8月21日(土)

この日劇場公開初日の「カラフル」の初回上映を観ていた時の事。


11:45(頃) 

上映が突如中断。「「火災発生!避難して下さい!」の自動音声アナウンス。

ほどなく係員が登場し、「確認中ですのでしばらくそのままでお待ち下さい」。

おそらく1分も経たず再度登場し、「1Fで火災発生した模様ですので、こちらから非難願います!」。

初日とはいえガラガラだった劇場内は混乱する事もなく建物の外へ避難。既に他の劇場の客もかなり避難済みの模様。

11:50(頃) 

建物の外でうろつく客を前に「ただ今状況確認中ですのでしばらくお待ちください。申し訳ありません!!」と若いお兄ちゃんが何度も絶叫。弁えの無い一人のオヤジが係員に向かって罵声を浴びせるも他の客は冷静。

11:55

「火災警報はイタズラだと判明しました。誠に申し訳ありませんでした!!只今より払い戻しを行ないますので、劇場内にお入りください!」

12:00

「(2回のチケット売り場に)二列でお並びください」

12:10

劇場関係者に上映再開予定を訊くと「電源が全て落ちてるので今のところ目途が立っていない」と言われ、「払い戻しは明日以降でも対応してくれますよね?」と念を押し、とっとと帰宅。


昔は上映途中でフィルムが燃え出したりして上映が中断する事もあったりしましたが、こんな形で上映終了になったのは初めての経験です。それもまさに映画のクライマックスで!ヒドイ!!!



こういう場合の危機管理とはどうあるべきか、考えさせられました。

先ず今回のケースで、ベストな対応はどうあるべきだったのかを考えてみました(観客の立場で)。


11:45

上映が突如中断。「「火災発生!避難して下さい!」の自動音声アナウンス。

ほどなく係員が登場し、「確認中ですのでしばらくそのままでお待ち下さい」。

火災発生状況を的確に把握の上、その事実が認められず"いたずら"と判明。各劇場の観客に謝罪の上、上映を再開。入場料は払い戻し。


と出来れば良かったのですが。今回この初動対応でミスを犯した可能性が高いと推測しています。

火災の有無を把握できないまま観客を避難させただけでなく、その後の上映自体を継続不可能な状況にしてしまっている。

実際「誤報」であった事は上映中断後10分で判明してるのだから、そこから速やかに各劇場に客を戻し、上映再開してくれていれば、こちらも後日最初から観直すなんて事をせずに済みました。


11:55

火災警報はイタズラだと判明しました。誠に申し訳ありませんでした!!上映再開いたしますので劇場にお戻りください。尚、上映終了後に入場料は払い戻しさせて頂きます!

合わせて招待券も配布。


これも出来なかった。

ちなみに翌日劇場の方に改めて上映再開できなかった理由を訊いたところ、「そのまま上映を継続していたので元に戻せない状況だった」との事でした。前日の話と食い違っていますが、いずれにしろ上映再開の余地を残せなかったのは、劇場側のこういった不測の事態に対する準備不備、危機管理のお認識の甘さだと私は思います。もちろんそれは劇場単体の問題ではなく、TOHOシネマズ全体の問題です。


また11時55分にいたずらと判明した後、若いお兄ちゃんが上記の説明をした後は、然るべき責任者の方が出てくるわけでもなければ説明責任を果たすわけでもなく、「どうすりゃいいんだ?」的に佇む客への対応は極めて不十分なものでした。


今回の騒ぎに関して、もう一つ非常に問題を感じた点があります。

帰宅するなりTOHOシネマズ小田原のHPを見てみると、何のアナウンスもないままでこの日の上映スケジュールが何も表示されなくなっている。

実は以前も同じような事がHP上で起こっていました。その際にこちらがどう思ったかと言うと、

「HPの不具合?」

です。当然翌日以降の上映スケジュール等を参考にします。

まさかこの日劇場に行ったら上映中止 or 上映時間大幅遅延なんて事が起こっているなんて夢にも思わない。

この辺は実に不誠実。

東宝シネマズ株式会社さん、改善を検討願います。


ちなみにHPの問い合わせサイトからその日の内に2件(HPの件も)苦情のカテゴリで投書しましたが、現時点で何らレスはありません。



ちなみに翌日再度劇場に足を運んだ際の対応はどうだったかというと、


・再度鑑賞という選択をしたので払い戻しはなく、この日は無料で鑑賞

・別途無料招待券(来年1月末期限)を配布

・前日購入した飲み物と食べ物は、この日無料で提供


プラス、窓口の女性も責任者らしき方も平身低頭で謝罪して下さいました。

「交通費も言えば補償してくれたのかな?」とも思いましたが、まぁ最低限納得のいく対応ではないかと。



この建物は1階に料理店が数店舗入ってますので、火災警報に対するケアは重要だし大変でしょう。

ただし、だからこそ上記のような推測の域を出ない「ここまで出来たんじゃないの?」的不信を客が持たないだけの、対応プロセスの可視化と説明責任を負うべきです。


今回の騒動は、1階トイレ脇の火災報知機を不届き者が押したのが原因らしいとの事。

こんな安易に実行可能なイタズラで、これだけの騒ぎになるのだから、劇場側はそれなりのリスクマネジメントが必要なのは明らか。今回は劇場側の対応以上に、本社サイドの不誠実な対応の方が気になりました。


追記:

8月25日(水)、『【東宝WEB担当より】本日の小田原TOHOでの火災騒ぎについての回答を申し上げます』と題してメールで回答がありました。

ただその内容は小田原の劇場支配人に対応を全て丸投げで、「客からのクレーム→クレーム担当が受付け劇場に転送→劇場責任者が対応」の構図らしい。会社としての適切な対応なんてまるで考えていなさそうな内容でした。

(支配人からの回答内容はとても誠実なものでした)


映画の記憶・・・と記録-TOHOシネマズ
口先だけですか?TOHOシネマズさん