映画の記憶・・・と記録-新・午前十時の映画祭

 

№30

日付:2013/10/26

タイトル:ゴッドファーザー | MARIO PUZO'S THE GODFATHER

監督・共同脚本:Francis Ford Coppola

劇場名:シネプレックス平塚 シネマ5

パンフレット:なし(2004年リバイバル公開 時のものはあり)

評価:★★★★★

 

1972年に公開されたこの作品を初めて観たのが32年後の2004年で、それから更に9年。今回はデジタル・レストアされた4Kバージョン。

 

1940年代のN.Y.で"ゴッドファーザー"と呼ばれ裏社会に君臨してきたドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)一家に忍び寄る時代の波。彼が命を狙われたことで10年間保たれた均衡は崩れ抗争へと突入する中、三男マイケル(アル・パチーノ)が立ち上がる。

 

マーロン・ブランドの存在感たるや、「地獄の黙示録」のカーツ大佐の比じゃない。白ひげ海賊団船長のような威厳と迫力。

そして彼のDNAを最も濃く受け継いだマイケル。その才能に気付いているからこそファミリーから遠ざけ、陽の当たる道を歩ませたかった父の願いもむなしく、派閥の領袖としてその手を血で染めてゆく。

 

マリオ・プーゾの原作に基づきコッポラが描く、裏社会でのし上がったイタリア系移民一家の一大抒情詩。40年を経て尚、一切の輝きを失っていない。2時間55分の大作ながら緊張感は持続し、あっという間にエンディングを迎える。

新たな"怪物"の誕生の瞬間をもって本作品は終わりを告げますが、その後の一家の行く末を映像化する決意と手応えはこの時点であったのではなかろうか。初公開から40年以上を経て尚、コッポラ監督の名を映画史に刻む傑作であり続けていました。

 

映画の記憶・・・と記録-THE GODFATHER

 

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