出入境健康申明表
香港に来ました。
なんかずいぶん久しぶりのような気がするのですが、連休はさんで尚且つ先週は来なかったからでしょうね。
会社がつぶれていたらどおしようかと不安でした。
例の豚インフルで税関でなにかあるとは思ってましたが、直通バスに乗る前に紙を配られました。
健康申報表です。
多少書き方は違ってますが、SARSのときにうんざりするほど書きましたので、同じように記入しておいたのです。
税関に入ると、センサーで熱を測っているのはいつもどおりですが、それを過ぎると見慣れぬ数人のマスクをした一団が待っていました。
先ほどの健康申報表を回収、、いや回収ではないですね、なんと記入漏れが無いかチェックしているみたいです。
私はパスポートにはさんだそれを見せ、マスクの人がさっと引き抜いて見ます。
"SARSで慣れっこだもんね、完璧だから見るだけ無駄さ、早く通してよ。"
なんて思ってたのですが、突然、
「住所は?香港の住所。住所ある?」
ただでさえ聞き取りづらい英語が、マスクを通したこもった声で聞かれました。
「へ?ありますよ、住所」
「じゃあっちで住所書いて、住所」
みると左側の奥に、運動会で使う折りたたみの会議づくえがずらっと並べられていました。
たしかSARSのときは電話番号だけ書けばよかったはず、、、と思って表を良く見ると、以前は連絡先となっていた部分が連絡先電話と連絡先住所の2項目になっています。
問題は住所はあるけど書けないんですよね。
実は暗記とかものすごい苦手で、英語だってスペルが全然憶えられないし、中国語に至っては、、喋れるけど書けない、、、。
確かに年に何度か住所を書かなければならないことはありますけど、自分で書くんじゃなくてタイプされた書類にサインするだけですから。
正直焦りました。だって、あんな会議づくえで居残りの追試みたいなこと、やってたらバスに措いていかれます、。
そう思うと苦し紛れの妙案が閃きました。
暗記が苦手な分脳みそに負荷が少ないのでアタマの回転はいいのです。多分、、。
あっそうだ、という感じで会議づくえに向かう途中でさっと踵を返しました。そして、さっきのマスクおじさんにこう話したのです。
「事情が変わって今日はホテルに泊まることになってたんだ、だからホテルの名前書けばいいよね?」
ホテルの名前なら、、4文字ぐらいのスペルでサルでも書けそうなのを憶えています。われながら妙案だなと思いました。ところが、、、
「それでは、そのホテルの名前と住所を書いてください。さ、あちらで、、、。」
再び会議づくえが指差されました。
数秒後、私はバッグを開けて必死で探しモノをしていました。もちろん会議づくえの上で。
"名刺、名刺はどこへ、、"
ところがそういうときに限って名刺が、、無いんですよね、、財布の中も調べましたが、居酒屋のVIPカードやカラオケのマミーの名刺とかは出てくるものの、肝心の自分のが一枚も見当たらない。
仕方が無い、ノートPCを、、立ち上げるか、、。いや、そこまでお店広げちゃうと時間が、、なんたってバスの運ちゃん気が短そうだったから、、。
とりあえず電話してみよう、場所が微妙だけど、、。
ボーダーのど真ん中なので掛かりずらかったのですが、3回目ぐらいで香港につながりました。
面白いもので喋ってもらうと英文字でですが書けるものです。
まあ、なんとかバスには間に合いました。
のんきにトイレで用足してから行くと、バスの運ちゃんがドアの前に腕組んで立っていて、あんたで最後だと言われましたけど、、。
↓宜しくお願いします。