「…やべ」

すがすがしい朝。そしてすがすがしい程の遅刻フラグ。いやフラグというか、遅刻確定。
なんだって大事な日に限っていつもアラームは役に立たない?

急いで身支度をする。
しゃれた服を選ぶことも、少し時間をかけて髪を整えることもできない。
どうしていつもこうなってしまうんだろうか。

「電車……ダッシュでいけば、なんとか…!」

ここで走らなくていつ走る?
とにかく全速力で、駅に向かう。
自転車のおばさんと張り合ってしまっても気にしない。
踏切のゴールテープが見えた!見えた?

「~~~っ」

かんかんかん、という無情な音とともに目的の急行電車が見える。
あー、まじでついてない。遅刻から、大遅刻確定。
次の電車は…15分後!?しかも各駅停車。

仕方なく携帯を出してメールする。「ごめん遅れる」…返事、なし。
当たり前といえば当たり前、だけど。
気が急いて、でも足取りはだんだんと重くなっていく。

各停電車に揺られながら、返信を待つ。
来ない、来ない、来ない。
しかも、気付いてしまった。
今日のために用意した、今日渡さなければ意味のない、大切なプレゼントを、玄関に置き忘れてきたこと。

…厄日、決定。

「――ごめんっ」
最大限の努力の結果、30分遅刻。
寒空の下待たせた相手に平謝り。顔を覗き込んで、伺う。

「怒って…る?」
「る」

一文字ですか。そりゃそうだよな…。

「…去年も一緒で、遅刻だったよ。やっぱりプレゼントも後日渡されたし。でも去年は一時間待たされたから、ちょっと進歩したね?」
笑いながら、君が言ってくれた。

少し短気で、子供っぽいところもあるけれど、いつも許してくれる。
…まあ、大概の場合怒らせたりすねさせてしまう原因はこちらにあるけれど。


「…プレゼントも、去年より期待してくれていいよ」
「あ、言ったな。…じゃ、期待しちゃおっと」


何年たってもだめな僕と、いつまでも優しい君の日常茶飯事。
来年は、絶対時間通り、忘れ物しない。自分に誓う。

でも、もしかしたら。
…待ち合わせなんてしなくても、一緒にいられる日も、そう遠くはないかも。


……………
久々に書いたぞー。甘っ甘。ご無沙汰だそーこんな生活←
でも最近気づいてしまったのです、一人嫌いじゃないって。うん。
あの、強がりとかじゃなく(笑)

すごい可愛い男性だなこれ。多分こんな人いたら猫っ可愛がりです。そして相手の女性はそうなんだろうな。
でもこれやって許されるのは、ある程度の信頼と下積まれた男前さとかもろもろがないとだめだと思うので、そこはあしからず。