1952年。Universal. "HAS ANYBODY SEEN MY GAL?".
ダグラス・サーク監督。
 ロック・ハドソンとダグラス・サークとが初めて一緒に仕事をした、哀愁ただよう人情喜劇風のミュージカル恋愛コメディ。
 歌って踊る場面は多くはないが、ドイツ時代に音楽映画を数多く作っていたらしいサーク監督の演出は手慣れた印象を受ける。パイパー・ローリーが歌う『ねえ、ちょっとキスしてよ。』や、ドラッグ・ストアでの歌とダンスは面白い。

 身寄りのない独身の大富豪フルトン(チャールズ・コバーン)は、死期が近いことを悟って、初恋の相手で、プロポーズしてふられた今は亡き女性の家族を相続人として選び、全財産をゆずることにしたが、
 家族が心の美しい人かどうかを確かめるために、身分を偽って、亡き女性の夫が経営するドラッグストアの店員になって、家族の様子を調べることにした。
 ためしに10万ドルが銀行に誰かから振り込まれたということにして、家族の反応をうかがうことにした。

 ところが、10万ドルの大金を手にして(現在の貨幣価値だと3億円くらいだろうか?)のぼせあがった家族は、丘の上に豪邸を購入し、娘(パイパー・ローリー)の恋人だったドラッグ・ストアの店員のダン(ロック・ハドソン)とは、身分が違ってしまったから別れるように言い聞かせ、町で一番の金持ちのドラ息子カールとの縁談を進める。
 その後、いろいろドタバタ騒ぎがあったものの、結局、お金は人を不幸にするだけだという結論になってハッピーエンドとなった。
 ダグラス・サーク監督の作品の中では、特にすぐれたものではないが、ラストシーンは陽気な雰囲気の中にも、やがて死を迎えるだろう孤独な老人の去りゆく姿が、哀愁がただようにも見えて、余韻が残る。
   IMDb
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 ミリー(パイパー・ローリー)とダン(ロック・ハドソン)は相思相愛の恋人同士だったが、母親(リン・バリー)は、ダンの収入が少ないことを理由に反対していた。
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 美しいリンを誘惑する、町で1番の金持ちの息子カール(スキップ・ホメイヤー)、しかしリンはカールには何の興味も示さない。
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 ドラッグ・ストアの店員になった大富豪フルトン(チャールズ・コバーン)は、ダンに仕事の要領を教えてもらい、気さくで心優しいダンとリンとの交際がうまく進展するように影で応援するようになる。
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 10万ドルを手にしたリンの家族は、豪邸を購入し、高級ブランドの衣装を次々に買ったりして浪費を重ね、パーティーに明け暮れているうちに、10万ドルを使い果たしてしまう。
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 当時は全く無名の俳優だったジェームス・ディーンがアイスクリーム好きの若者役でちょこっと出演している。
せりふはアイスクリームの注文をするだけの短い一言だけだった。
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 破産した家族は元の小さな家に戻り、貧しいながらも幸福を手に入れる。それを見届けた大富豪フルトンは、金は人を幸福にはしないことを知って、静かに去ってゆく。
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