長洲で風水 その3 | らおぱんと呼ばれて

長洲で風水 その3

先生が気の流れを説明しているとき、表情に焦りが出ていたのでしょうか、話を止めてこう言ってくれました。


"さっきの話 ですけど、その程度で済んで、いい方だったと思うべきですよ、、最悪の場合、命を持っていかれますから、、。"


"命を、、ですか、、、"


"そう、最悪の場合ですけどね、、あなたを掴んだまま、あっちに連れて行こうとしますから、、。"


"どうすればいいんでしょうか、、?"


"とにかく早急にやるべきことは、ベッドの位置を変えることです。"


そう言ってベッドを置く位置を図示してくれたのです。


寝る位置を変えれば、数日中に何か変化が感じられる、、ということでした。


また、他の家具、家電製品の位置も置くべき場所を教えてくれました。


位置を変えた場合、気の流れがどのように変化するかも図で説明してくれます。


先生の話しを聞いていると、それまでは霊感、超能力の類と思っていた風水に、系統的な何かが、見えてくるよう感じられるから不思議です。


ところで、風水に関して特に抵抗があったのが、所謂置物や身につける小物、アクセサリーの類です。


前回風水を見てもらった時も、おばさんが後で水晶を買って、私の机に置いてくれました。


やはり理系出身ですからね、、確かに目の前で言い当てられたことには驚きました。


しかし、理論的な裏づけが理解できない置物は、書類を置くスペースのために退かしたらそのままになってしまったのです。


今回も置物、身に着けると良いものは話に及びました。しかし、前回とは違い、こちらも真剣に話しを聞き、疑問に思ったことは質問してみたのです。


すると漠然とですが、理解が及ぶ部分が見えてくる、、そんな気がしてくるから不思議です。


特に面白かったのは、自分の干支と違う干支を模ったものを身に着ける、というところです。


私は猪を模ったものを、、それが水晶や翡翠で出来ていればなお良いそうですが、、身に着けるように言われました。


何でも、前回記事 で説明してもらった、木、土、金、、などで各干支に足りないものが毎年生ずるそうで、足りないものを持っている干支を模ったものを身に着けると、やはり、気だか何だかが、間違って流れてくるのだそうです。


確かにこの世界には目に見えない、何か別のシステムみたいなものが作用していて、それを幾何的に捉えるには漢字の文化が適しているのかも知れない、、そんなことをぼんやりと考えてしまいました。


一番説得力があったのは、先生が勧めるモノに関して、高いものを買う必要は無い、羅湖商業城にでも行けば、水晶や翡翠、陶器なんていくらでも安く売っているから、そこで手に入るものを購入しないさい、、というのです。


たとえば豚を模ったものが売っていなかったら、普通の透明な水晶でいい、そんなもの羅湖商業城なら何十元で買えるから、、と、言い、


"肝心なのは、何もしないよりは何かした方がいい、それでさっき説明 した命運のグラフが負の方向へ落ち込むことを多少でも緩和できるんです。"


この辺はちょっと感動ものでした、、。


風水の大先生と商売人が、くっついて、お勧めグッズをその場で売れば、良い商売が出来るはずなんですが、、。


羅湖商業城にでも行って買いなさい、、だそうです。


あの安物売りの巣窟みたいな、羅湖商業城の名前が5回ぐらい出ましたからね、、庶民派ということなのか、金儲けに興味が無いのか、、。



本当に風水一直線って感じでした、、。



系統立った説明には、知的好奇心がムズムズと動き、加えて感銘すら覚えた、職人魂にも通ずる欲の無さ、、。


思わず弟子入りさせてくれませんか、、なんて言ってしまいましたね。


"まあ、時々遊びに来なさい、、ここは渡暇にも良いところですよ、、"


そう言って、来たときと同じようにフェリー乗り場まで送ってくれました。


"とにかく何かしないと、、先ずはベッドか、、。"



陽が沈み始め、紅く染まりかけた長洲の海を後に帰りの船で思いました、、。


らおぱんと呼ばれて-長洲夕日