くにたち兼松講堂音楽の森コンサート『伊藤恵 ベートーヴェンを弾く』 | クラシック♪インド部のブログ

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西洋クラシック音楽とインドというどうにも関係のなさそうな二つの事柄を中心に語るフリーライター&編集者、高坂はる香のブログ。
ピアノや西洋クラシック音楽とインドというすばらしい文化が刺激しあって何かが生まれる瞬間を妄想しています。

この企画は、ベートーヴェンの生誕250年に向けていち早くスタートしたプロジェクトです。
ベートーヴェン生誕250年! そんなのがもうすぐ来るの!? とお思いのあなた。
……生誕250年は2020年です。
そう、8年後。

主催の一橋大学OB「如水コンサート企画」は、気が早い(早すぎる)。
いやっ…そこは、流行を先取りしてるといってください。実際そうですから。


『ピアニスト・ベートーヴェン、ウィーンデビュー!』
ベートーヴェン生誕250年(2020)プロジェクト Vol.2
伊藤恵が、ピアノの名手としてウィーンの聴衆を魅了した若き作曲家ベートーヴェンの傑作を弾く!


2012年11月25日(日) 13:30開場 14:00開演

ピアノソナタ第2番 イ長調 Op.2-2
ピアノソナタ第8番 ハ短調「悲愴」 Op.13
悲劇『エグモント』序曲 Op.84*
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調Op.15*
*【管弦楽】高井優希指揮 兼松講堂ベートーヴェン・プロジェクト管弦楽団


電話申込み:コンセール・プルミエ 042-662-6203 (月~金10:00~18:00)
主催:ボランティアチーム如水コンサート企画



主催者の「人並み外れた流行の先取り感覚」はさておき、
伊藤恵さんのベートーヴェン、それもピアノソナタを聴くことができるのは、実はとても貴重な機会です。
悲愴という有名曲はともかく、初期のソナタ第2番などはとくに!


そんなわけで、先日、当日配布のプログラムに載せる「コンサートの聴きどころ」を伺うべく、
伊藤恵さんにインタビューをしてまいりました。


ベートーヴェンの作品、伊藤恵さんは協奏曲や室内楽で頻繁にすばらしい演奏をされています。
かつてミュンヘンコンクールに優勝し、シューマン、シューベルトに取り組んでこられたことを考えても、
得意のドイツものとしてベートーヴェンのソナタ「全曲」に取り組まれてもまったく不思議ではない。
しかしなぜ、これまでベートーヴェンのソナタに本格的に取り組むという気配がなかったのか…?


「大事にとっておかれているのですか?」


ソナタを演奏しているところをあまり見かけないということに気がついた

とある「如水コンサート企画」のドンが、
遠まわしに、しかし単刀直入に伊藤恵さんにきりこみました。


我々のそんな疑問に伊藤恵さんが朗らかな笑顔で返した、
しかし音楽家としての厳しさの色濃く滲む発言が、強く印象に残っています。


「ベートーヴェンのソナタ32曲には、地球上で起きているありとあらゆることがすべてつまっています。
 リサイタルがあるからちょっと弾こうというわけにはいかないんですよね。
 滝にでもうたれて身を清めてからじゃないとできないようなものを、音楽が要求するんです。
 お前はちゃんと生きているか? そう毎日問われるわけで……

 もう、すみません!! っていう感じよ~(笑)」


そうして豪快に笑う伊藤恵さんが、またカッコイイ!
プログラムについて、またベートーヴェンへの理解について語っていただいたインタビューは、
11月25日の演奏会まで、

このブログで何度かにわけてご紹介していく予定ですので、ぜひチェックしてください。
当日の演奏がより興味深く感じられるかもしれません。


ちなみに、一橋大学構内にある兼松講堂は昭和2年に建立されたロマネスク様式の建物で、
2003~2004年に大改修がおこなわれ、

永田音響設計の音響設計でコンサートにもぴったりの会場に変身しました。
卒業生などの募金により購入された新しいスタインウェイピアノも入り、
ピアノを聴くにはピッタリの空間です。


日本のいわゆる完璧な音響&空調のホールとは一味違う、
ヨーロッパの伝統的なホールで聴いているような、とてもナチュラルですてきな響き。
「怪物の棲む講堂」 という通称もあるほど。


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天気がよければ木々が色づく一橋大学構内の庭も散歩できますので、
未体験の方はぜひこの機会に!




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