2008年 アメリカ 〔ドラマ〕 97分

○監督 : ロブ・ライナー

○出演 : ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン、ショーン・ヘイズ、ロブ・モロー、ビバリー・トッド ほか



≪あらすじ≫

自動車整備工のカーターと

実業家で大金持ちのエドワードが

入院先の病院で相部屋となる。

方や見舞いに訪れる家族に囲まれ、

方ややって来るのは秘書だけという2人には

何の共通点もなかった。

ところが、共に余命半年の末期ガンであることが判明し、

カーターが死ぬ前にやっておきたいことをメモした

“棺おけリスト”を見つけたエドワードは

リストの実行を持ちかける。

2人は周囲の反対を押し切って冒険の旅に出るのだった。

(quotation from goo映画)



≪レビュー≫★★★☆☆(※少しネタバレあります)

境遇も性格も対照的、唯一見付かった共通点は「余命6か月」

というエドワード(J・ニコルソン)とカーター(M・フリーマン)2人の、

“The Bucket List”(=棺おけリスト)の項目実行の旅と

友情を描いています。


これはもう、予想通りの良い作品でした。

何といっても、主演の2人がたまらなく魅力的です。

ともに現在72歳のジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンは、

エドワードとカーターというキャラクターをしっかり自分のものとし、

抜群の存在感ながら、とても自然な演技でした。

ジャックお得意のアドリブもあり、息の合ったところを見せてくれます。


そんな2人が、束の間の小康状態を得て出掛ける冒険旅行は

荘厳で、遊び心もあって、旅を楽しむパワフルな彼らに

こちらが元気づけられたような気がします。

専用ジェットでめぐる、フランス、インド、中国、香港、

エジプト、ヒマラヤ、アフリカの旅は、

彼らの人生を祝福するかのような輝きに満ちていて、

特に、インドのタージ・マハルの美しさは息を呑むほどでした。


また、個人的には、エドワードと秘書トマス(S・ヘイズ)の

やりとりもかなり好きでした。

エドワードは一見孤独ですが、トマスとの間には確実な絆と

お互いへの敬愛の念が見てとれ、微笑ましかったです。


旅を終えた彼らが帰る家は、

あたたかいオレンジに包まれ、大勢の家族に囲まれたウッド調、

寒々しいブルーが覆う、1人ぼっちのモダンなコンクリート造りと

まさに対極にあったものの、

最終的に行き着いた場所は2人の人柄と関係性を

よく示していて、とても素敵でした。


会話の折々にカーターが織り込む豆知識も楽しく、

映画を観ながら世界中を旅し、なおかつちょっとした知識まで得られて

満足感のある作品。

香港のバーでのカーターのそれを始め、

年を重ねた彼らならではの渋く重みのあるセリフが光り、

「棺おけリスト」の実行も最後まで上手く魅せてくれ

4寄りの★3つです。



<公式サイト>

http://wwws.warnerbros.co.jp/bucketlist/