁さんのエピソードを思い出し
怒りの原因や対象を
遠くから、客観的に見て
「ま、だいたいうまくいったからいっか」
とか
「ま、そんなに悪い子じゃないからいっか」
とか思いつつ怒りを静め
まったく指摘しないわけでは
ないにしても
わりと穏やかに
相手に話すようにしています。
中国の方というのは
その広い国土に
生まれ育ったせいか
時間感覚や、細かい部分を
わりと緩やかに考えることが
多い気がします。
ま、ケースバイケースだとは
思いますが
もし、人のやることで
いつもイライラしちゃうっていう方は
この森繁さんの
エピソードを覚えておくと
少しだけ気が楽になる
かもしれませんよ( ̄▽+ ̄*)