№26
日付:1983/9/13
タイトル:ゴジラ
監督:本多猪四郎
劇場名:テアトル池袋(2006/8/31閉館) 同時上映は「怪獣大戦争」
パンフレット:あり(\300)
評価:-
この年「復活フェスティバル ゴジラ1983」と題して東宝の特撮全10作品が「完全ニュープリント版」でリバイバル上映された。その1発目は当然の事ながらこちらの作品。この翌年の暮れに新作「ゴジラ」を公開する東宝が仕掛けたイベントの一つだった。
「ゴジラ」シリーズをリアルタイムで劇場で観た記憶があるのが「ゴジラの息子」とか「ゴジラ対ヘドラ」あたりの、すっかり子供向けにシリーズ化された頃の作品。当初の怖いゴジラには憧れがありました。
2014年7月19日
NHK BSプレミアムシネマ放送(2014/7/8)分を鑑賞。「60周年記念 デジタルリマスター版」として最近劇場でも公開していたけれど、ほぼ同時期にBSでも放映するのはハリウッド版「GODZILLA」公開を目前に控えゴジラ熱が高まっているから。30年前と状況は一緒だなぁ。
番組の冒頭で、デジタル・レストア版がどれだけ映像を美しく蘇えらせているのかを従来の映像(これがもう酷い状態)との比較で紹介してくれていて、その差は歴然としているのだけれど、上記の「完全ニュープリント版」で用いられたマスター自体がそんなにも傷んでいたという事なのだろうかと別の疑問も残った。
ゴジラの人相(?)の悪い事!(笑)
東京の街を蹂躙するゴジラの凄味。特撮映画としてのリアリティ。生物学者山根博士を演じる志村喬の存在感。天才科学者芹沢の悲劇。伊福部昭の心躍る劇中音楽。そして核をはじめとする"兵器"への明確なメッセージ。
日本の怪獣映画がその後失っていった醍醐味全てが今も鮮烈に息づく怪獣映画の元祖。これが終戦の僅か9年後に作られているというのも恐れ入る。終戦の9年後だからこそ生まれた作品の背景にも胸を打たれる。山根と芹沢の思いは、後の作品に受け継がれること叶わなかった。