6月13日
午後おそく、週末の渋谷。人の多さに何となく気持ちが荒む。ここを歩くなら平日の夜とかの方がいい。ビッグカメラでチューナー用に電池をやっと買う。その後電車で新宿。element(s)本番前日のリハーサルを3時間。こんなに朗読を人と長時間練るのは初めてだなぁと思う。読み疲れが出たが、楽しい。チューナーは電池切れでなく壊れていることが判明。脱力。予備を用意しててよかった。みんな心なしか前回のリハより固い気がした。多分前日だからだろう。

6月14日
午後2時半に池袋のベムスターへ。軽いセッティングや声の聞こえ具合などをチェック。その後急いで弦を張り替え。
開場時間になるとすこしづつ人が集まりだして嬉しい。この時間が好きだ。緊張が微熱のように高まる。リーダーのとものさんがアンケートやパンフ的なものとかプレゼントのキャンディなど用意してくれていて、それが非常に雰囲気に効いていたと思う。
本番では、朗読はミスはあまりしていなかったが笹田さんとの歌でちょっと失敗する。が、それでもなんとか。
休憩時間などではみんな、それぞれの話題でいい空気になった。本番後はお客様を見送った後、メンバー4人で撤収。池袋の森が気になりつつスルーし、居酒屋で打ち上げ。良かった点を挙げようとなっても何故か反省点ばかりを語り合う。4人で同じものを目指し、4人で一緒に孤独、というのも悪くないなと思った。我々element(s)の朗読に耳を傾けてくれた皆様、来れなかったけれど気にしてくれた人達、本当にありがとうございました!

朗読作品(朗読順) 
作者        「作品タイトル」      朗読者

岸田 繁        「東京」        みき、ダダマ
笹田 美紀     「地球儀を廻す」      フミタケ
守山 ダダマ  「ご一緒でよろしくて」    ともの
笹田 美紀        「拳」         ダダマ
川西 幸一     「おかしな二人」    みき、ともの
守山 ダダマ      「石鹸」       フミタケ
しえろ 文威   「君と80cm」      ともの
ともの     「お昼の相対性理論」     ダダマ
ともの   「ヒートアイランドの娘」    みき
〈break〉
又吉 究    「2人で逃げるのさ」    ダダマ、フミタケ
井伏 鱒二       「顎」         ダダマ、ともの
宮沢 和史     「釣りに行こう」     ダダマ、ともの
守山 ダダマ  「苦しみのポチ」       みき
しえろ 文威   「矛盾の人」         ダダマ
笹田 美紀  「それはつめたくてあじがしない」 ともの
辻 仁成     「砂丘 六」      フミタケ、ともの
ともの     「谷でのこと」      フミタケ
しえろ 文威  「空を見上げる」        みき
笹田 美紀     「色のない声」     みき、フミタケ

6月15日
朝10時から映画館へ。役所広司『ガマの油』ダーレン・アロノフスキー『レスラー』を立て続けにみる。どちらも救いがないまま終わる作品なのだが、それでよいと思う。二本みてちょっと気分が悪くなる。
『ガマの油』、なかなかの出来。登場人物の顔つきと言うかオーラと言うかそういうのが印象に残る。きちんと邦画を撮っているという感じもする。黒沢清や青山真治の作品に沢山出演しているだけあって、そうした巨匠たちのエッセンスを昇華した、きちんと感。いい意味での健やかさと清潔感。役所広司のユーモアのセンスが演出の随所に出ていて、ゲラゲラ笑ってたが、他の人は誰もこれで笑ってないのが不思議だ。
『レスラー』はそもそも、ミッキーロークが昔から苦手なのを含めても傑作だった。ちょっと泣く。人ごとと思えない。これをみて、何とも思わなかったらもうダメだ。主人公だけでなく登場する女たちの悲しみ、名もない脇役たち、00年代に響く80年代のハードロック、寂しい町の風景まで、すべてすばらしい。ボロボロになっても消えないものはなんだろう。ラストのカットにそれは凝縮されてると思う。

6月16日
取り置きしていたアナログシンセ、Roland SH-101をついに購入。ついでにチューナーも買う。
夜、〈ルフラン〉の赤井さんから合コンを20時からやってるから店こいと留守電が入っていることに23時頃気付く。その他、予想しない人数人から好意的?なメールが来ていて、今日はそういうありがたい日なのかなとぼんやり思う。

6月17日
朝10時、映画館で『ターミネーター4』。そのへんの味気ないSFにだいぶ近づいている。面白くはみれたのだが、シュワちゃんがでてきて「ダダンダッダッダン!」となったちょっとだけのシーンがいまだに一番惹き付けられる哀しさ。
一旦帰宅して、アナログシンセいじりなど。
午後遅くから仕事。
おわって23時に〈ルフラン〉へ。〈イーストオブエデン〉でよく顔を合わせるジェフ夫妻と偶然居合わせ、長時間話し込む。彼は自前の見事なスタジオを持っていて、その話をいろいろ聞かせてもらってものすごく楽しめた。一軒家を借りてまるまるレコーディングスタジオにしているのだ。電気もアースからケーブルからすべて音楽のために専門の技術者(彼の知り合い)に協力してもらい地下5メートルから工事。マイ電柱まで作ってる。モニタースピーカーもミキサーも最高品質のもの。マイクもシールドも多種そろえている。で、以前それでレコーディングしたものを聞かせてもらったのだが、すばらしかった。録音する元の音をできる限り最良の形で録音し、イコライジングに頼らず、その時点で音の分離のバランスがとれるよう最大限配慮するスタイル。そのためのシステム。ワインを奢るから、今夜そのスタジオ(〈ルフラン〉から歩いていける距離)に泊まっていいよとお誘いいただく。が、今回はお気持ちだけありがたくいただき、今度の機会を楽しみにすることにする。週末のワンテイクパーティに顔を出したい。あと、録音システムが基本的に同じ(マッキントッシュとLogic Pro8)だし、ミキサー必要ならいつでも協力したいということだけ話し合う。彼の話を聞いているとすごくワクワクするし、勇気づけられる。尊敬。できることがあるなら協力したいと強く思った。

6月18日
イベント関係などのメールやりとり。
とものさんから先日の朗読会の音源と彼女の詩集が届く。ありがとう!
アナログシンセいじり。Logicいじり。
そろそろ出来てる17曲のオリジナルのレコーディングを進めたいなぁと思うのだが、ちょっとどうしてもまだ操作の勉強段階。
でも、きっとそろそろさ。