ピアノサロンでお目にかかったピアニストの菅野雅紀さんのリサイタルが

昨年末、名古屋電気文化会館のザコンサートホールであり行ってきました。

当日は今にも雨が落ちてきそうなあいにくの天気でしたが

会場はほぼ満席のお客さんで華やいだ雰囲気でした。


演奏曲目の一つ

「メンデルスゾーンの『ロンドカプリッチョーソ』」は

美しいメロディをひきたたせる透明感のあるよく通る心地良い響きのある演奏で

サロンで聴いた時の力強い演奏とはまた違う雰囲気でした。

たぶん、菅野さんの持っている音とこのホールの相性がとても良いのではないでしょうか。

「ラヴェルの組曲「鏡」より『道化師の朝の歌』」も色彩豊かなきらきらした表情の演奏で

やっぱりこの曲にあった響きの美しさが印象に残っています。


もう一曲、「武光徹の『閉じた眼』」という曲も印象的でした。

この曲はルドンの『眼を閉じて』という絵から着想を得て創られたそうです。

ルドンの絵といえば幻想の世界の中の奇妙な絵ということぐらいしか知らなかったので

帰宅してからこの『眼を閉じて』という絵を見た時には少々びっくりさせられました。

優しい色調のなかに穏やかな表情の女性が描かれている絵でした。



$穏やかな時を求めて



この絵からどのように触発され

あのような曲が出来上がったのか良くわかりませんでしたが

今まで聴いた武満徹の中ではもっとも聴きやすかった曲でした。

菅野さんは東京芸大大学院で

『武満徹作品における記譜の諸相とその演奏解釈』という博士論文を書いていらしゃるので

きっと深い洞察力のもと演奏されていたのでしょうねえ。

菅野さんはまた、ピアニストとしても

全日本学生音楽コンクール全国大会1位をはじめ

国際ピアノコンクールでも1位など数多く国内外で優勝入賞をしている実力者です。

今週の1月14日(金)には東京ミレニアムホールでリサイタルがあります。

ご興味のある方は是非お出かけになってください。


もう一人、やはりサロンでお目にかかった平石裕香さんのリサイタルもご紹介します。

彼女は2010年度年間最優秀ピアニスト候補にもなっているそうです。

先日ピアノサロンで

プログラムの中の一つ「ファリャの『ベティカ幻想曲』」を聴かせていただきましたが

とても素晴らしい演奏でした。

こちらは来月2月27日神戸芸術センター芸術劇場での開催です。

関西地区の方、どうぞお出かけ下さい。

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