2010年。「パラノーマル・アクティビティ第２章/TOKYO NIGHT」製作委員会。
長江俊和監督・脚本。
この映画は現在アメリカのボックス・オフィスで第１位になっている大ヒット中の『パラノーマル・アクティビティ２』（来年２月に公開予定）とは別の日本版のオリジナル作品だが、一応正式な続編ではあるらしく、オープニングで、第１作目の『パラノーマル・アクティビティ』に基づいている、とクレジットされている。
『放送禁止 劇場版』シリーズなどを演出した長江俊和監督なので、どういう風になっているのかは、だいたい予想できてしまうが、（『放送禁止 劇場版』シリーズは実際にそれほど面白いと思ったことがなかった。）、
『パラノーマル・アクティビティ』という枠を借りて、あの作品があまりに何も起こらない時間が長かった（そこが良かったのだが）点を踏まえていたのかどうか不明ながら、
意外にも、よりエンターテインメント作品らしく、次々に怪奇現象が起こり、息つくひまもない娯楽ホラー映画の傑作に仕上げられていた。
この種のフェイク・ドキュメンタリー作品が苦労する部分である、なぜ常にカメラを手に持っているのか、緊急事態になってもカメラを手離さないのはなぜなのか、といったデリケートなリアリティの点は、思いっきりいい加減にごまかされているが、この娯楽度数の高さからすれば、割り切って見ることができるので、特に気になることもない。
単純に面白くてこわいホラー映画で、シネコンの清潔で無機質な空間、整然とした座席の並び、天井は高いにも関わらず閉塞感を感じるなどの特性を考慮にいれて製作されたのかどうかはわからないが、
まさにシネコン向きのホラー映画のお手本みたいに恐ろしいので、オリジナルの『パラノーマル・アクティビティ』と同様に、お化け屋敷に限りなく近いアトラクション映画でもあるので、映画館で見なければ何の意味ももたらさない映画であることには違いない。
公式サイト（日本）
英語だとよくわからなかったが、ドキュメンタリー映画みたいに自然な会話にしようと努力している、状況説明のためのせりふが、ややわざとらしいと感じるところはあった。
主演は人気急上昇中の中村蒼と、ベテラン女優の青山倫子で、ふたりの関係がオリジナル版とは違って、姉と弟だという点が、
最悪の場合は離婚すれば良い夫婦と違って、絶対に離れられない関係である点にホラー度が濃くなっている部分もあった。夫婦というよく知っているようで得体の知れない他人でもある恐怖はなくなっていた。
予備校生でありながら、高級な（？）撮影機材やパソコン設備を多数持っている幸一（中村蒼）は、受験勉強をしている風ではなく、特に怪奇現象が起こってからは、オカルト関連の本ばかり読んでいた。
自宅は３階建てか４階建ての瀟洒な建物で、隣近所が見えなかったし交流もなさそうなので、庭は野球のグラウンドくらいの広さがあったような印象がある。
都内で広大な土地を持って大きな一戸建てに暮らしていることから、相当に裕福な上流階級という設定だったのかもしれない。（細かいことは気にしないでください、という作りなので特に気にはしなかった。）
アメリカ旅行の際に交通事故で両脚を複雑骨折したために、緊急帰国して車椅子生活を余儀なくされた春花（青山倫子）の周辺で怪現象が多発するようになり、カメラマニアの弟が姉の部屋にカメラを設置して怪現象の謎を解明しようとする物語。
次第に恐ろしい存在に見えてくるような気がする青山倫子のホラー演技も見どころになっている。
寝室２部屋、恐怖も２倍、という宣伝コピーだったが、恐怖という点に限れば、１０倍くらいにはなっていたような印象がある。
日本と、キリスト教の概念である悪魔という相容れない存在との対決が描かれるが、ビデオカメラの日付が２０１０年９月と、つい２か月前になっていることから、短期間で製作された荒っぽいシナリオに基づいた作品であることもあり、深い意味を追及してはならない。
祈祷師の登場によるお祓いのシーンや、友人たちの中にいた、いかにもそれ風の霊感少女の登場をユーモアとみて楽しむか、白々しいと感じてさめてしまうかは、判断がわかれる場面かもしれない。
明らかに続編を作る気だと思われるラストシーンには、ちょっと笑った。
画面の質感が富永昌敬監督の初期の作品（具体的には『亀虫』）にちょっと似ている。実際に富永昌敬監督に演出を依頼して、本当に最後まで何も起こらないホラー映画を作ってもらったら、面白いかもしれない、と思ったりもした。
長江俊和監督・脚本。
この映画は現在アメリカのボックス・オフィスで第１位になっている大ヒット中の『パラノーマル・アクティビティ２』（来年２月に公開予定）とは別の日本版のオリジナル作品だが、一応正式な続編ではあるらしく、オープニングで、第１作目の『パラノーマル・アクティビティ』に基づいている、とクレジットされている。
『放送禁止 劇場版』シリーズなどを演出した長江俊和監督なので、どういう風になっているのかは、だいたい予想できてしまうが、（『放送禁止 劇場版』シリーズは実際にそれほど面白いと思ったことがなかった。）、
『パラノーマル・アクティビティ』という枠を借りて、あの作品があまりに何も起こらない時間が長かった（そこが良かったのだが）点を踏まえていたのかどうか不明ながら、
意外にも、よりエンターテインメント作品らしく、次々に怪奇現象が起こり、息つくひまもない娯楽ホラー映画の傑作に仕上げられていた。
この種のフェイク・ドキュメンタリー作品が苦労する部分である、なぜ常にカメラを手に持っているのか、緊急事態になってもカメラを手離さないのはなぜなのか、といったデリケートなリアリティの点は、思いっきりいい加減にごまかされているが、この娯楽度数の高さからすれば、割り切って見ることができるので、特に気になることもない。
単純に面白くてこわいホラー映画で、シネコンの清潔で無機質な空間、整然とした座席の並び、天井は高いにも関わらず閉塞感を感じるなどの特性を考慮にいれて製作されたのかどうかはわからないが、
まさにシネコン向きのホラー映画のお手本みたいに恐ろしいので、オリジナルの『パラノーマル・アクティビティ』と同様に、お化け屋敷に限りなく近いアトラクション映画でもあるので、映画館で見なければ何の意味ももたらさない映画であることには違いない。
公式サイト（日本）
英語だとよくわからなかったが、ドキュメンタリー映画みたいに自然な会話にしようと努力している、状況説明のためのせりふが、ややわざとらしいと感じるところはあった。
主演は人気急上昇中の中村蒼と、ベテラン女優の青山倫子で、ふたりの関係がオリジナル版とは違って、姉と弟だという点が、
最悪の場合は離婚すれば良い夫婦と違って、絶対に離れられない関係である点にホラー度が濃くなっている部分もあった。夫婦というよく知っているようで得体の知れない他人でもある恐怖はなくなっていた。
予備校生でありながら、高級な（？）撮影機材やパソコン設備を多数持っている幸一（中村蒼）は、受験勉強をしている風ではなく、特に怪奇現象が起こってからは、オカルト関連の本ばかり読んでいた。
自宅は３階建てか４階建ての瀟洒な建物で、隣近所が見えなかったし交流もなさそうなので、庭は野球のグラウンドくらいの広さがあったような印象がある。
都内で広大な土地を持って大きな一戸建てに暮らしていることから、相当に裕福な上流階級という設定だったのかもしれない。（細かいことは気にしないでください、という作りなので特に気にはしなかった。）
アメリカ旅行の際に交通事故で両脚を複雑骨折したために、緊急帰国して車椅子生活を余儀なくされた春花（青山倫子）の周辺で怪現象が多発するようになり、カメラマニアの弟が姉の部屋にカメラを設置して怪現象の謎を解明しようとする物語。
次第に恐ろしい存在に見えてくるような気がする青山倫子のホラー演技も見どころになっている。
寝室２部屋、恐怖も２倍、という宣伝コピーだったが、恐怖という点に限れば、１０倍くらいにはなっていたような印象がある。
日本と、キリスト教の概念である悪魔という相容れない存在との対決が描かれるが、ビデオカメラの日付が２０１０年９月と、つい２か月前になっていることから、短期間で製作された荒っぽいシナリオに基づいた作品であることもあり、深い意味を追及してはならない。
祈祷師の登場によるお祓いのシーンや、友人たちの中にいた、いかにもそれ風の霊感少女の登場をユーモアとみて楽しむか、白々しいと感じてさめてしまうかは、判断がわかれる場面かもしれない。
明らかに続編を作る気だと思われるラストシーンには、ちょっと笑った。
画面の質感が富永昌敬監督の初期の作品（具体的には『亀虫』）にちょっと似ている。実際に富永昌敬監督に演出を依頼して、本当に最後まで何も起こらないホラー映画を作ってもらったら、面白いかもしれない、と思ったりもした。
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