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と???。」
「気に入らないと???。」
そうは言ったものの、源次郎は「さもありなん」と思う。
この小樽の舞台のリハーサルでの出来事を重ね合わせば、笠野が言っている場面が簡単に想像できる。
美由紀は、自分の納得する舞台しかやりたくないらしい。

「で、でも、東京でも、御社が企画された舞台に出てるんでしょう?」
源次郎は、今までに聞いた話としてそう指摘する。
だからと言って、美由紀がすべてを拒んでいたということではないのだろうと。

「で、ですから???。」
笠野は、また改めて周囲を見渡すようにする。

「美由紀嬢にご出演頂くに当たっての条件が、こうした言わば丸投げだったんです。」
「ええっ! ま、丸投げって?」
源次郎はその言葉に当惑する。
もちろん、「丸投げシャネル バッグ 2013
シャネル ヴィンテージ バッグ
シャネル バック
」の意味は分っている。
だが、こうした舞台への出演契約における「丸投げ」と言われると、もう何も考えられなくなる。

「つ、つまりは、企画からのすべてをお任せするということです。」
「う、う~ん???。」
それは、以前にも聞いた話だと源次郎は思い出す。

「私どもとしては、まさに無条件降伏なんです。」
「む、無条件降伏!?」
「は、はい。ですから、私にとっても初めての経験だと???。」
「??????。」

「そうでございましょう? 入場料からお決めいただくんですよ。つまりは、本来私どもがやらさせて頂くプロモーションという機能をすべて白紙委任させて頂くわけでして???。」
「は、白紙委任って???。そ、そうしたことも、こちら側でやると?」
源次郎は、それこそ頭が真っ白になっていくのを感じた。


(つづく)



第2話 夢は屯(たむろ)する (そ