珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・
シャーロック・ホームズの冒険  1970年


 名匠ビリー・ワイルダー監督が描くと、シャーロック・ホームズはどんな風になるのか!すごく期待して観た映画です。しかし、なぜかパロディ仕立てになっていて、原作とは関係ないオリジナルストーリーになってしまいました。


 映画冒頭、”コックス銀行”に預けられたブリキの箱があり、この持ち主の死後50年後に開封される。持ち主は「ジョン・H・ワトスン」。この中にはホームズとの思い出の品やパイプ、鹿撃ち帽(ディアストーカー)、虫眼鏡などと一緒に、ワトスンが発表してない事件の原稿が出てくる。この冒頭シーンは、かなり興味をそそられワクワクしましたが、ストーリーが進むにつれ・・・・・うーん??でした。


 シャーロック・ホームズ物語は、長編4、短編56で全60編しかありません。しかし、この60の事件簿の中に「語られざる事件」として、タイトルや部分的に紹介した事件がたくさん出てきます。これを題材にパロディやパスティーシュ(贋作または真面目な模倣)がたくさん書かれています。この映画もカナリヤが出てくるところは「語られざる事件」の一つ「悪名高いカナリヤ調教師の事件」などから創っているのでしょう。


 ホームズ物語を読込んでいる「シャーロッキアン」には、あの場面のパロディだな!とすぐ解るのでしょうが、私は全編を2度しか読んでいない初心者「シャーロッキアン」なので、まだこの映画を楽しむまでには至らなかったと思っています。またホームズ物語を読み返して、再度、映画を観たいと思います。



珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・

珈琲の香りと紫烟の中で・・・・・