篠原明夫の「ハートフルウェディング」のススメ!

篠原明夫の「ハートフルウェディング」のススメ!

舞台演出家であり、ブライダルプロデューサーの篠原明夫が、
お金が無い、勿体無いと言う理由で披露宴をしたくないアナタに、
夢のような思い出をプレゼントします。また来賓の方々にもっと喜んで頂けるご提案を実現させます。

お二人の絆を深め、喜ばれるお持てなしを実現。

最高のスタートを!しかも0円スタート!


Amebaでブログを始めよう!

お色直しと言えば、主役は新婦。

新郎は基本的に着替えずに、新婦のお迎えというのが一般的。


この日も、新郎はお色直しの衣裳はありませんでした。

しかし、普通なら新婦のお色直しの終わる頃に席を立つ筈の新郎も、新婦と同時に席を立ったのです。


「新郎新婦のご入場です!」


扉が開くと、新郎新婦にスポットライトが当たります。

会場にざわめきが起こりました。


新郎が大きく様変わりした事に、会場の誰もが気付いたのです。


肩胛骨の下辺りまで伸びた長い髪。

新郎はミュージシャンです。

そのトレードマークの長い髪をバッサリ切っての登場でした。


主役を奪い取られた形になった新婦でしたが、ゲストの反応を思う存分楽しんでいらっしゃいました。


最後、新婦の父親も挨拶をしました。

「彼は確かに好青年です。それは付き合いを深める中で感じていました。でも私も古い人間ですから、その風貌には違和感が無いと言えば嘘になります。でも彼のお仕事の上で必要な物だと思っていました。それがお色直しでこんな風になりました。(会場大爆笑)私は、彼の男としての心意気をこうして形にして見せてくれた事に嬉しさ以上に、誇りを感じました。」


誰もがその行動に涙を隠せませんでした。

人は外見ではありません。それでもこうした行動は義父の心も動かしました。


新郎にしてみたら、単にみんなをビックリさせたかっただけだったらしいのですが、思わぬうれし涙を生み出す結果となりました。

いやあ、物凄く斬新な新郎新婦でした。

普通は、「私たちはこんな夫婦になります!」って宣誓したら、それを書いてある宣誓文に署名をするのが一般的なんですが、このご夫婦はなんと!


新郎が新婦のドレスに誓いの言葉を端的に表した短い文章を書いてしまったのです。

その後、歓談の時間に、ゲストの皆さんからお祝いの言葉を書き込んで貰っていました。


最初は僕も、この提案に驚いたのですが、どうせ買ったドレスですし、また使うことも無いでしょうし。でも捨てるのは忍びない。だったら皆さんにお祝いの一言を書いて頂いて、世界に一つの記念品にした方が良いというのです。


なるほどねぇ。


で、使うペンは、油性だと滲んでしまうので、水性顔料ペンを使いました。

100円ショップでも売っていますのでお手軽に購入出来ます。

しかも新婦の提案で、赤とピンク。可愛いからね。僕はそれにオレンジも混ぜてみました。


最初の宣誓の一言は目立って、何だか違和感があったのですが、ゲストのお祝いメッセージが書き加えられて、終宴の頃には綺麗なピンク色のドレスに仕上がっていました。


演出としては、宣誓書と羽ペンをちゃんと用意しておきます。

「本来でしたら、只今の宣誓の言葉を心に留める為に、こちらの宣誓書に、このペンでしたためるのですが、本日はこれらの物は使いません。」

と言って、式台から外してアシスタントに渡します。

「それでは只今の宣誓の言葉を、新郎が誓いの思いを込めて、新婦のドレスにしたためて頂きます。」

ゲストは意味が分からずにざわめきます。

「それではコレでお願い致します。」

と言って司式者が水性顔料マジックを高々と掲げます。

見た目はハイマッキーですから、ああ、このマジックでドレスに書くんだ!と分かり、笑いとどよめきが起こります。

新郎は、ドレスのレース部分をたくし上げ、誓いの言葉をしたためます。

「それでは、新郎が今一度、ここにしたためました、誓いの言葉を声高々に読み上げます。その言葉に嘘、偽りがなく、この夫婦を末永く見守りたいと思われた方は、承認の印として、お手元のクラッカーを鳴らして下さい。」


我が家でも、結婚の時に購入したドレスが所狭しと大型の段ボールにしまわれています。

ウチの場合は、舞台演出の仕事もあって、何度か結婚式のシーンで使っているのですが、一般の家庭では捨てるに捨てられない。ちょっとお邪魔なお荷物になっているんじゃないでしょうか。

書き込むことによって、かなり派手になりますから、シンプルなAラインのドレスがお薦めです。


「新郎新婦のご入場です!」と司会が声高らかに登場を促すと、幕が開く。

新郎新婦は特に変わりなくそこに立っている。

音楽がイントロを終えると司会者が口を開く。


「普通ですと、新郎新婦、このまま皆様のテーブルを縫って高砂へと進んで参ります。

しかし、本日は新婦、大好きな新郎を横に、もう一つ大好きな物と本日の第一歩を歩ませて頂きます。」


そう言うと、新婦は介添えさんにブーケを渡し、代わりに日本酒の一升瓶を手にしたのです。

一升瓶を胸に抱え、新婦は新郎に寄り添って歩みを進めます。


お二人は一升瓶の中にはいった酒ならぬ水を、各テーブルに置かれた水鉢に注ぐのです。

水鉢の中にはライトキューブが仕込まれていて、水が入るとレインボーカラーに水が光り始めます。


高砂には一層高い水鉢が用意され、注がれた水が高らかにライトアップされます。

その美しい光の中で、新婦は日本酒の瓶ではなく、焼酎の瓶に持ち替えている事にゲストは笑いを堪えられずにいるのです。

一升瓶1本では、水の量が少ないので、実際には数本の一升瓶が必要なのです。

でも最後に焼酎という明らかに違う種類の酒を持って来る事で、ゲストはどれほど新婦が酒好きかが分かる。

そして酒好きのゲストの誰もが、この後に振る舞われる日本酒と焼酎に思いを馳せるのだ。


新婦さんにこれをさせるのは、大きな賭だ。

だが、オープニングから一気に活気と笑いに溢れる。

ご両親がどう考えるかが、分かれ目の演出だ。

昨晩打ち合わせをさせて頂いたカップル。

お母様から、ご出席されるお子様方へ、プレゼントされたい玩具をリサーチするようにと言い付かっていると言う。

途中、コーナーを設けて、お子様方が欲しがっている玩具を、新郎新婦がプレゼントすると言うセレモニーがあるのだ。

面白い事を考えるなぁと思って感心していると、「え?普通ありませんか!?」と逆に驚かれた。

新郎も「俺も初めて聞いた。」と。

これは新婦の地元ならではの風習なのか?ご一族の仕来たりなのか?

300件を超える披露宴を演出してきたが、これは初めてだったので載せてみました。

どうも、お子様方が退屈しない様にと言う心遣いが根本理念らしいのだが、逆に盛り上がり過ぎたりはしないだろうか。

どんなプレゼントが出て来るのか、今から物凄く楽しみ。

以前、サラリーマンみたいにしてブライダルの演出をしていた時には、

幾つかのプランを持っていて、その組み合わせをお客様に選んで頂いていました。

その組み合わせこそが「アナタらしさ」だったんです。

披露宴は儀式なので、ある程度、パターンを踏まえることは大切です。

でないと、ご両親、ご親族が怒り出します。

ですから、本当は「アナタらしさ」を演出するってとっても難しいんです。


でも巷のブライダルプランには「アナタらしさ」がいっぱいですよね。

その内の何%が本当にアナタの意見を取り入れてくれるんでしょうか。


僕は、相手の都合もありますから、夜からしか会えないとなると、何度かお会いして時間を作ります。

話し合いの中からしか本当の「アナタらしさ」は出て来ません。


先ず初めに、ご両親・ご親族に納得して頂く筋立てをお話します。

そうするとお二人から、素人さんとしての質問が出てきます。

その質問の中に「アナタらしさ」が隠れているんです。それを如何に見付けられるか。

その質問の陰に隠された、本当にやりたい事をつまみ出して、

「ほら、こんな事をしたいんでしょ!」って見せて、「だったらこうやってみたら効果的ですよ。」とプロの味付けをする。


カップルの殆どが先ず、何をやりたいかが判っていなんです。

それを会話の中から見つけ出して、

プロとして形にしてあげる。


ここで間違っちゃいけないのは、「アナタらしさ」を「アナタの言う通り」と混同してはいけないんです。

そこに必ずプロの味付けをしなくちゃならない。


一流のお店は、お客さんの入って来た姿を見て、ちょっと会話をして、今日のお勧めを出す。

そのお勧めが隣の席の人と違っていて、不思議に思って尋ねると、

「今日のアナタにはこれ。」っていう一品だったりするんですよね。

これこそが究極の「アナタらしさ」だと思うんです。

それが「玉子焼き頂戴。」って注文を受けたら、「甘いのが好きですか?しょっぱいのが良いですか?それとも辛いのがお好みですか?」なんて聞いてくるお店。焼きながら「硬めがお好きですか?柔らか目がお好きですか?それともタンポポ風?」なんて聞いて、出来上がったら「ケチャップにしますか?醤油?ソース?大根おろしはどうします?ああ、、柚子胡椒っていう手もありますよね。」

どう?ダメでしょ。「アナタらしさ」と「アナタの言う通り」って全然別物でしょ。


で、その「アナタらしさ」を引き出すには最低3時間は会話しないとダメなんです。

それも無駄話。

だから僕はオフィスでは絶対に話さない。

飲み屋ですよ。それとかサイゼリア。ガヤガヤが酷いと話にならないけど、静かだとアイデアは出て来ないんです。

インプットは静かな場所。アウトプットは雑踏のある場所。

これが僕のコミュニケーション手法の肝なんですけど、これに照らし合わせると、

静かなクラシックなんか流れている静かな応接室で打ち合わせするとインプットモードになるんです。

飲み屋とかでざわついている場所で話すと人はアウトプットモードに変わります。

だから一般的な教室は勉強をインプットする所だから、「静かにしなさい。」って言われるでしょ。

上司の悪口とかで思い切りアウトプットしたり情報交換するのは絶対飲み屋でしょ。

つまり押し付けるなら静かな場所。引き出すならざわついた場所が一番なんです。


だから本当に「アナタらしさ」を編み出そうとしたら、静かな応接室で打ち合わせちゃいけないんです。

でもこれって時間的にも、作業的にも効率が悪くて、ブライダル企業では出来ないんですよね。


さて、皆さんも僕に心の引き出しを引っ張り出されてみませんか?

居酒屋で。割り勘で。終電まで。僕は下戸ですけど。

よく尋ねられることに、「どうして2組限定なんですか?」という質問があります。

答えは単純です。

それ以上、忙しくなりたくないから。


僕の本業はあくまでも舞台の劇作家。

もしこれが、披露宴の方が本職になったら、「これで儲けなきゃ!」って思うでしょ。それが嫌なんです。

新郎新婦(たまに旧郎旧婦もいらっしゃいますが)の幸せを単純に願ってプロデュース出来なくなっちゃいそうなのが怖いんです。

「ここをこうしたら、もうちょっと稼げるな。」って思いながら提案するはあまり好きじゃない。

だから、良い意味で片手間で作りたいんです。

そうすると月2組が限界。

3組様目はご縁が無かったものだと諦めることにしています。


とは言っても、芝居を作っているよりは経済的に余裕が生まれるので、妻はもっとやったら良いのに。って言います。


でもやりません。

そうすると、僕のスケジュールに合わせてやって下さるカップルが出始めて来ました。

有り難いですね。


以前は毎週土日の2日間で4~6組の披露宴を担当していました。

完全にこちらから提示する幾つものプランを並べ替えて「あなたらしさ」を演出します。

新郎新婦からご提示頂く本当の「あなたらしさ」は受け入れません。

考える時間が無いからです。


日曜日3組目となると疲労困ぱいしています。

一度、こんな事がありました。


一人で音響照明の操作をしていたのですが、本番中、どんどん睡魔に襲われて、ハッ!と気付いたら披露宴は終わっていました。慣れすぎていて、眠ったままでもスタッフワークを完璧にこなしていたのです。

プロの伝説としてお話しする機会もあるエピソードですが、怖い話ですよね。


一生に一度の晴れ舞台だから、こちらもしっかりこだわって作りたい。

その答えが1ヶ月2組様迄ということなんです。

先日、調布方面の小学校でイベントをするのに機材が欲しいということで、PTAの集まりに行ってきました。

一通り行事の打ち合わせを終えた所でちょっと恐縮しながら僕は一枚のチラシを出した。

そう、『超絶黒字婚』のチラシだ。

「済みません。私事で済みませんが、今、こんな事をしているんです。もしどなたか結婚するっていう人がいらしたらご紹介下さい。」

いやあ、ママさんの情報網は凄いですね。


「そう言えば○○先生、独身ね。」

「○○先生は確か彼氏が居たわ。」


行事の打ち合わせ以上に盛り上がりました。

「ご紹介頂けたら3万円くらいならお礼が出せますから、是非、お声掛け下さい。」

何気なく言った一言で更に盛り上がる。


「篠原さんの演出で作った披露宴に参加できるだけでも楽しそうなのに、3万円貰ったら本当に嬉しいわね。」

「3万円って言ったらご祝儀と同じ額じゃない。寿貧乏にならないで済むわ。」


何気に言ったことがこんなに喜んで頂けるとは!

誰もがハッピーなウェディング。それがモットー。

だったら、これを定例化しない意味はない。


ってことで、ご紹介頂いた場合、披露宴終宴後3万円差し上げますキャンペーン始まりました!

バツイチ、バツニ、バツサン・・・。

いわゆる離婚経験者は概ね披露宴を行わない。

片方が離婚経験者で、片方が初婚だとかなり悩む。殊に夫が離婚経験者で、妻が初婚だと夫は悩む。

妻も夫を気遣って「別に良いから。」と言ってしまう。

挙式・披露宴は新婦とご両親の為にあるのだと話すと、比較的「それならば。」と結実するケースが多い。


ところが、妻がバツイチで、夫が初婚だとまず挙式・披露宴には至らない。

夫婦共に離婚経験者だと決して至らない。


しかしどうなんだろう。僕がその友人だったら、やはり祝福したいと考える。

ケーキカットとかは要らない。

着席での厳かなパーティーは要らない。

お祭り騒ぎは必要ない。

二人が今度こそ幸せになるんだというその第一歩を友人として見届けたい。

そして「頑張れ!」と言ってあげたい。


そんな思いが通じた披露宴がある。


8000円の会費で3時間飲み放題、バイキング形式。

ドレスコードはフォーマルに近いカジュアル。

新郎はジャケット、新婦はカラードレス。

二人の出会いから、途中「私は離婚経験者なの。」と告白した時の心境を綴り、結婚に至るまでのスライドショー。

先輩バツイチ再婚者からの主賓挨拶。

離婚したてのホッカホカバツイチさんの「私も希望が持てました!」という挨拶に続く乾杯。

お食事をしながら、ゲストにマイクが廻り、夫婦円満の秘訣や、夫婦の間に溝を作ってしまった失敗談を語ってもらう。

普段の披露宴では忌み語として決して使われない単語が飛び交う。


引出物ではないが、ゲストのお帰りの際に引き菓子と、一枚のカードが手渡される。

カードには、「もし私たちが再び戸籍を汚すことがあれば、お食事代と諸経費を抜いたお祝い金1000円を返還させて頂きます。尚、本状なき場合は返金しかねますので大切に保管して下さい。」と書かれている。


離婚経験を前面に押し出した、不思議な披露宴でした。

そして同時に大爆笑の中の2時間。

普通では出来ない吹っ切った披露宴に、二人の再出発に心からの拍手が会場を満たしました。

建築士のMさんは、名刺交換会で出会った方。

「名刺では押してないんですけど、今、挙式・披露宴のプロデュースもやっているんですよ。良かったらホームページを見て下さい。」とお喋りしたら、目が輝いた。

当時はまだこのブログも無かったので、もしかしたらホームページを見ただけでは成約しなかったかも知れない。

正しくその場の話で盛り上がって実現したケースだ。


Mさんは結婚と同時に、独立開業した。

開業に際して多額の費用が掛かった為に、挙式・披露宴が出来なかったと言う。

奥様は勿論同意されたし、決してそれを責めることはなかった。

しかし、TVで有名人の披露宴の模様や、ドラマでのウェディングシーンを見ると、羨ましそうにするらしい。

「いや、私の思い込みなのかも知れませんけどね。」

と言いながら、奥さんにウェディングドレスひとつ着せてあげられなかった過去を悔やんでいた。

そんな話をしている内に、結婚10年目に、子供たちを混ぜて、結婚記念写真くらい撮ってみようかな。って事に。


後日、Mさんは奥さんに記念写真の話をしたら大変喜んでくれた旨を報告してくれた。

そして、会場とカメラマンの手配をお願いしたいと言ってきた。

夕方、待ち合わせて飲んだ。そこで様々なサプライズを盛り込んだ写真撮影にしようとアイデアを出しまくった。


結婚10年目の某日。

奥さんは数日前からのワクワクが絶頂になっていた。

家族で小さなホールへ向かった。

写真館かと思っていた奥さんは「写真館じゃないの?」とちょっと不思議に思う。

「二人で並んでニッコリだけじゃ芸がないだろ。だから写真館じゃなくてホールなんだ。照明もキレイだし。」

奥さんの頭の中はキレイな照明の中に立つ自分が思い描かれたのだろう。ニコニコが止まらなかったらしい。


やがて係りのお姉さんが子供たちを連れ出した。

不思議に思った奥さんにMさんは「飽きないように別室で遊んでくれるらしいんだ。」と「先ずは二人だけで撮ろうよ。」と付け加えた。

そして別の係りのお姉さんが、指輪をする前と、した後のお写真を撮りましょう。」と言って二人の指輪を預かって行った。

カメラマンが「では、ご用意が整いましたので、どうぞ。」とお二人を導く。


扉の向こうからは音楽が鳴り響いて来る。

「写真だけなのに大袈裟ね。」

扉が開くと100人を超える友人たちが、そしてご両親までもが拍手して二人を出迎えた。

すっかり油断していた奥さんの顔は写真を撮る前に涙でグシャグシャになった。


やがて指輪の交換。

先ほど持って行かれた指輪を、子供達がリングボーイ、リングガールとして運んで来たのは言うまでもない。


別段スピーチもなく、出し物もなく、イベントも殆どない。

単に大勢が寄って集って「キレイね。」「良かったわね。」の言葉を浴びせるだけの2時間。

立食バイキングで、会費も安かったので、僕の収入は大したことはなかったけど、自慢出来る演出作品の一つとして今も心に残っている。

「続きましてケーキカットのご用意をさせて頂きます。」

司会者がケーキカットへと流れを進めていく。

「ケーキカット用のナイフがありません!」

会場の担当者が叫ぶ。

しかも予備のナイフさえ見付からない。

元劇団員だと言う会場担当者の迫真の演技に感謝。

会場は騒然となる。

ざわめく会場内に不敵な笑い声が響く。

なんと、幸せのウェディングケーキを独り占めしようとする悪者がナイフを握っているではないか。


列席されるご友人の中にアクションが出来る方とか、芝居心がある方がいらっしゃると、セレモニーを一旦停める演出がウケます。


新郎が新婦を守るパターン。

新郎が力不足で破れ、新婦が仇を討つパターン。

別の友人軍団が、二人の為に戦うパターン。


状況に応じて、様々な台本を書いて、前もって稽古を積みます。

稽古を積んだ分だけ、面白い物になります。

殆どが当日の流れでブッツケ本番で向かえる披露宴の中で、

稽古を積んだイベントが一つ入ると、宴のグレードがグンと上がります。