個人メドレーが速くなるコツ 効率的な練習法 | フリーランス水泳コーチ Hiroの競泳練習日記

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元大手スイミングスクールグループ所属   (財)日本水泳連盟公認上級コーチ    
現在はフリーランス水泳コーチとして活動中のHiroの練習日記です。

 

昨年、個人メドレーの練習方法について記事を書いたところ、多くの方から質問をいただきました。記事もいまだに多くの方に読んでいただいているようですので、もう少し詳しく書き直してみました。

 

 

個人メドレーの練習方法については、コーチの考え方によって様々で、それこそ何通りものパターンが考えられますよね。

その中で、今回は200m個人メドレーで、小学生が2分40秒を切ることを目安にした練習パターンの一つを紹介したいと思います。

記録やサイクル設定は、レベルに応じてアレンジしてみて下さいね。

 

 

 

1.クロールで200mの土台を強化

 

50mづつなら、4種目とも そこそこの記録で泳げるのに、続けて200mとなると、そのスピードが活かされないって選手も多いのではないでしょうか。

 

 

まず200mを全力で泳げるための、持久力とスピードを身につける必要があります。

そうしないと、終盤のクロールでバテてしまって、本来のスピードが発揮されないからです。

 

 

ただし、個人メドレーの練習だからと言って、いきなり4種目で持久力練習などを行うと、泳法が本来のレースでの泳ぎとかけ離れてしまい、推進効率が悪くなってしまいます。

そこで、僕の場合はクロールで200mの持久力スピードという土台(ベース)を作ったうえで、各種目の強化を行うというやり方をしています。

 

 

まずは、200mの持久力強化です。200mを3回 クロールで泳ぎます。このときのサイクルは、自分の個人メドレーの、次の大会での目標記録とします。

例えば、個人メドレーで2分40秒を目標とするなら、クロールで2分40秒サイクルで、何本でも泳ぎ続ける200mの持久力が必要ってことです。

 

 

次に200mのスピードを強化します。同じように200mを3回 クロールで行います。

サイクルは、先ほどの持久力セットでのサイクルの +20秒~+30秒くらいがいいでしょう。

1本目を比較的楽に泳ぎ、2本目、3本目とタイムを上げていきます。(ディセンディング=DES)3本目の目標記録を、個人メドレーの目標記録マイナス10秒とします。

これも、個人メドレーで2分40秒を目標とするなら、3分サイクルで行い3本目の目標記録は、2分30秒となります。

 

 

ここまでがクリアできると、目標タイムに対する200mの持久力とスピードと言った土台(ベース)は出来ているといえます。

次に各種目の強化に入っていきますが、泳法がしっかり出来ていることが前提だということは、忘れないでください。

泳法が未熟なままで強化練習を行なっても、レースにつながる効果は期待できません。

 

 

 

2.バタフライ 背泳ぎはプルを強化

 

レース中盤の平泳ぎでスピードアップするには、かなりの脚力を必要とします。またレース終盤のクロールでスパートをかけるにも、キック力は必須です。

 

 

序盤のバタフライ 背泳ぎで、必要以上にキックを打ってスピードをあげようとした場合、脚の使いすぎによる疲労によって、間違いなく平泳ぎで失速し、クロールでもキックが止まってスパートが掛けられない結果となります。

 

 

そのため、バタフライ 背泳ぎのプルを強化し、必要以上にキックに頼らず、プルで推進力が得られるように練習することが大切です。

 

 

プルブイを使用して、50mを10本を2セット行います。  

1セット目はバタフライ、2セット目は背泳ぎで泳ぎます。

サイクルは、50秒~45秒で泳法を崩さずに泳げることを目標にします。

レベルアップに応じて、サイクルを短くしたり、スピードを上げたり、本数を増やしたりとアレンジしていきます。

 

 

ただサイクルに間に合わせることだけを目標にするのでなく、ショートサイクルの中で、泳法を安定させるように気をつけることが大事です。

 

 

 

3.平泳ぎはキックを強化

 

反対に平泳ぎはキックで推進力を得る泳ぎですので、キックを強化しておく必要があります。

これが出来ていないと、必要以上に腕に負担がかかり、クロールのスパートに影響してしまいます。

 

 

キック板を使用して、キックを50m×4本 3セットを行います。

サイクルは50秒サイクルを目標としますが、レベル的に無理なようなら、55秒サイクルからはじめても構いません。

セットレストは、30秒から1分 とって行います。

 

 

っっq

4.レーススピードを想定した練習

 

スイムでレーススピードを想定した練習です。通常時にも行いますが、試合の1週間前などに行なうことによって、レースタイムを予測することも出来ます。

 

 

50m×4本を1分サイクルで4セット  セットレストは1分間で行います。

1セット目はバタフライで4本。

同じように、2セット目は背泳ぎ、3セット目は平泳ぎ、4セット目はクロールで行います。

スピードは限りなくレースに近いタイムを目標に、最大努力で泳ぎます。

 

 

もちろん全て記録を測定し、各種目(各セット)の平均タイムを計算します。

そのタイムに、バタフライは-2秒、背泳ぎ・平泳ぎ・クロールは+2秒したものが、各種目の、おおよその予測タイムとなるはずです。

そして、そのタイムを足したものが、個人メドレーの予測タイムとなります。

 

 

これは、目標タイムを2分40秒に設定した場合の目安ですので、レベルに応じてサイクルはアレンジして下さいね。

 

 

 

5.いちばん大切なもの それは栄養

 

きつい練習を繰り返すことによって、人間の防衛本能が働き、キツイことに耐えられる身体になろうと成長します。

こうやって、心肺機能や筋肉が強くなっていくことで、記録は向上していきます。

でも、そのときに必要な栄養が不足していると、心肺機能も筋肉も成長しません。

 

 

また、持久力練習を頑張って、たくさん泳ぎこんだとしても、エネルギーとなるべき栄養が十分でないと、持久力は発揮されません。

 

 

そうなると、せっかく毎日努力しても、頑張ったことがレースで発揮できなくなってしまいます。

僕の経験では、伸び悩みの殆どは、食事で改善できる場合が多いです。

それを伝えたくて、下の記事をかきました。

よければ、あわせて読んでみて下さいね。

 

食事で速くなる(1) 体重1Kg増で記録0.5秒Up
食事で速くなる(2) 食事で持久力up 疲労回復