慢性疼痛でのCBT(認知行動療法)におけるポイント | コニのブログ

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線維筋痛症というとウィキペにも「死にたくなるほどの痛み」なんてある。
治療法が確立していないし、Drにも家族のもなかなか理解が得られない。、見捨てられてしまう事が続く。身体も心の痛い事ばかり。
でも、孤独になるのはやめよう。何か良い方法があるはずだ。

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偶然、2013年の臨床精神医学 第42巻 第6号を読む機会があありました。


それは慢性疼痛への精神学的アプローチの特集だったので目移りするほど慢性疼痛の記事ばかり、


もちろん古い情報かなと思うものもありました。


この手の雑誌はキチンとした管理下でのエビデンスのある情報である事を求められるから仕方がないかなと思いました。


でも、特集を組むほど関心を払われているんだという希望の方がはるかに大きかったです。


中でも、「慢性疼痛に対する心理的評価と認知行動療法」 笠原 諭 著 に多くのヒントを得る事が出来ました。

筆者は東大病院麻酔科・痛みセンターにてペインクリニック内に所属する精神科医として慢性疼痛のチーム医療に携わっている方のようです。


服薬で患者が早期に治療効果を実感できれば、あえて時間と労力を要する認知行動療法から始めるよりも円滑に治療が進んでいくのではないかと筆者は述べています。


まあ多くの情報が記載されているのだが、私にはわからない事も多く、私がほおっと思った事だけ私の覚書として残しておこうと思います。



まず筆者は疼痛行動が家族との非適応的な交流システムの中で維持されていることも少なくなく、


多くの疼痛患者は無意識に心因を抑圧していることが多く、話をひと通りきいて推定できるものは病態


に深くかかわるものである心因ではないと考えてた方が良い。


疼痛は現実的には解決できない現実不適応である葛藤を疼痛として身体化している事も少なくない。


と述べています。




さて本題です。




臨床精神医学2013  
特集:慢性疼痛への精神科的アプローチより抜粋

慢性疼痛でのCBT(認知行動療法)におけるポイント


(1)痛みの基礎知識を教育する事


(2)活動レベルを高める事

疼痛に対する破局視の際に、痛みへの恐怖の為に身体を動かさないようになりがちで、活動性が低くなり、筋肉などの運動器の拘直化をもたらしやすく、その結果かえって身体の痛みが再発・悪化しやすいという傾向がある。


(3)過活動を管理する事

一般的に慢性疼痛患者には完全主義傾向をもつ者が多く、全部を一気に、徹底して達成しようと、        非現実的な目標を掲げて過活動となり、痛みの悪化の兆候を無視して「やり通そう」とする。

その結果、痛みを悪化させ、動けるようになるまでに休養を延長しなければならなくなり、また動けるようになっても「」無駄にした時間を取り戻そう」とさらに一生懸命物事に取り組むことになる。


またこのような完全主義的な患者は物事を成功か失敗かで評価し、失敗を過大に評価し、達成した事を無視する傾向にある


(4)疼痛に対する破局視と恐怖の回避を低下させる事

慢性疼痛患者は過活動などの悪循環によって痛みが悪化した際に、「痛くて歩けない、耐えられないなど」の痛みへの恐怖の為に身体を動かさないようになりがちで、活動性が低くなる。

その結果、筋肉などの運動器の拘直化をもたらしやすく、その結果かえって身体の痛みが再発・悪化しやすいという傾向がある。

(5)ストレスに対する対処スキルを高める事


(6)怒りの管理をすること

痛みは身体における侵害受容を認識するための感覚であり、怒りは人格における侵害受容を認識するための感覚である。

慢性疼痛患者は怒りの感情に適切な対処をする事が出来ず、怒りを募らせて疼痛閾値を低下させる傾向がある。

これにはCBTの一技法であるアサーショントレーニングも有効であると考えられている。

これは、自分や他者の権利を尊重しながら、自分の感情や思考、考え方などを相手に攻撃的、受け身的にならずに伝えていくスキルを習得するトレーニングである。



読書療法

独習による反復訓練が可能で症状が悪化した際にも自己分析を行うことで自己治療ができ、治療への主体性を培う事が出来る合理的なCBTの実践的な方法である。


怒りの感情への適切な対処:「アサーショントレーニング」平木典子著


うつ傾向:「嫌な気分よ、さようなら」


不安傾向:「フィーリンググットハンドブック」


社会不安傾向:「不安障害の認知行動療法(2)社会恐怖<患者さん向けマニュアル>」


自己評価の低い傾向:「自信のもてないあなたへ」



私が興味を持ったのはこのような内容だったが他の人が読んだらまた違うだろう。

とりあえず、お金のかからない読書療法がいいかなと思います。