2008年 日本 〔サスペンス〕 128分
○監督 ： 西谷弘
○原作 ： 東野圭吾
○出演 ： 福山雅治、堤真一、松雪泰子、金澤美穂、柴咲コウ ほか
≪あらすじ≫
天才物理学者・湯川教授が
生涯で唯一天才と認めた男・天才数学者の石神哲哉は、
娘と2人で暮らす隣人・花岡靖子に淡い思いを抱いている。
ある日、靖子の元夫・富樫が死体となって発見された。
離婚後も何かと靖子たちに付きまとい、
どこへ引っ越しても現れては暴力を振るっていた富樫。
元妻である靖子が容疑者として捜査線上に上がるが、
彼女には完璧なアリバイが存在していた…。
（quotation from goo映画）
≪レビュー≫★★☆☆☆
ＴＶドラマでヒットした「ガリレオ」シリーズの映画化。
原作は、直木賞を受賞した東野圭吾氏の同名小説です。
東野氏の著作はほとんど読破していて、
この原作も発売直後に読んだ記憶があります。
ドラマは最初乗り気でなかったものの、
気付いたらほとんど逃さず観ていました。
なので、結構楽しみにしていた作品ですが、
映画館までは行かなくていいかな？
と、DVD化を待っていた次第です。
この作品は、これまでの「論理的思考」一辺倒の
物理学者・湯川教授（福山雅治）が
科学的知見から新米刑事・内海（柴咲コウ）に
事件解決の糸口を提示するというものではなく、
人間・湯川学が描かれているのが特徴です。
というのも、彼が唯一天才と認める友人、
石神（堤真一）が事件に関わっている気配があるからで…。
ということで、率直な感想は、
あの分量の内容を2時間にするとこんなものかな？
というのと同時に、それなりにはうまく作られているかな
という感じです。
結末が分かっているので、
徐々に全容が判明するクライマックスに
ドキドキすることはありませんが、
あれを映像化するとこんなふうなのね、という視点で楽しめました。
しかし！いかんせん、キャストがイメージと
全然違うのです。
冴えない極みの石神に堤真一って
まぁ、色々な事情があるのはわかるんですけどね。
でも、粘着質な話し方なんかは良かったし、
演技力もあって終盤は結構馴染んできたかな？
あとは、富樫（長塚圭史）、工藤（ダンカン）が
なんか違うなぁと思いました。
ただ、重要な役どころ、花岡靖子（松雪泰子）が
光っていたのが救いです。
母子家庭で質素ながら堅実に生活していて、
キレイなんだけれど、どこか薄幸そうな雰囲気があり…
というのがぴったりきていました。
工藤から写真と手紙を見せられたときの表情なども
とても良かったです。
誰かを心底愛したとき、人はここまで究極の行動が
とれるのだと、驚き、胸がしめつけられます。
それが絶対的に正しくない行いだとしても、
石神にとって、花岡親子は生きる希望だったのですから…。
原作を読んでいない方にとっては、
予想だにしない結末も含め
なかなか楽しめるのではないかと思いますが、
色々思い入れのあった自分にとっては
キャストや個々の人物の心理描写に物足りなさが残り、
★2つです。
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