羅湖商業城 大快活 | らおぱんと呼ばれて

羅湖商業城 大快活

写真は羅湖商業城の大快活で食べた朝食です。


らおぱんと呼ばれて-大快活_朝食


これを食べたのが12日の日曜日、公明から帰る途中でのことです。
本当は早く帰りたいのですが、のんきにこんな食事をしているのには理由があります。


公明では予定が一泊延びてしまい、日曜の早朝帰ることになりました。
工場は日曜休みですし、老朋友も土曜の夜に私と例の大和で飲んだあと、さっさと香港へ帰ってしまいました。

その日は朝食もとらずにバスターミナルへ行きましたが、お目当てのバスは出たばかり。
ちなみにこっちのバス時刻表は始発と最終が何時でその間何本なんてのが多いです。


次のバスまでかなり待たされることになります。
殺風景なバスターミナルでトイレとベンチの往復を繰り返すのは耐え難く、タクシーで羅湖まで行き、そこからバスに乗ることにしました。

切符売りのおねえさんからは、待つのが嫌なら宝安まで行ってそこから乗れと、いかにも他人事よ当然でしょと言わんばかりのサジェスチョンを頂きました。

それじゃあ宝安からのバスの時間はどうなのかと聞くと、知るわけ無いでしょ、自分で調べなさい、ここは公明よ、はい次の人。
まあ、鎮のバスターミナルなんてこの程度でしょう、、、。


ということでシンセンの中でも治安に関しては、悪評高い公明鎮をさっさと離脱しました。タクシーで羅湖まで高速に乗り、朝なので1時間かかりませんでしたが予定外の出費です。


羅湖商業城の下からは乗るべき行き先のバスが普段は20分に一本でています。
ところがとんでもない誤算に気がつきました。
香港はイースターで4連休の真っ最中だったのです。香港から来る旅行者のためにその日もバスは10分に1本へ増便されていましたが、それでも並んで買えたのは約一時間半後の切符でした。


そんなわけで取りあえず座って朝飯など食べれる場所をさがしました。
マックは遠いし、、結局ここしか無いか、、と門前に立ち止まりしばらく腕を組んで唸っていたのが、香港系大衆食堂チェーンの大快活です。

ファミレスみたいにしゃれたものでは無く、レベルはあくまで食堂です。香港ではもう一つ大家楽という双璧を成す食堂チェーンがあり、最近は各社店舗の内装も非常にきれいになりました。
が、実のところ私はこの系等の店を長い香港生活の中でも数えるほどしか利用したことが無く、はっきり言って嫌いでした。
屋台や大排富、茶餐庁の自他共に認める愛好家ですので食堂を嫌うということでは無く、その注文するシステムと雰囲気が嫌でした。


先ず壁に掛けられたメニューを見てレジで注文をし、代金を払うと食券を兼ねたレシートをもらいます。そのレシートを持ってカウンターへ行き、中のおばさんに渡すと上からぶら下がったマイクで読み上げてくれるのです。
すると後ろの厨房で用意されたお菜がカウンター上のトレイにのせられる、、という感じの流れでした。
ところがそのおばさんたちの対応が恐ろしくラフで、、。
特に、お客の要望を細かく聞いてくれるありがたいサービスらしく、厨房への伝達ミスをも避けるためでしょう、レシートを見たおばさんの方から必要事項を聞いてくれるのです。
「目玉焼き?焼き方はどうする?何、半熟?、、」みたいな感じでどちらかといえば尋問です。当然おばさんの猛々しい声はマイクで拡声され、厨房だけでは無くカウンター全体、更には食堂内にも響き渡ることになります。


私が香港で働き始めた80年代後半は、私自身まだ言葉の問題もありました。
それゆえ尋問に対してちょっと小声で英単語を発しようものなら、マイクを握り締めたおばさんの烈火のようなお怒りに触れました。もちろんその怒声はありがたくも食堂内に響き渡るわけです。

おまけにあのころの内装といえばひどく安っぽく、プラスチックのイスに座ってカウンターから響き渡るおばさんの声を聞き、ぶっかけメシを中心としたメニューを一人で食べていると悲しくなりました。
おそらくメトロポリスという映画に労働者の食事シーンがあったらこんな感じじゃないかと思いましたね。この環境で黙々と食事する香港人の強靭なメンタリティには頭が下がりました。


そんな約20年前のトラウマを引きずっての朝食となったわけですが、店内の状況がえらく違うのには驚かされました。
先ず、以前はおばさんから尋問されていたようなことはレジの時点で(女の子が)聞いてくれました。
それがレシートに反映されるようなシステムになっているのでしょう、カウンターではただ注文したものをトレイにのせてくれるだけ。
だいたい、メニューに出ている写真よりまともなものが出てきました。いや、昔はメニューに写真なんてなかった、全部漢字と英語の横書きの板が壁に掛け並べてあっただけです。


ちなみにこのセットで23元ですからマック(マクド)の朝食よりお得だと思います。正直なところ屋台の朝食(香港の)よりはるかに美味い。おまけにイスだってプラスチックの一発成型モノじゃ無いし、テーブルだってボルトで床に固定されて無いのです。更にトレイを下げるときには飲みかけのコーヒーはちゃんと置いていくじゃないですか。

20年でここまで進化したか、、食べ終わった後に再び腕を組んで唸りました。


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