昨夜、日本テレビの番組「松紳」を見ていたら、メルヘンチックな話を放映していた。
その中で紳助が素晴らしい解説をしていたので紹介したい。
メルヘンチックな話の内容は以下の通り(大体なのであしからず)。
12年前、付き合っていた彼が一番大好きだった。
その彼はいつも私の髪の匂いを気に入ってくれた。
結局、お互いは別れてしまった。
今は、結婚し、とても幸せです。
ただ、12年前と同じシャンプーを今でも使ってます。
多分、ずっと忘れないでしょう、12年前の彼。
一番好きだから。
このような内容だったと思います。
自分の第一印象は「ふ~ん」というもの。
松ちゃんは
「今の旦那が一番切ないっすねぇ~」と言っていた。同感である。
しかし紳助は違う視点から意見を述べた。
「今、その男が目の前に現れたとしても、無理やで。この女は『12年前』の男が好きなんや。
12年後の男と連絡がついたとしても、それは無理なことや。
女っちゅうもんは、思い出に酔うもんや。『あの頃』の彼が一番好きだったということ、それだけや」
すごく共感した。ずっと放心状態が続いた。まさしく今、置かれている状況だった。
女性とお会いする機会は多々あるのだが、深い所へはなかなか入っていくことはない。
要は臆病になっているのだ。相手の気持ちを全部受けきる勇気がないのだ。
半年程前に別れた彼女Bがいた。ちょうど去年の今頃から半年間、付き合っていた。
たんなる寂しさだったのかも知れないと今になって思うことがある。
ずっと引きずっている以前の彼女Aと比較していまう自分がいた。
一緒にいる自分を責めた。結局は明確な理由も告げず、別れた。
『そうなんだ』と思った。
自分が欲している彼女Aは別れる時の彼女だった。
今、会ったとしても。。連絡を取れたとしても。。もう違う彼女Aなのだと。
思い出は時に壮大なスケールを描く。キャンパスに入りきらないくらい、たくさんの思い出を詰め込む。
けど、思い出も残酷なのだと感じた。その思い出の女性から抜け出せないでいる自分がいた。
そう、あれはあれで終わったんだ。
あれは良い思い出だった。
最初から分かってたんだ、気づいてたんだと。。。
気づかないフリをし、目の前を見ず、ただ逃げていただけなんだと。。。
欠伸なのかなんなのか、瞳が涙で潤んだ。
明日、目が覚めたら、一歩前へ歩き出せる気がした。
煙草に火を点ける。
ゆっくりと吐き出した紫煙が、思い出を包み込んで鍵をかけた。
~Fin~