"サントリー・ウイスキーにおける日本文化再発見"

11月12-13日、沖縄で開催される全国広告学会に参加いたします。
当日は次のようなテーマで発表させていただきたいと思います。:

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 本発表では,サントリー・ウイスキーが辿った商品名の変遷を取り上げる。

1950 Suntory Old(オールド)
1960 Suntory Royal(ローヤル)
1964 Suntory Red(レッド)
1969 Suntory Reserve(リザーブ)
1977 Suntory The Whisky1984(サントリー・ザ・ウィスキー1984)
1984 Suntory Pure Malt Whisky Yamasaki(山崎)
1989 Suntory Hibiki(響)
1994 Suntory Whisky Hakushu(白州)
1998 Suntory Whisky Zen(膳)

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 80年代のクリップを比較すれば,サントリー商品のイメージが強いられた西洋化をどのように脱し,日本製の商品としての真正さを積極的に訴えるようになったかが明らかになるであろう。この変遷は,日本製の商品が自らの価値を訴えるため西洋のイメージを必要としていた,長き戦後の終わりを示している。同様の変遷は他の商品にも見て取れる(ダーバンのアラン・ドロン,ニッカ・ウイスキーのオーソン・ウエルズ,マンダムのチャールズ・ブロンソン)。この「外人コンプレックス」とでも呼ぶべき時代に,日本文化が忘れ去られていたわけでは,もちろんない。だが,“made in Japan”としての高級感と高品質感を商品に付与するために日本文化のイメージが用いられることは,ほとんどなかった。
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 サントリーの高級ウイスキー「山崎」のクリップは,80年代の特徴である「日本的なるもの」の誇りが再発見されたCMの好例である。発表では特に,黒澤明監督とサントリー社長であった佐治敬三の出演するコマーシャルと,アメリカの作家ヘミングウエイのソックリさんが登場するCMシリーズを比較・検討する。
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