珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
著者 深沢哲也  1972年(昭和47年)初版発行



 副題にあるように「ウェスタン通になる101章」を設け、全体章として監督、役者にスポットを当てた第一章「ウェスタン覚書」、西部劇史上名高い人物(ワイアット・アープなど)を解説した第二章「ウェスタン人別帳」、決闘西部劇映画を取り上げた第三章「ウェスタン決闘録」で構成されています。


 映画、役者についての評論も勉強になりますが、何と言っても第二章の人別帳を読めば「ウェスタン通」になったような気がしました。例えば、21歳で生涯を終えた有名人ビリー・ザ・キッド。映画「左利きの拳銃」でポール・ニューマンがビリー・ザ・キッドを演じましたが、定説になっている「ビリー・ザ・キッドは左利き」は写真を逆に焼き付けたことから生じた誤りだという説が有力らしい事や、ワイルド・ビル・ヒコックの愛人として知られているカラミティ・ジェーン、実はヒコックに会ったこともなく、愛人説はでっちあげだったという説が有力で、しかも映画のカラミティ・ジェーンはジーン・アーサーが扮していたが、実物は似ても似つかぬ大変なブスだったらしい事など。


 著者 深沢哲也氏の略歴

 大正10年東京生まれ。早大商学部から学徒出陣、シベリア抑留生活を経て昭和23年帰国。その後、報知新聞で映画記者ひと筋に十九年つとめ45年9月退社、フリーの映画評論活動に入る。正統西部劇とチャンバラをこよなく愛し、ブベツをこめた名称”マカロニ・ウェスタン”の名付け親。共著に「任侠映画の世界」。



本書カバー裏の推薦文

珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・

淀川先生と小森のおばちゃま。豪華な推薦文です!