2005年。StrandRekeasing. "ELLIE PARKER".
スコット・コフィ監督・脚本・撮影。
ナオミ・ワッツ、チェビー・チェイス、キアヌ・リーヴス、スコット・コフィ、その他出演。

 ハリウッドにスターを目指してやって来たが、なかなか芽が出ない女優エリー・パーカー(ナオミ・ワッツ)の悲惨な生活のようすを描いた物語。
 すべて手持ちのビデオカメラでの撮影で、ドキュメンタリーぽさを狙ったのか、予算の都合なのか、粒子の粗いビデオ映像のなかで繰り広げられる、
 ナオミ・ワッツ演じる、年齢的にも厳しくなってきたにもかかわらず、オーディションに落ち続けるエリーの、かなり神経症の傾向があるキャラクターを見ていると、意味もなくむかついてくる。
 毎日いくつものオーディションをかけもちし、だらしないボーイフレンドと同棲しながら、ドラッグやアルコールにも依存して、行きずりの男とファックするという生活は、ほとんど売春婦と差がないように見える。
 おそらくハリウッドにはこういう女性が山のようにいるのだろうが、そういうものをわざわざ見せつけて、この監督は何をしたいのかというと、おそらく自分でもわかっていないような印象がある。
 エリー・パーカーの姿は、この監督自身のものなのだろう。
    公式サイト(日本)
 IMDb
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すでに『キング・コング』や『マルホランド・ドライブ』で一流女優の一員となったナオミ・ワッツが無名の女優を演じるというのは、ちょっとずるいような気もする。
 しかし、30歳すぎてブレイクした自分の無名時代のエピソードもかなり反映されているのかも知れない。
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 アクターズ・スタジオ方式のメソッド・トレーニングのばかばかしさを強調するような場面。監督かナオミ・ワッツは、このトレーニングで、よほど嫌な目にあったのだろう。実際にこれは相当ばかげた訓練だと思われる。
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ドラッグとアルコールで意識を失った翌朝、なぜかゲイの男性(監督のスコット・コフィ、実際にゲイっぽいキャラクターだった)とベッドをともにしている。
 スコット・コフィとナオミ・ワッツは『マルホランド・ドライブ』の撮影中に友人になって、この映画が実現したらしい。当然、ナオミ・ワッツがプロデューサーのひとりになっている。
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 サンダンス映画祭での出演者たち。なぜか審査員特別賞を受賞している。どう見ても、それほどの作品には思えなかったが、シアトル国際映画祭でも作品賞・主演女優賞を受賞。
 私には見えないすぐれた何かがこの作品にはあるのかも知れない。
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ナオミ・ワッツ プレイズ  エリー・パーカー
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