以前、サラリーマンみたいにしてブライダルの演出をしていた時には、
幾つかのプランを持っていて、その組み合わせをお客様に選んで頂いていました。
その組み合わせこそが「アナタらしさ」だったんです。
披露宴は儀式なので、ある程度、パターンを踏まえることは大切です。
でないと、ご両親、ご親族が怒り出します。
ですから、本当は「アナタらしさ」を演出するってとっても難しいんです。
でも巷のブライダルプランには「アナタらしさ」がいっぱいですよね。
その内の何%が本当にアナタの意見を取り入れてくれるんでしょうか。
僕は、相手の都合もありますから、夜からしか会えないとなると、何度かお会いして時間を作ります。
話し合いの中からしか本当の「アナタらしさ」は出て来ません。
先ず初めに、ご両親・ご親族に納得して頂く筋立てをお話します。
そうするとお二人から、素人さんとしての質問が出てきます。
その質問の中に「アナタらしさ」が隠れているんです。それを如何に見付けられるか。
その質問の陰に隠された、本当にやりたい事をつまみ出して、
「ほら、こんな事をしたいんでしょ!」って見せて、「だったらこうやってみたら効果的ですよ。」とプロの味付けをする。
カップルの殆どが先ず、何をやりたいかが判っていなんです。
それを会話の中から見つけ出して、
プロとして形にしてあげる。
ここで間違っちゃいけないのは、「アナタらしさ」を「アナタの言う通り」と混同してはいけないんです。
そこに必ずプロの味付けをしなくちゃならない。
一流のお店は、お客さんの入って来た姿を見て、ちょっと会話をして、今日のお勧めを出す。
そのお勧めが隣の席の人と違っていて、不思議に思って尋ねると、
「今日のアナタにはこれ。」っていう一品だったりするんですよね。
これこそが究極の「アナタらしさ」だと思うんです。
それが「玉子焼き頂戴。」って注文を受けたら、「甘いのが好きですか?しょっぱいのが良いですか?それとも辛いのがお好みですか?」なんて聞いてくるお店。焼きながら「硬めがお好きですか?柔らか目がお好きですか?それともタンポポ風?」なんて聞いて、出来上がったら「ケチャップにしますか?醤油?ソース?大根おろしはどうします?ああ、、柚子胡椒っていう手もありますよね。」
どう?ダメでしょ。「アナタらしさ」と「アナタの言う通り」って全然別物でしょ。
で、その「アナタらしさ」を引き出すには最低3時間は会話しないとダメなんです。
それも無駄話。
だから僕はオフィスでは絶対に話さない。
飲み屋ですよ。それとかサイゼリア。ガヤガヤが酷いと話にならないけど、静かだとアイデアは出て来ないんです。
インプットは静かな場所。アウトプットは雑踏のある場所。
これが僕のコミュニケーション手法の肝なんですけど、これに照らし合わせると、
静かなクラシックなんか流れている静かな応接室で打ち合わせするとインプットモードになるんです。
飲み屋とかでざわついている場所で話すと人はアウトプットモードに変わります。
だから一般的な教室は勉強をインプットする所だから、「静かにしなさい。」って言われるでしょ。
上司の悪口とかで思い切りアウトプットしたり情報交換するのは絶対飲み屋でしょ。
つまり押し付けるなら静かな場所。引き出すならざわついた場所が一番なんです。
だから本当に「アナタらしさ」を編み出そうとしたら、静かな応接室で打ち合わせちゃいけないんです。
でもこれって時間的にも、作業的にも効率が悪くて、ブライダル企業では出来ないんですよね。
さて、皆さんも僕に心の引き出しを引っ張り出されてみませんか?
居酒屋で。割り勘で。終電まで。僕は下戸ですけど。