2005年 日本


メゾン・ド・ヒミコ


出演】

オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯


【あらすじ】

わけあって借金を抱えてしまい、昼はしがない会社の事務員、夜はコンビニのバイトをして働く24歳の沙織は、いっそ風俗ででも働こうかと思い悩んでいる。身近に気になる男性もいるが、ままならず。そんなある雨の日、彼女のもとに若くて美しい男が訪ねてくる。青年の名はは岸本春彦。春彦は、沙織の父が癌で余命幾ばくもないと言い、父の経営する老人ホームを手伝わないかと誘う。沙織の父・照雄は幼い沙織と母親を捨て、ゲイバー「卑弥呼」の二代目を継ぎ、そして今は神奈川県の海岸近くにゲイのための老人ホームを作ったというのだ。そして春彦は、父の恋人だった。父を憎み、その存在さえも否定してきた沙織だが、破格の日給と遺産をちらつかされ、老人ホームの手伝いに行くことを決意する。翌日曜の朝、沙織はおそるおそる老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」の門をくぐる。プチ・ホテルを改装した洒落た建物には、個性的な住人ばかりが暮らしていた。




退屈感のないロード・ムービー




(常時ネタバレ発信中)




ジョーが文句無しにカッコイイ。 あるシーンで、ジョーの上半身裸のシーンが映るんですけど、これがまた(笑)。 ちなみに後姿ではあったんですけどステキすぎる。 顔が小さいわりに意外と身体がガッチリしているのでイイ身体してます(笑)。 ついでにジョーのキスシーンにもドッキドキでした。


この作品が退屈しなかった訳は、所々に組み込まれた”笑い”。 住人のキャラはもちろんですが、柴咲コウのブスキャラも負けてない。 注目すべきはルビーというゲイを演じたジイサマですかね~、ナイスキャラでした。 何だか知りませんが笑えるシーンが多いんです、意外に。

あとは70年代?を思わせるようなダンスフロアでジョーや柴咲コウ、客が一斉に踊るシーンなんかも良かったです。 選曲もいい具合に古臭くて踊りも古い。 ジョーの踊る姿なんて滅多に見られないのでチェック。


ゲイである春彦と恋人の娘である沙織が惹かれあっていったり、互いに不器用ながらも卑弥呼と沙織の関係が少しずつ変化していったり、始めはゲイを毛嫌いして軽蔑していた沙織の心に起こる変化などという、男女関係・親子関係というものではない人と人とが向き合っていく様が描かれています。


見どころが多いというか、全てが見どころみたいなものなので語るより観て欲しい作品です。


ゲイとは言え、卑弥呼のように女性と愛し合い結婚し、子供を残す人もいる。 人を好きになることに理屈なんていうのは存在しないはずなのに、同性愛者は今も差別対象とされています。 ゲイだから女性を愛さないなんて言いきれないし。 好きになった相手がたまたま同性だった・・・だけなんですよね、きっと。


いつも冷やかしに来ていた中学生が数人居たんですけど、春彦がいい加減キレて、「次にやったら殺すぞ」とマジ顔で言ってから来なくなったんです。 そして数日後、その少年がやってきて老人ホームの手伝いをさせて欲しいと言うんです。 どんな心境の変化だったんでしょう? ・・・さては芽生えたんですか?という謎が少し残りました(笑)

あと、セックスを試みた春彦と沙織ですが結局はあの時春彦の中にまだ足りないものがあったんでしょうか、しないまま終わってしまったんです。 てっきりヤッてしまうとばかり思ってたんで拍子抜けしましたけど・・。 それがショックだったのか沙織は勢いで会社の専務(西島秀俊)とヤッてしまうんです。 その話を専務から聞いた春彦は、「お前じゃなくて、専務が羨ましいよ」とポツリ。 あの時沙織を抱けなかったことを後悔していたようです。

最後、沙織が戻ってくると春彦が、「チューしていい?(笑)」と言うんですが・・・あのあと2人はどうなったんだろうな~?という謎がこれまた残りました。 


春彦と沙織のキスシーンなんですが・・・とってもドキドキしてしまいました(笑)


出演者それぞれの心情がよく表れていました。 それぞれが個性のある役柄だったというのもありますけど、それだけではダメだと思います。 ジョーの演技力はもう何も言うことありませんけど、柴咲コウも負けてなかったですね~演技上手いと思います。


先ほど書きましたが、私のレビュー読むより観て欲しいです(笑)


DVD欲しいな~と思わせるぐらい良かったです。