№17

日付:1981/5/8

タイトル:シャイニング | THE SHINING

監督・共同脚本:Stanley Kubrick

劇場名:センターシネマ

パンフレット:あり(価格不明)

評価:-

 

あのスタンリー・キューブリックのホラー作品という事で注目された作品。公開当時は賛否分れていた覚えがあります。要はさすがキューブリック v.s .大して怖くないじゃんみたいな。

 

・・・と思ったら、当時のロードショー誌(1981年3月号)の「ワンポイント映評」を見返すと皆さん高得点。一人だけ(吉田叡子さん)「失敗作では?」と言いながらも点数は高い。おすぎとピーコさんもベタ褒めだったし、評論家受け良かったんだ。

私は後者でした。それでも"All work and no play makes ・・・・"のくだりには背筋が凍った記憶が・・・

 

当時はスティーブン・キングの名前はそんなに知られていなかったと思います。 

 

2012年12月8日

WOWOWシネマ(2012/10/31)放送分を鑑賞。

恐怖映画って、下衆に作ろうと思えばいくらでも作れる一方で、格調高く作るのは至難の業。

当時観た際には、ダイレクトなおどろおどろしさもなければ、生理的な恐怖もそれほど感じないこちらの上品な作りに私はピンときませんでした。

 

公開から30年を経て観返すと、結構怖い。映画として怖い。結末知ってても怖がれる。

またこの映画の怖さは、ホラー映画のそれとは別のところにある。NOT"ホラー映画"、BUT"恐怖映画"。実際所謂ホラー的描写のみ陳腐化が著しい。そして加害者役の父親以外の"何物か"が物理的な力を発揮するのは、今も昔もかなりの反則としか私には思えない。

 

正気を失っていくジャックと、ホテルの闇がその利害を一致させた時、一人息子ダニーのシャイニングが惨事を察知する。 

ジャック・ニコルスンにシェリー・デュヴァル、そして息子役のダニー・ロイドの3人が鬼才の要求に見事に応えて恐怖を助長してくれる。意外と少ないキューブリック作品の中で、「さすがキューブリック」と後年も評価され続けるのではないでしょうか。それも結構上位で。それだけキューブリックの映画力が発揮されていると感じます。原作をいいように加工されたスティーブン・キングが怒り心頭なのも良く判る。

基本的にホラー嫌い&キューブリックに何の思い入れもないな私ですが、ブルーレイにダビングしておきたくなった。

 

ラストのボールルームの写真。この取って付けたような思わせぶりな演出は、ホテルにまつわるエピソードがイマイチ重要でない結果なんだか中途半端。深読みするのが面倒臭くなります。

プレミア上映時には付与されていたが公開時には削除されたラストシーンのエピソードといい、監督自身がその辺のプロットをあまり重要視していなかった事の表れのような気もします。

 

映画の記憶・・・と記録-THE SHINING

 

映画の記憶・・・と記録-THE SHINING

 
映画の記憶・・・と記録-THE SHINING
パンフレット

 

私にとって「生理的に怖い」と感じるのは、中田秀夫作品(「WOWOWで「女優霊」を観た時は縮み上がった」)や、Mシャマラン監督の「ハプニング」(めちゃ評判悪いけど)がそれに該当します。もうゾゾゾ~って感じ。