2009年。アメリカ。"The Break-Up Artist".
  スティーヴ・ウー監督。
 日本未公開映画のDVDストレート作品で、何カ月か前には『そんな恋ならやめちゃえば』という似たようなパチもん扱いの作品が『それでも恋するニューヨーク』と一緒に出されたばかりだった。
 ただし、どの作品も元のタイトルは全く違うもので、ヒット作便乗商品というわけではなく、DVD販売会社が無名のキャストばかりの映画を何とか売ろうとして考えついた苦肉の策だろう。

 この映画はオープニングのシークエンスが『そんな彼なら捨てちゃえば』のパクリっぽい子ども時代の場面から始まり現在につながるあたりからうさんくさいものだったが、
 主人公が親友二人と共同で『別れさせ屋』を経営している、という設定はサラ・ジェシカ・パーカーとズーイー・デシャネル共演の『恋するレシピ~理想の男の作り方~』をまねしたようなもので、安易な脚本の作りにがっかりしていると、その後の展開には意外とオリジナルなものがあって、そこそこの楽しさはあった。
 しかし、どこかで見たような場面やせりふのやりとりだけなので、見ても見なくてもどうでもいい作品であることには違いない。

 主演は次回作がザック・エフロンと共演の『チャーリー・セント・クラウド』(『セヴンティーン・アゲイン』路線の映画だと思われる)が製作中の期待の新人らしいアマンダ・クルーで、この作品を見る限りでは特に印象に残るような魅力は感じとれなかった。
 地味でしっかり者というキャラクターには合っている。
       IMDb
映画の感想文日記-break-up1
 子どもの頃に育った環境のせいで愛を信じない女となったブリトニー(アマンダ・クルー)は、親友二人と『別れさせ屋』を経営している。
 直接別れの言葉を言いたくない恋人たちに代わって別れの言葉を告げに行くだけの仕事で、果たしていくらくらいの料金なのか謎だったが、需要が多くて多忙なのも不思議だった。
 物語はほぼ独占市場だった『別れさせ』業に新規の業者リック(ピーター・ベンソン)が参入してきたことから起こるドタバタ騒ぎを描いたもので、リックとブリトニーが最後に結ばれて終わりかと思ったら、予想外の展開(わかりやすい伏線の場面があるのでそうでもない)を見せる。
映画の感想文日記-break-up2
 お金持ち好きな姉のアシュレー(セリンダ・スワン)の新しい恋人は、お金を持っていそうには見えない美術教師のマイク(ライアン・ケネディ)だった。
 案の定、すぐに姉からマイクに別れましょうと言っておいて、と頼まれたブリトニーだったが、マイクは自分にとっての女神であるアシュレーを失いたくないので、アシュレーにふさわしい男に自分を改造してくれ、とブリトニーに依頼する。
 ライバル業者のリックに顧客を奪われて経営不振におちいっていたブリトニーは仕方なくマイクの依頼を引き受け、心やさしいマイクにアシュレーの好みであるリッチで女を冷たくあしらう男のふりをさせる。
映画の感想文日記-break-up3
 マイクとブリトニーとは、アシュレー攻略作戦を共同で行ううちに次第にひかれ合ってゆくのだった。
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