とんかつ
この土日は雨で最悪の天気でした。
その分涼しかったので、また自炊です。今回は、、、とんかつを作りました。
実はから揚げと同じで、日本風のものがなかなか中国で食べられないのがとんかつです。
確かに日本食屋にいけば、たいていお品書きにとんかつもかつ丼もあります。
しかし、日本で食べるものと比べ、顕著に差が感じられるのです。
先ず、肉が薄い。
ハムカツかと思わんばかりの薄さを出してくる店が多いですね。
そしてフライもの全般に言えることですが、よく火を通したいのか、やたらとカリカリに揚げる傾向があります。
薄くてカリカリ、、ですから揚りぐあいも波打ってしまい、ころもの浮きも目立ちます。
やはり、とんかつはワラジのような風格を持って、千切りキャベツの横にでぇ~んと横たわっていて欲しいものです。
そんなわけで、分厚くジューシーなとんかつを自分でつくるようになりました。
好きなように分厚く切った肉にころもを点け、好きな揚げ具合に作る、、。最初は失敗もありましたが、少なくともそこいらの(中国人経営の)日本食屋など確実に超越した仕事ぶりを味わう事が出来ました。
で、あるとき自分で揚げたとんかつを、こっちの人に得意げに見せたんですよね。もちろん試食も勧めて、、。
すると意外なことに、先ず食べる気がしないそうです。
一センチ以上に切られたその厚みを見て、ころもつけて揚げただけでそんな厚い肉に火が通る分けないだろう、そんなもの食べてると危ないぞ、、とまで言われました。
おそらく薄くてカリカリなとんかつの背景には、単に肉をケチって儲けようとするよりも、衛生的な問題を危惧してのこともあるかと洞察はしていました。やはり食に対する文化が違いますからね、、。
しかし、日本のとんかつ屋であれだけ厚切りのとんかつが食べられているのだから、ころもを点けてキツネ色に揚げるだけで、菌や寄生虫を殺すには充分な加熱が得られるのだと、勝手に解釈していました。
でも、一応ネットで調べてみたんですよ、、、。なんと言っても、人生の半分以上海外にいる者の解釈ですからね、自分でも不安になります。
その結果、日本の豚は飼育環境が徹底していて、現在ではほとんど無菌に近い状態から生食すら可能。しかし、アジア方面、特に中国で豚肉を食する場合は加熱状態に気をつけるべき、、、と言うことなんだそうです。
確かに中国での豚の飼い方って、今までにも見ていますからね、、そりゃ、大きい養豚場は見たこと無いですが、小さい農家でもよく飼っているので、、。
よく、2枚に下ろした豚をさば折り状態で自転車の荷台に乗せ、走っているのを路上で見かけますが、ああいうのは農家で飼っている豚だと思います。
驚愕の事実を知り、己の解釈が無残にも打ち砕かれてからは、肉の厚みについては切るときに手加減するようになりました。揚げ方もキツネ色よりは濃い目に揚げるように、、、。
そんなわけで、とんかつですが、例によって作るのには手間がかかります。こちらで日本の味を求めると、どうしても手間がかかるのでしょう、だから日本食屋って高いのかも、、。
先ず、市場に豚肉を買いに行きました。日曜日でおまけに雨ですから、自宅で食事する家庭が多いのでしょうね、夕方行くとほとんど売り切れていて、いい肉が手に入りませんでしたが、売れ残りを二かたまりほど買いました。
また、同じ市場でキャベツも買いました。生食する野菜は大きいスーパーで買うことにしているのですが、この雨でキャベツだけ買いに行くのも面倒なので、よく洗えば一回ぐらい大丈夫だろう、、と惰性的な誘惑に負けてしまいました。
さて、先ずキャベツを切ります。生で食べるわけですから、調理場、器具が豚肉に触れる前に千切りにしておきます。
たかが、肉を切るのにキャベツを隔離するなんて、と思われるかもしれません。とんかつ用なんて肉が売っていないことは、想像に難しくないと思いますが、せいぜい肉の塊をスライスするだけだろうってほど簡単なものでも無いのです。
これが購入した肉の状態、、。
骨付き、皮つき、ありがたいことに数本の毛もサービスでついてきます。
早い話が、2枚に下ろされた豚をそのまま輪切りにしている状態です。ですから、皮と皮直下の脂肪、たたき切った時の骨片や筋の塊を取り除き、とんかつが揚げられる肉片にスライスしていきます。
当然目方売りなのですが、この肉でしたら、取り除くものを取ったら残った肉の部分は半分ぐらいですね、、。
ですから仮にネットで肉じゃがのレシピなんてものを見て、その通りの重さで肉を買ったらジャガイモの煮っ転がしを作ることになります。
今回は前述したように、良い肉が買えなかったものですから、ワラジ状に切れたのは3枚程度でした。残りは一口かつのような大きさになってしまいましたね。
揚るとこんな具合です。罰当たりなことに、フライパンの上に会社のレターヘッド敷いて油きりにしてます、、、、。
盛り付けるとこんな感じ。
材料はよくなかったですが、ころもの浮きもなく、そこそこの味に揚りました。