発達障害の子の友達作りについて | コーチング1グループ発達障害ブログ

コーチング1グループ発達障害ブログ

LD、ADHD、自閉症スペクトラムなどの発達障害に関するブログです。

こんにちは、発達障害コーチの山本です♪

発達障害のお子さんには、友達作りが苦手な子がいます。
実際に、当社でも友達作りの困難さからソーシャルスキルトレーニングに通っている子がいます。

一般的には、相手の感情を読み取れない、空気が読めないといったことから難しいようですが、
他者との気持ちの共有が出来るようになったとして、
その先には、また次の友達作りのための課題が、発達障害のお子さんには待っているようです。
それは会話の応答能力の問題です。

実際のところ、厳しい現実ではあるのですが、会話の応答能力については、
成人になっても苦手とする人が沢山居ます。

実際どういった場面に響くかというと、3人以上の会話に苦労することになるようなのです。
ですから、1対1なら友人関係が持てるけれど、
3人以上の集団に付いて行くのは苦しくなってしまう
のです。

定型発達の感覚では、1対1と3人以上の会話で、
何が違うのかつかみづらいかもしれませんが、簡単に述べるなら次のような違いがあります。

①1対1なら、こちらが答えるまで相手は待ってくれるが、
3人以上だと、話がどんどん進む。
②進んでいく話の内容を、よく理解できないうちに、
またまた話は進み、いつまで経っても追いつけないようなことが起こる。
③進んでいく話題に、自分がどこで口を挟めばよいのか、
そこを掴めないうちに話題は進んで行き、結局、頷くだけになる。


自分だけのペースでは進まない会話を理解し、そこに割って入れるだけの言語理解、
話題の提供、そして、タイミングの見計らいなど、
複雑な認知処理を要求されるのが3人以上の会話で、
こうした即時応答が上手くできないのが、発達障害の特性の1つといえます。

さて、特に思春期の女子は、多くの場合1対1の友人関係よりも、3人以上での行動を好むようです。
しかし、こうした集団行動に苦手を持つ発達障害の女子は、
1対1の関係を求めすぎる余り、相手が重荷に感じて、結局、孤立することも多いようです。

孤立の問題は、女子の方は、早ければ小学校高学年あたりから深刻に受け止め始めるようです。
この問題は、女子の方が早い時期から大きな問題として立ちはだかります。

男子は、むしろ大学生以降に、実感し始めるように感じます。
高校までは別にどこかの集団に属さずとも、
クラスの中に居れば、それなりに存在できるのが男子なのでしょうが、
大学生ともなると、自らどこかのサークルなどに属さないと、中々友人も作れない現実があります。
この頃に、男子も孤独感を自覚し始めることが多いようです。

一方、女子の場合は、もっと早くからグループが形成され、どこかに属していないと、孤立感を強めがちです。
中学生あたりの時期は、周囲の定型発達者も多感なので、ただでさえ関係が難しいのに、
そこに発達障害の特性が困難を上塗りしますから、
この時期、発達障害を持つ女の子は、非常に苦労すると聞きます。

周囲の子達は内面的にもどんどん成長し、社会性やコミュニケーションも複雑になってきます。
しかし、それ以前に、会話の即時応答という基本的な認知レベルで、
大きくつまずくのが発達障害のお子さんなのです。

こうした会話の即時応答能力ですが、年齢が上がるにつれ、ある程度は能力UPもあるようです。
しかし、この特性に関しては、個人差はありますが、完全に消えてはなくなりません。
なので、どうしても3人以上の会話への苦手は残ってしまいます。

なので、このあたりは、自分の応答能力を自覚するところで、
出来る能力の限りにおいて、集団に関わっていくしかないと考えてあげましょう。
こうした傾向からも、まだ認知能力が十分に成長できていない発達障害児に、
いくら「友達を作りなさい」「仲間に入りなさい」と言っても、それは難しいことなのです。

良かったら参考にしてみてください♪



>>>お子さんの発達障害でお悩みの方はこちらまで<<<