N2229BM-74 | chuang235のブログ

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遅れてすいません。
ついでにこんな話ですいません。

ちょっとスランプ気味で……思うように執筆が進んでいません。
こんなの、鋼鉄のアイじゃない……ッ(つД`)・゜・
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スカトロベンジャーに見る両指揮官のストレス量について

「今帰った」
 タクムは言いながら野戦陣地の臨時司令部に帰還した。後ろからは新型自走砲である155mm自走榴弾砲<M109>が一輌と、それを守るようにソフィスト軍から略奪した主力戦車<T-62>と<T-55>が付き従っているが、彼等は司令部を通り過ぎ、そのまま整備店との方へ向かっていった。

 コンテナハウスを並べて作ったそれだが、司令部というだけのことはあり、それなりに立派なものとなっている。

 特に用心深いタクムはコンテナハウスの各所に生体兵器や破壊された戦車の装甲板を執拗なまでに貼り付けることで防弾性能面を上げていた。

「おすっ、すろーにゃんおつかれにゃーん」
「風呂にするか? それともご飯のほうがいいだろうか?」
 ソファーに仰向けに寝そグッチ バッグ 新作
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べってリラックスモードのライムと、藍染のエプロンを着たベジーが明るい表情でタクムを迎える。

 二人は最近、司令部にべったりと張り付いている。タクムは知る由もないが、カフカの指示であった。

 どんな組織でも同じだが、人の上に立つ者は多大なストレスに晒される。一軍を預かる将であり、時に前線指揮官として前線を支え、あるいは一兵士として直接戦闘を行うタクムのストレス量は計り知れない。

「ご飯にするにゃんよ。もう、みーはもうお腹ぺこりんさ」
「なんだ、食ってなかったのか? 先に食ってりゃよかったのに」
「主人が命がけで働いているというのに、従者が安穏と食事をしていい道理がない」
「固いにゃー、ふんっとにべーにゃんの精神はカチカチ山よ」
「泥舟じゃねえか……それ……」
 タクムは呆れた風を装いながらもニタリと上機嫌な笑みを返す。

 自身も長年司令官として活躍していた経験から、カフカは司令官が単独行動にさらされる危険性を示唆した。<鉄屑兵団>の最古参であり、タクムの信頼も厚い二人を司令部に張り付かせ、会話を交わし、愚痴や不満を聞き出し、生活を支えることで彼が抱える重責を軽減しようという狙いだった。

 それは依頼のような形だったが、タクムに忠誠を誓うベジーはもちろん、元々善良かつ最近では仲間意識も芽生えつつあるライムは一も二もなく承諾し、微妙な共同生活が営まれているわけである。ちなみにコンテナハウスの間取りは4LDK+S。司令室兼食堂に個々人の私室、武器倉庫となっている。

「ちなみにメニューは?」
「カレーライスだ。今回はそれなりに自信がある」
「それは楽しみだな」
「やふー! カレーは飲み物よ!!」
 二人はもろ手を挙げて喜んだ。

 ベジーはロマンスグレーに僅かな笑みを浮かべてご飯をよそい、たっぷりのカレーをかけた。

「おかわりは沢山用意している。お腹いっぱい食べて欲しい……さあ、どうぞ」
「おう、じゃあ頂きます」
「うんうん、挨拶大事ね。にゃーもいただき40万!」
 二人は食事を開始し、蕩けるような表情を浮かべた。

「う、うまい……なんだ、これは……」
「スローターさん、べーにゃんをお嫁にください」
 ベジーの料理スキルは日増しに上がっている。デルタへ向かう時のキャンプでの失敗が響いているようで――タクムは食べられる料理であれば失敗とは思わないが――彼なりに努力をしているようだった。

 食事に関する関心は薄いタクムでも、美味い料理と不味い料理なら美味いほうがいいに決まっている。

「特に肉が美味い……」
「うん、甘くて美味くて、匂いまで……特選A5ランクの和牛だってこれほど美味しくにゃいわ……食ったことにゃいけど」
「ベジー、この肉は何なんだ?」

 褒められたベジーは頬を赤らめつつも、珍しく誇らしげな顔をして言う。

「ああ、<スカトロベンジャー>の尻(ランプ)肉だ」
 最高級部位だぞ、と続けるベジー。ちなみに<スカトロベンジャー>とは茶色くてウ○コのような形状をした芋虫型の生体兵器である。

「「ブーッ!!」」
 二人は口に含んでいたカレーを吹き出し、お互いの顔をウン――いや、カレーに染めた。

「馬鹿野郎! 何てもの食わせやがる!!」
「ぎにゃー!! う、うんこ! あたしうんこ食った!? ついでにうんこを掛けられたッ!? アイドルなのに!? こ、こんなのってないよ! アイドルウンコしないのに……うぉえぇぇ……」

 ライムとベジーの努力の甲斐あって、コンテナハウスの中はまるで日常の一コマを切り取ったかのように落ち着いた雰囲気を放っていた。





「特選スカトロベンジャーの尻肉のソテー~カレー風味のスパイシーソースを添えて~でございます」
「ありがとう」
 ニーアはそう言ってスカトロベンジャーの茶黒い肉塊にナイフを入れた。一口大に切り取るとフォークで口の中に放り込んだ。むにゅりと蕩けるような食感の後、じゅわりと口の中でスカトロ肉汁が広がる。強烈なスパイスの中に混じって、スカトロ肉特有の甘く芳醇な香りが広がっていく。

 ニーアは目を瞑り、スカトロベンジャーの尻肉をかみ締める。自然と分泌される唾液と混ざり、下の上で解け、くちゅくちゅと液体化したスカトロ肉入りの唾液を飲み込む。

「はぁ、美味しい……主に感謝を」
 軍人として女性としての喜びを捨てた彼女にとって、ゆったりとした食事の時間は唯一の楽しみであった。しかも今日のメニューは待ちに待った高級食材の代名詞であるスカトロベンジャー。

 至福の時間だ。意識が飛びそうになってしまう。あまりの美味しさに油断したらしい。

「……食事中に眠りそうになるなんて……まるで子供だわ」
 頭が重い。ここ一ヶ月というものまともに睡眠が取れていない。昼夜問わず散発的に行われる迫撃砲による遠距離射撃。その度に対応に追われるニーアは連続した睡眠時間を確保することが出来ないのだ。

 <殲滅者>という人外の影に怯える毎日だった。あの恐ろしい男が自分の命を狙っている。それだけのことで食事すらまともに喉が通らなくなる。

 そんな儚くか弱い存在。それがニーア・チェルツコアの正体だ。

「うっ……」
 胃の奥がひっくり返る様な感覚。嘔吐感を覚えた彼女はテーブルを立ち――そのままうつ伏せになって倒れた。