2008年 スペイン=フランス=アメリカ 〔ドラマ〕 132分

○監督 : スティーヴン・ソダーバーグ

○出演 : ベニチオ・デル・トロ、デミアン・ビチル、サンティアゴ・カブレラ、エルビラ・ミンゲス ほか



≪あらすじ≫

1955年、貧しい人々を助けようと志す

若き医師のエルネスト(チェ)・ゲバラは、

放浪中のメキシコでフィデル・カストロと運命的な出会いを果たす。

キューバの革命を画策するカストロに共感を覚えたチェは、

わずか82人で海を渡り、キューバ政府軍と戦うという

カストロの作戦に同意し、

すぐにゲリラ戦の指揮を執るようになる。

チェという愛称で呼ばれ、

軍医としてゲリラ戦に参加したチェ・ゲバラは、

女性と子供には愛情を持って接するのだった…。

(quotation from goo映画)



≪レビュー≫★★☆☆☆

キューバの革命家、チェ・ゲバラ(B・デル・トロ)の半生を描いた

2部作の第1部。

カストロ(D・ビチル)との出会いからキューバ革命の成功までが

描かれています。


これは何というか…評価の難しい作品ですね。

思っていたのとは全然違いました。

抑揚がなく淡々と進んでいく感じで、

詳しく書かれた歴史の教科書を読んでいるような気分になります。


この作品、

1955年、メキシコでのカストロとの出会い

1956~59年、キューバでの戦闘

1964年、ニューヨークの国連総会でのスピーチとインタビュー

という3つの異なる時代と場所の映像が混在しているので、

初めの方はかなり混乱しましたあせる

ただ、1960年代の映像はモノクロで、ほかはカラーなので

視覚的に区別しやすくはなっています。


これを観て心に残ったのは、正直、革命うんぬんより

チェの人柄です。

「真の革命は実際の戦闘ばかりではない。

負傷兵を看るのもその1つだ」とか、

「革命にとって一番大事なのは愛だ」などのセリフ、

暇を見付けては読書する勤勉さ、農民を敬う姿勢、

律儀で正義感に満ちた人となりは、

確かに心に刻まれました。

ソダーバーグ監督がそれを際立たせることを意図して

このような撮り方をしたのかもしれないですし、

事実を忠実に映像化するとこんな具合なのかなという気もし、

だからこそ、ドキュメンタリーのようなリアリティはありました。


作品化を熱望し、自らソダーバーグ監督に話を持ちかけたという

ベニチオ・デル・トロは、さすがにチェになりきっていて、

歴史資料等に見る本人と瓜二つです。

また、戦闘の中進みゆく森林や自然風景が美しいなと感じました。


本作は第2部へ続く序章のようにも思われますが、

これはこれで一定の見応えはあります。

とはいえ、「面白い」と単純に言うことはできないかな?

私の知識不足も関係しているのかもしれません。

『チェ 39歳 別れの手紙』は、いずれ観ようかなというくらいで

ぜひともすぐに!とは思えませんでした…。

ということで、★2つです。


今日レンタルビデオ店で見かけた、

若き日のチェがバイクで南米縦断する

『モーターサイクル・ダイアリーズ』の方が楽しめそうな予感がします。



<公式サイト>

http://che.gyao.jp/