遺伝と性格 パート3 終 | CLUB KANA -クラブカナ-

遺伝と性格 パート3 終

リアル・クラブカナのプライベートパーティー。

昨日は、35人の人が集まってくださいました。
みなさま、ご来店ありがとうございました。

ギャル最高。ヲタも最高 (・∀・)

今度は東京でやりたいです。


そんなこんなで、「遺伝」の続きです。


-家族と一緒-


前回までは、「自分も家族と同じ病気になったらどうしよう」

という不安の話をしていましたが、最後は、逆の問題について。


「私だけ、家族とちがうの?」という悩みです。


たとえば、精神的なトラブルが現れる場合、全員健康な家族のなかで、一人だけ精神障害を持つ患者さんは、たくさんいらっしゃいます。

そんな方は、自分をとても責めてしまい、家族もそれを隠そうとする場合があります。

反対に、家族が理解しても本人が病気を認めないケースもたくさんあります。

私の患者さんでも「自分だけ、家族と違う事」を落ち込む方がたくさんいらっしゃいました。
やっぱり、家族と一緒でありたいと思う気持ちは強いのですね。

「お母さんだけには、絶対に似たくない。」と強く願っていても、大人になると、似てしまうケースもあったりするのと同じです。


そんなことをふまえて考えると、ご家族の方が優秀であればあるほど、精神病を持ったことを自分のアイデンティティーとして確立するのは難しいのかもしれません。


昔から「カナちゃんの家族って、みんなで漫才してるみたいだね」

とよくいわれますが、なんだかんだいっても、私の家族は全員一致でお笑い系(しかも汚れ芸人)です。

上も下もなくて、平等で平和。

バカ万歳。

だから、もし一人だけものすごく天才で、まじめで、お笑いが嫌いな性格だったら、その頭のよさを理解できないこの家族にいるのは辛いですよね。

ある意味、ペンギン村に住む常識のある人間状態。


家族は、私達にとって、ものすごく大切なものです。

病気によって壊されるよりも、それによってより強くつながるのが本当の家族ではないかと私は思います。


私の患者さんで、ご両親や双子のお姉さんは社会でご活躍されてるけど、自分だけ精神分裂病を持った女の人がいました。

カウンセリングを行った時、彼女は自分のことを「スケープゴート」と呼びました。

スケープゴートとは、象徴的に罪を負わされ、いけにえにされたヤギのことです(可愛そう・・・)

つまり、彼女は自分のことを

家族の悪を全て背負い、身代わりに罪をつぐなう人

と呼ぶのです。

家族カウンセリングをしたとき、そのお姉さんとお話したのですが、「妹には、どうしても治ってもらわないと困る」という姿勢で治療に望んでおられました。
これでは、彼女はもっと自分を責めてしまいます。

精神病の治療において、家族の協力はとても大切です。

でも、それ以上に大切なのが「理解」なのです。

性格には、遺伝するものも、しないものもあります。

生まれつき持ってる性格も、環境で作られる性格も、どれもが「自分」をつくる大切な大切な個性。

家族がみんな健康なのに、突然入院する方がいらっしゃるように、家族が元気なのに、突然精神病になってしまう人だって当然います。

例えば、世間の理解の少ない精神分裂病になる原因は、様々なものがありますが、私は遺伝説よりも、ウイルス説を信じたほうが、患者さんやご家族の気持ちが楽になるのではないかと思います。

ウイルス、つまりどうにも出来ないもので精神病になったとしたら、ご両親はご自分を責める必要はありませんし、患者さん本人も、罪悪感を感じなくてもいいのではないでしょうか。

この例は極端ですが、ただ、遺伝というものに恐れを感じないで欲しいのです。

遺伝は可能性、でも全てではない。

両親と同じ精神病を持つとは限らない。

さらに、家族で一人だけ精神病になったからといって、家族と違う事はないのです。

家族の中にも、個性はあるのです。その、あなただけの個性を、そしてあなたのご家族の個性を大切にしてあげてください。



そんなわけで、遺伝と性格のお話、お開きです。

いつも、ご来店ありがとうございます。