痛い出来事 | らおぱんと呼ばれて

痛い出来事

どうも、流浪の孤中年です。

実は釣りが趣味なんですよね。
釣りといってもいわゆるフライフィッシングってやつなんですけど、、、、。
ほら、ブラピのリバーランズなんとかって映画でもやってましたよね。

こちらでは近所に川があるので時々散歩のついで、というか釣りするために時々散歩に行ってます。
小さい魚しかつれませんが、夕方暗くなるころに小一時間釣りして帰ってくるといい運動になります。


らおぱんと呼ばれて-小魚

ブラピの映画をごらんになった方はわかるかと思うのですが、フライフィッシングは太いフライラインを前後に振ってその先のフライ(毛ばり)を水面に落とします。

昨日も仕事が終わってから以前散歩 の記事で書いた、骨壷が置かれているあたりで釣りをしてたのです。
何投めかでキャストしたフライラインが、きれいに伸びていったあたりで急に強い横風が吹きました。

その瞬間、後頭部にずごっ、という鈍い衝撃を感じたのです。同時に前に伸びていたラインは失速してボタボタと水面に落下しました。

それほど痛くなかったので大して深く刺さったわけではないだろうと思い、フライを外そうとしました。ところが手を当ててみると右耳の少し後ろのあたりにぐっさりと針のふところまで刺さっているようでした。とりあえずティペット(先端の釣り糸のこと、用語はほとんど英語です)を切っていったんラインをリールに巻きとりました。


再度手で外そうと試しましたががっちりと掛かっていて抜けそうにありません。
釣り針は先端部分にかえしというのがあって、刺さるとそこが引っかかって抜けないようにできてます。その部分が深々と肉に食い込んでしまっているようです。

そこでベストからフォーセップ(手術用の鉗子)を外して針をはさんで外そうとしました。ところが鉗子ではさむと一緒に髪の毛も数本はさんでしまい、引っ張ると針が刺さったところより痛いのです。


こりゃいかんな、、としばらく刺さった針の部分に手をあてて考え込んでいました。

とにかく小魚釣るためのフライですので針も小さく細いのです。ですから力任せに外そうとすると先端が折れて肉の中に残ってしまうかもしれません。そうなると厄介です、、、。
何しろ自分では見えないので、他にだれかいれば針が刺さった方向に順じて、抜いてもらうこともできると思うのですが、、、。

すると後ろから声をかけられました。


「らおぱん、今日はもうお仕舞いかい?あたしも帰るよ、、」


この辺で畑仕事をしているおばさんです。しょっちゅう釣りにくるので挨拶を交わす程度の顔見知りになりました。

私も軽く手を振って挨拶を返します。そのとき一瞬、あのおばさんにちょっと見てもらおうか、、と思いましたが、しかし野良仕事の手で触られてもな、、と考えてるうちに、おばさんの自転車は通り過ぎてしまいました。


"こりゃ、骨壷のたたりかもしれないな、、、"


とにかく一旦帰ろう、そう思い、いろいろと思案しながら歩きはじめました。


" 医者に行くか、、
しかしこういう状況は医者も経験ないだろうな、何しろ後頭部に針が飛んできて刺さるような釣り方するやつ、こっちじゃまだいないだろう、、。
ブラピの映画をDVDで見せるか?
いやそれよりもこっちの医者だから、無理に抜こうとして折ってしまうかも知れない、たぶん釣り針なんて扱いに慣れてないだろうから、、。
もし、そうなったらその場で切開か、、この暑い時にアタマが洗えなくなるじゃないか、、、。
そういえば前に誰かが言ってたな、医者はやたらと切開したがるから針が刺さったらなるべく自分で抜いた方がいいと、、。
とにかくどんな状態で刺さってるんだろう?とりあえず帰ってからデジカメかUSBカメラで見てみるか、、それからだな、、。 "


そんなことを考えていたらまた声をかけられました。

「らおぱん、今日は釣れたかい?」

近所の小売店まで来ていました。声をかけてきたのはそこの店主です。
私は愛想笑いで応えるとそのまま通り過ぎました。

「あれ、今日はビールいらないの?」


"それどころじゃないわ!"


帰るとまずデジカメを出しました。両手でカメラを持って後ろに回し、十数回撮って、やっと2枚、はっきり見える写真が写せました。


らおぱんと呼ばれて-針


う~ん、すごいな、ゲーブの真ん中ぐらいまで刺さってるじゃないか、、。


学生のころ、湖用のもっと大きいフライが耳にささったことがあります。
そのときはピアスのように貫通させて、先端のかえし部分を折って抜いたことを思い出しました。まあ、その後は血まみれで釣りを続けたのですが、、。

この刺さり方だと貫通は無理です。単純に考えると、針を捻じらずに刺さった方向に順じて、且つ力が入る方法で抜こうとしてみれば良いのですが、、。

そこで、、おぼろげな記憶ですが、確か本でイラストを見たのを思い出しました。それはループ状に折り返した紐を針のふところに掛けて、その紐を持って引っ張るというような絵でした。確かにそうすると針のシャンクに捻じれるような力が加わりにくいと思われます。


そこで紐をさがしました。針が小さいのでタコ糸のようなものが理想です。釣り糸は伸びるので向きません。書類を入れる紙袋が細いタコ糸のようなもので閉じるようになっていたので、それを切って使うことにしました。


さて、針に糸を掛け、右手で引っ張り始めます。

左手を頭の後ろに回して針をつまみ、曲がらぬように押さえて、、じわっと力を入れていくと動きそうな感じが伝わってきました。更に引っ張る力を強めて、、するとボクッという鈍い感覚が頭に伝わり、針が外れました。私はすぐに針先を見て、爪の上を引掻いてみました。どうやら先端部に欠損はないようです。


いやよかった、よかった。


" さて傷口はどう処理すればいいのかな?血も出てないようだけど、、消毒薬でも塗っておくか、、となれば、まず患部を洗った方がいいな、、、それじゃ、このままシャワーだ、となると、、ビールを冷やさなければダメじゃないか、、。 "


そう思いつくと先ほどの小売店までビールを買いに行きました。



↓ああ、痛かった。ここをちょっとさすっていただけると感謝感激。